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この作品に関連する談話室の質問
この作品からのみんなの引用
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「自閉症」と診断された人たちは、秩序に固執する。こんな不安定な世の中で、何か一つでも、不変の確かさにすがりたいと思う。もうそれに存在の全てをかけていると言ってもいい。見ようによっては「根性がある」。日常の順番が一つでも狂ったら不安になってしまう。彼らに安心感を与えるのは慣れ親しんだパターンだ。それはだから、朝のいつものコーヒーが突然紅茶になったら世界が崩壊するような気分になるし、門のところにいつものポストがなかったら大音響の叫び声でもってそれを取り戻したいと思うのだ。
世界に秩序を!
― 214ページ -
新しい家というのは基本的に苦手だ。人になじんでいないから気配が粗野だ。幸福や不幸が程よく染みこんだ家は、生体の呼吸と同じようなものを感じさせて、くつろげる。新しい家には大抵独特の緊張感が漂っている。
― 208ページ -
傷つき易さを、変に居丈高にカバーしてコンプレックスにしてしまわず、そのままで相手に無防備にさらせる人を私は尊敬する。誠実な気品のようなものすら感じる。
― 46ページ
みんなの感想・レビュー・書評
すごく綺麗な文章。色々と考えるところもあったけど、読後感は爽やかです。ウエスト夫人をはじめ印象的な人物が多数。
イギリスに留学した体験を描いた物。 丁寧な文章で、真摯で独特な視点でとらえられた情景に、なんだか今まで動いたことのない悩の部分を刺激されます。 ユーモラスな出来事や、人の暖かさが心地良い。 おもに、下宿先のウェスト夫人との交流。 素敵な人ですね。 学校教師で児童文学作家でもあった。 どんな人にも手をさしのべようとするホスピタリティに満ちているため、面倒な相手の世話を背負い込むことに... 続きを読む »
著者である「梨木香歩」氏の、学生時代すごした英国での日々を、シンプルな筆致ながらも、登場する様々な価値観を持った人物たちと織り成す濃密なタッチで描かれたエッセイ。
こういう人との付き合い方が、今の著者の精神性を養ってくれてるんだね。骨太な人間関係。日本人にはあまりなじみがないかも。
エッセイです。英国での人々との交流を書いています。
あまり好ましくない人のことでさえ、梨木さんの文章表現、人間性で、何故か愛すべき変わった人になってしまうのが不思議です。
自分の信念を貫く強さ、出会った人々には、どこまでも寛容な作者。
いろいろな国の人、人種の人と出会い、戦争問題、反核、信仰の違いなどについても書かれてあり、とても深い、良いエッセイでした。
これを読めば、英国に行きたくなります。
この人の感性が、そこから紡ぎ出される言葉が、好き。エッセイはその、作家の作家たるエッセンスが凝縮されてるように思うよ。
梨木さんの言葉の「着地点の選別作業」はいつも素晴らしい。終始温かな雰囲気を纏った文体から、時折垣間見える情熱や鋭さもいいエッセンスとなっていて、客観的視点を一貫していないところもじっくりと文章を読ませるのに一役買っているように思えた。いいエッセイ集でした。
清廉、とか、瑞々しい、とか、、、「透明感」という言葉が似合いそうな言葉が光るエッセイ。
英国を軸に、滞在先で体験した出来事や、出会った人々について淡々と語り続ける、という内容。その中に、時折、自分の内面をさらけ出すような、あるいは逆に、内側を見つめすぎて閉じこもってしまったかのような、静かで鋭い表現が顔を出し、そのたびに胸を突かれる。
外国で、住み続けるのではない旅人の外国人として生活する中で感じる違和感を、どんなに些細なこともひとつひとつ生真面目に足を止め、ジッと見つめる視線はとても繊細。たとえば、庭先を走るリスの色にも気づくことができるような時間の過ごし方。
直接にはそんな内容でないにも関わらず、大人になる過程でやり過ごしてきたものたちを拾い集めるような印象を残す一冊だった。
自分の考え、思いを、
感覚的に、でもはっきり、淡々と表現しているけれど、
決して批判もしない。
そんな著者の振る舞いが好きです。
自分の微細な感覚を、著者は
あくまでも一つの見識だというような
見えない思いを言葉の全体から漂わせながら、
冷静に、静かに呼吸をしながら受け止め、
探るように深く考え、淡々と述べているように感じます。
この本を書かれた方とは話が合うかも。
読んではいたけど内容忘れてるのと手元に置いたがてら読み直した。
異なる文化や価値観を持つ人々を下宿させるウェスト夫人との友好記。
無私というか、奉仕活動のすごさを持つその街の背景も含め、すごいと思う。でもなんか、うーん、昔の自分がこの本に恐れ多くも☆二つしかつけてないんですけど、まあ無知というか幼稚には違い無かったんですけど、当時の気持ちがわかっちゃうあたり、私は幼稚のままなんだな。
一つ、自閉症についての記述を読んだとき、村上春樹の約束された場所で読んだ後だったから、オウム信者で世の中の矛盾をなくし全部理詰めで説明できるようにしたい、と望んでいた人が結構いたけど、同じ傾向なのかもなって思いましたというメモ。
『西の魔女が死んだ』で梨木さんのファンになり大分読んできたが、最高の本。というか人生の中で出会った、私上最高の本。全然押しせがましくなくて、すーっと心に染みわたりほっこりさせてくれる、そんな優しいお話です。
英国に滞在していた著者がその滞在中に出会った人たちとの関わりを描いています。 エッセイとはいっても各章が比較的長いので読みごたえがあります。外国人と関わることで、または外国で過ごすことによって経験する事柄を敏感にとらえその時の思いを深く考えていく著者の姿勢が全編を通して見られます。 この本を読んで人間(または人種?)の多様性を理解することの難しさとアイデンティティを持つことのバランスに... 続きを読む »
エッセイです。梨木香歩さんのバックグラウンドがわかる1冊。
こんなふうに物事を見たり聞いたりしてきたから
あんなお話が書けるんだなぁ、と思った。
道理で凛とした言葉とお話を作る人だ、って納得。
作者の過ごしてきた人生が、物語のように語られる。
彼女の作品に流れる空気がそっくりそのまま出ている。
精神を落ち着かせたいときに読むとよい。
いろんなところへ行っていろんな人と触れ合った経験が書かれたエッセイ。
ほんとこの人はいろんな経験をしてるなぁと思うんだけど、たぶん経験以上に感じていることが人よりも多いのかなぁと、読んでいて思った。
静かに、淡々と書かれている感じが、好き。
深くて、正直なところ、私の中でまだ未消化なところが多い。
だから、うまくことばにできないのだけど、
ウェスト夫人の博愛精神、
梨木さんの感受性、
幸せなことばかりがつまっているわけではないし、
ときには少し悲しみを帯びた部分もある。
でも、決して暗い気持では終わらない。
もう少し、日常でアンテナを張ってみたい、
自分の感性をしっかり持ちたい、
そんな気持ちにさせられた。
もう一度、ゆっくり向き合ってみたい本。
自分の外部に対する無関心さとナルシシズムを思い知らされる。
受容さえ拒絶して裏を読もうとするのは、歪で未成熟である事だけが理由じゃない。
前に一度読みかけて、途中までしか読めなかったのが、今回はひきこまれてすんなり読めた。イギリスが少し近くなったからか。ウェスト夫人の受け容れる姿勢について。
わたしは外国に行ったことがないから、いろんな国を渡り歩いた人の書いた話を本質的には理解できていないと思う。この本も、様々な国で様々な人に著者が出会い、いろいろなことを考えているけれど、もしわたしがこの立場だったらどうするか?と考えたら自分の主張のなさというか空っぽさに虚しくなった。わたし自身が経験をもっと積んで知識を得ないとこの手のエッセイは楽しめないと思う。しかし彼女の細かな心情の描写は本当に綺麗。
著者が学生時代を過ごした英国で、 出会った下宿の女主人・ウェスト夫人とそのまわりの人々との交流を語ったエッセイ。 出てくるひとたちが、 みんな他人にも自分にも真摯で誠実で素敵です。 世界にはいろんな価値観を持ったいろんなひとがいて、 自分もそのうちのひとりであるということを、 知ってるだけで、たぶん、あたしはほんとに理解していないと思う。 もしか違う文化のひ... 続きを読む »
梨木香歩さんがイギリスに留学していた時のお話が中心でした。イギリスの空気をたっぷり吸い込めました。

内定先から読書感想文を提出するように言われており、参考図書の一冊として挙げられていたのがコレ。参考図書のリストの中で一際目立っていた。それもそのはず、参考図書のリストには「ザ・リーダーシップ」とか「働...





