春になったら苺を摘みに (新潮文庫)

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著者 : 梨木香歩
  • 新潮社 (2006年2月28日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (254ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101253367

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有効な左矢印 無効な左矢印
梨木 香歩
梨木 香歩
有効な右矢印 無効な右矢印

春になったら苺を摘みに (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

  • ウェスト夫人の家に泊まりたい。

  • やっぱり、梨木香歩さんのエッセイが好き。
    丁寧で、物事をよく見て、人の話をよく聞いてる。
    中学生のときに読んで感動した「西の魔女が死んだ」、どうやったらあんな本が書けるんだろうと思ってたけど、このエッセイを読んでなんか納得。
    イギリスの郊外で毎日丁寧に大切に日々を過ごしていたんだなぁと。
    私は1年間ロンドンに暮らしてたけど、こんなエッセイ書けないわ。笑

  • ひらがなで書かれた異文化理解

  • 実家にあったのを持ってきて読み。

    ・彼女は自分の信じるものは他人にとってもそうなるはず、と独り合点するところはなく、また人の信じるところについてはそれを尊重する、という美徳があった。(p100)
    ウェスト夫人の温かい人柄。見習いたいわあ。

    ・ただひたすら信じること、それによって生み出される推進力と、自分の信念に絶えず冷静に疑問を突きつけることによる負荷。相反するベクトルを、互いの力を損なわないような形で一人の人間の中に内在させることは可能なのだろうか。その人間の内部を引き裂くことなく。豊かな調和を保つことは。(p115)
    筆者自身の求道者のような姿勢を見習いたいわあ。

    ・できること、できないこと。ものすごくがんばればなんとかなるかもしれないこと。初めからやらない方がいいかもしれないこと。やりたいことをやっているように見えて、本当にやりたいことから逃げているのかもしれないこと。――いいかげん、その見極めがついてもいい歳なのだった。けれど、できないとどこかでそう思っていても、諦めてはならないこともある。(p247)
    人生ってそんなものかもしれない。できないかもしれないけど、それでもトライし続けたい、と思った。


    こんな人が「西の魔女が死んだ」を書いたんだなあー、と思った。他の著作も読みたい。温かいだけでなく、自分に厳しい精神世界と豊かな人間性。求道者のような姿勢。見習いたい。

  • 理解できないが受け容れる、
    異文化間で感じるのは生きるうえでの究極みたいなところ。
    一番好きなのはここ

    「ただひたすら信じること、それによって生み出される推進力と、自分の信念に絶えず冷静に疑問を突きつけることによる負荷。
    相反するベクトルを、互いの力を損なわないような形で一人の人間の中に内在させることは可能なのだろうか。その人間の内部を引き裂くことなく。豊かな調和を保つことは。」

  • 著者の学生時代の英国での下宿話を中心としたエッセイ。

    その中では様々な人種・考え方の人と暮らしていく中でみにつけた(もしくは本質的な本人の性質としての)、ウエスト夫人の生き方から

    著者が感じたこと・学んだことが描かれている。

    英国人の気質・外国で外国人として生きるということ・日本人とは、、、など

    随所に考えらせられることがたくさん。

  • 世の中にはいろんな人がいるんだ、ということ。たとえその人をどうしても理解できないし受け入れられなくても、その人はただ世界中にたくさんいる‘いろんな人’の1人でしかないことをしっかり理解すること。
    世界をしっかりと見つめ、理解するにはまずそこから始めなければならない。ものすごくエネルギーが要りそうだけど、ものすごく淡々と描かれているのがかっこいい。

  • 英国、米国、カナダにおいて、日本人の著者が様々な人々と出会い、その土地ならではの体験を綴ったエッセイ。旅をすること、異文化に触れることは、その人に多くの発見と気づきを与え、感性を養い、人生を豊かにするものだ。

  • 「西の魔女が死んだ」以来の梨木香歩。知的な言葉選びと端正な文章が印象に残った。特に「子供部屋」の中にある、「日常を内省的に深く生きる」という言葉が頭から離れなかった。他にもあっこの言葉いい!という箇所がいくつもあって購入してから何度も読んだ。解説者がこの本から須賀敦子を連想していたが、私は須賀敦子も好きなので、なるほどと納得した。どう生きて行くか、と考える際のヒントが詰まっている、そんな本。ブックカフェのレビューを見て購入したけど当たりだった。

  • 素晴らしい梨木香歩だった…。
    どうやったらこんな、凛として透明な空気を言葉で作れるのか?何も起きてないのに、泣きそうにさせる。
    たぶん、自分がいる所から遠い場所だと感じるから。御伽の国みたいだもん。
    だがしかし、カタカナ名は頭に入ってこないなと改めて感じた。

  • 新聞で紹介されていたので手に取った。
    この本を読むまで梨木香歩さんを知らなかった。
    著者が学生時代に暮らしたイギリスの下宿を再訪し、その下宿や、下宿を通じて知り合った人達、下宿のオーナーたちの間で起こる出来事をつづったもの。
    日本語がとても丁寧で、読み始めたときは翻訳本かと思ったほど、長い形容詞が特徴の文体で、人物描写や情景描写が素晴らしい。
    梨木さんの他の本も読んでみたい。

  • 重い。でも好きなところもある。子供部屋とか。
    とても読みにくいエッセイで、何を、誰を、いつを指しているのか読み取るために苦労したところが結構あった。
    それでいいのか?

  • 梨木さんの作品の根源のようなものを感じるエッセイでした。

    「理解はできないが、受け容れる」
    「私」が学生時代を過ごした英国の下宿先の女主人ウェスト夫人の生き方。
    さまざまな人種や考え方の住人たちや時代に左右されないウェスト夫人の生き方に触れ、「私」は日常を深く生き抜くということを問い続ける。

    心に響く言葉が、出来事がたくさん書かれており、よくわからないのに泣けてくるお話がたくさんあった。
    何度も読み直したいと思った。

    「できること、できないこと。
    ものすごくがんばればなんとかなるかもしれないこと。初めからやらないほうがいいかもしれないこと。やりたいことをやっているように見えて、本当にやりたいことから逃げているのかもしれないこと。―いいかげん、その見極めがついてもいい歳なのだった。
    けれど、できないとどこかでそう思っていても、諦めてはならないこともある。

    After five years have past.
    世界は、相変わらず迷走を続け、そして私もその中にいる。」(p.247)

    最後のこの言葉にはっとさせられた。

  • エッセイ…それも、作家さんの書くものは極力読まないようにしている。それなりの理由はあるのだが、それは私的なこととして。

    エッセイなのに、この本には梨木香歩さんの物語が吹き渡る。

    理解はしないが受け容れる。ウェスト夫人の振る舞いを評したこの言葉、梨木氏の言葉選びの正しさに唸ってしまった。

    理解しようとしたけれど理解できない…ではないのである。妥協点を見出そうとしたのではなく、あくまでも能動的な自己主張として、理解はしない。それがウェスト夫人の態度であり、全編を吹き渡る風…梨木氏のモラルなのだ。

    異文化理解、多文化共生は流行り言葉として多くの人々が口にする。しかし、ジョンとの会話の中で、梨木氏は何気なく本質に触れている。

    「分かり合えない、っていうのは案外大事なことかもしれない」

    世界の隅々まで心地よく吹き渡る風。
    梨木香歩さんの体の中には、それがある。

  • 大好きな梨木香歩さんのエッセイ本。
    結構難しかった…。
    私にはエッセイ本は向いてないのかもしれないと思った…。でもやはり言葉選びが美しくて好き。

  • 読んだのは10年くらい前だったろうか。
    梨木さんはフィクションだけじゃなくエッセイも素敵。
    瑞々しく色彩豊かな文章が強く印象に残っている。
    いずれ再読したい。

  • 『夜行列車』が特に良かった。例外を除き、海外での体験が語られていた。それにしても梨木の記憶力のすごさには舌を巻く。その人生への覚悟とも言える潔さは尋常ではない。

  • 素敵な一冊。
    エッセイだけれども普通に物語を読んでいるような、未知の世界を覗いているような世界が広がっていました。

  • さすが梨木、久々だけど読みやすかった~~、とは言え、特に何か事件が起こるでもなく(エッセイなので当たり前だけど)、思出話を淡々とする、というには少し重いというか、他者との関わりみたいなのをぼんやり考え直したりする感じの本だったような。
    英国にホームステイした時に知り合ったウェスト夫人を始めとしたさまざまな、人種も、信仰も、考え方も、それまでの人生も、そういう自分とは違う人とどうやって関わっていくのか。あと自分はどうやって生きていくのか。
    答えを出すには短すぎるけど、深刻になるほど長くはない。

  • 「王様になったアダ」の少年との会話、「トロントのリス」が好き。
    ジョンと話してみたくなりました。
    behold,look

  • 「人を受け容れる気配にあふれた温かさ、かといって必要以上に好奇心をあらわにしたりしない適度の親密さ。この絶妙な距離感が心地よい。」

  • 私の大好きな本。高校の時何度読んだか。私の海外生活の憧れの元となった。

  • こんなに知性があり、思慮深く、魅力的な女性の生活の一部を知れることは私にとってもありがたいことです。

    巻き込まれる、意思の権利
    子供部屋の風
    本当に伝えたいこと
    クウェーカー


    たくさんのキーワードがあって、いろいろと読み進める途中に考えにふけって進まない部分もあったりと、何重にも楽しめる素敵なエッセイです。

  • 再読。ふと読みたくなって手に取った本です。梨木さんはエッセイであっても、小説のように物語を感じさせてくれる不思議な作家さんです。私が、ときに梨木さんの小説よりもエッセイの方が面白いと感じるのは、それが「私小説」のように思えるからかもしれません。
    淡々と語られるそれぞれのひとたちのことば。それを注意深く聞き取っている梨木さん。そこに生まれる物語。
    本をいつも手元に置いておきたい作家さんです。

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春になったら苺を摘みに (新潮文庫)の作品紹介

「理解はできないが、受け容れる」それがウェスト夫人の生き方だった。「私」が学生時代を過ごした英国の下宿には、女主人ウェスト夫人と、さまざまな人種や考え方の住人たちが暮らしていた。ウェスト夫人の強靭な博愛精神と、時代に左右されない生き方に触れて、「私」は日常を深く生き抜くということを、さらに自分に問い続ける-物語の生れる場所からの、著者初めてのエッセイ。

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