十九、二十(はたち) (新潮文庫)

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著者 : 原田宗典
  • 新潮社 (1992年11月発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (254ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101254210

十九、二十(はたち) (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

  • いきなりネタバレですが、なにも解決せず、何も始まらないという終わり方がありがたかった。

    青すぎる春。

    若い時に苦しいとか辛い小説は読んだけれど、終わりにいつも問題を乗り越えたり助けられて再スタートするものが多かった。主人公や作者に裏切られたとか置いてきぼりにされた感じがしていた。

    それがないこの本は、中途半端さだけは妙にリアルだと思っていました。

    久々の再読だけど、やはり何とも言えない感情を持ったまま終わる。
    「うん」としか言えない。

    ひどく私に影響を与えた本だけど、何がどうとはうまく言えません。
    おりにつけまた読み返すべき本だと思います。

  • 青春小説なんだけどちょっと違う。

  • そのころ読もうと思って、読めなくて、今更読んだ。ハタチの当事者じゃないから傍観者として距離をとって読めるけど、それでも鬱屈した水に浸かっているようで、さっぱりはしません。でも、なにか心に残る小説らしい小説。

  • なんとも、後味が悪い小説でした。でも、面白くないかというとそういうわけではなくて、こういうのって多分今もある話しだなと思う。

  • もうすぐ二十歳になる大学生の生々しい日々。
    借金取りに追われる父、短期アルバイト先の変わり者たち、ぼく自身の生活苦、恋愛、葛藤、焦燥。
    決して美しくなく、読み出したら思った以上に猥雑でちょっと面食らいました。主人公とは全く違う十九、二十でしたがどこか近しい感情が思い起こされ、恥ずかしいようないたたまれないような気持ちになりました。

  • 原田宗典の作品には無邪気に笑える作品と、ただただ救われない重苦しい作品に2つのタイプが存在する。
    本書は後者のパターン。

    『学生』という社会の中では中途半端で味噌っかす的な立ち位置の主人公が、バイトという手段で社会に関わり合いながら、デクノボー以下と化した父親を受け入れずも見放さなずもせず、ただ日常が過ぎていくそんな救えないながらも、まだ多少の希望を見いだそうとしている主人公が痛々しい。

    自分の稼ぎで自分の人生を歩むという人生の選択を迎える前の、『学生』という他に換えがたい季節の物語。

  • 脚本に近い感じの軽い文章なので、するすると読了。なんで二十歳前後の日々ってみんなこんなに鬱屈としていて上手くいかないことだらけで宙ぶらりんでどっちを向いたらいいかもわからない感じなんだろう、って読みながらずっと考えていた。しかしわたしはこういうのを読むとやっぱり、男の子よりずっと女の子に感情移入してしまって、洋子、洋子気持ちわかるよ!男の子ってほんとう、なんにも分かってないのね、!って思いながら読んでた。色々救い難いけれども、最高に救われないのはお父さんだ。軽いだけじゃなくて、ふっとなんだか隙間に見えるものがあるから見所があるなあといった感じの本。そういう面では庄司薫の本に似ている。

  • 原田宗典が描く、一人の青年の二十歳を迎える前の数週を描いた青春小説『十九、二十(じゅうく、はたち)』。

    僕の持っている文庫の奥付には
    平成七年五月三十日 八刷

    とある。
    僕がちょうど十八、十九の時にあたるので、タイトルに惹かれて手に入れた文庫だろうと思う。

    青年の視点から二十歳になる前の一夏が描かれている。

    自分をふった彼女
    エロ本専門の出版社でのバイトで関わる人たち
    借金を抱えフラフラしている父親
    自分の彼女と寝た友人・・・

    青臭さと、大人になりゆく青年の思考
    父親との関係は、大人びてきた自分と、その父の子であるという曖昧な立場で苦しく表現されている。

    夏のギラギラと陽の照りつけるような生命力とともに、どこか薄暗くも感じる、青春の日

    自分にもそう言う時期があったと。
    そのころ、僕はどのようにこの本を読んでいただろうか・・・

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    【内容紹介(amazonより)】
    僕は今十九歳で、あと数週間で二十歳になる―。父が借金を作った。ガールフレンドにはフラれた。せめて帰省の電車賃だけでも稼ごうとバイトを探したが、見つかったのはエロ本専門の出版社だった。岡山から東京に出てきて暮らす大学生、山崎の十代最後の夏は実にさえない夏だった。大人の入口で父の挫折を目にし、とまどう青年の宙ぶらりんで曖昧な時を描く青春小説。
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  • ただただ貧乏学生の取り分け楽しくもない生活を見た感じ。大学生ってこんな感じかなー…うーん。

  • 19歳の主人公が、彼女に振られて、エロ本制作会社でバイトして、バイト先の女の子とやっちゃって病気うつされて、社長が夜逃げする話。彼の父親が、百科事典のセールスマンだったけど、全然売れなくて、ある時あきらめて、それ以来、まったくぐうたらでテレビばっかり見て、お金借りて、みんなにめーわくかける人間になってしまうのが、身につまされて恐ろしかった。

  • 資料ID:C0007188
    配架場所: 本館2F文庫書架

  • 青春小説とカテゴライズしていいのか迷う作品。
    とことんダメな父親、ブラック過ぎるバイト先、男女関係、それに流される主人公のモヤモヤ感が上手く出てい
    た。
    終盤は、主人公と父親にイライラして思わず声が出てしまった。

  • 子供と大人の境界とは何なのか、単に年齢を重ねるだけである年を境に人は大人になるというのか。誕生日を迎え再読するたびに自分に問いかける、今の自分は大人なのか子供なのかと。

  • タイトルの19,20はまさにこのお話の主人公の物語の中の年齢。
    子供っぽくも大人に振るまい青年。まさに「青年」っていう言葉が似合う。
    青春物語、とは全く違う。娯楽小説と言ってしまうと勿体無い。
    平成の小説らしいというか、物悲しいようなお話。

  • 成人の日に読了。10年前の気持ちが蘇る。

  • 2011/04/28
    (再読:2003/06/06, 2006/09/12, 2007/05/27)

  • もはや5年近く前から読んでいるのでルーツになってしまいそうな勢いの原田宗典*1。の、「十九、二十」。十九歳になったらそのうち読もうと勝手に思っていた作品。でも別に十四歳が読んでもなんら問題は無い気がしました。はい。

    その情けないエッセイは抱腹絶倒必至だが、小説というジャンルになるとその特有の情けなさは「重み」に変わる。借金苦に悩まされた家庭が著者の実体験によってリアルに描かれている。ような気がしないでもない。無理矢理形容すると蒸し蒸しした熱帯夜にイライラしているような。名詞でいうと「寝汗」のような。結局何かが進展したのか、進展していないのかわからないあたりが「十九、二十」らしくて素敵っす。

  • 無性に好きで何度も何度も思い出しては繰り返し読んでいた。蝉がうるさくて暑くて暑くて汗がだらだら出て、っていう全然爽やかじゃない夏の雰囲気がいつ読んでも味わえる

  • 二十歳――それは全財産を懐にして歩いているようなものだ

    ほんとうに美味しいものは美味しいとしか云いようがないように、ただただ好いと思ったものに感想を加えるのは難しい。その位、とても気に入る本だった。川村湊による解説も含めて。
    何も手元に残らないような後にあれは一体何だったのだと思える、あったかどうかすら疑わしくなってくるような出来事は私にも身に覚えがある。
    この本を読むまで、十九、二十やそこらがそんなに貴重な年頃だという自覚もなければ、そんな時期(若いと云われる)はもうとっくに過ぎてしまったと思っていたけれど、なんと!私はまだその真っ只中、いや、ギリギリにいたのである。通りで、自分自身に確信めいた存在意義のようなものが無くてもどことなく太陽の気配を感じ、生きていけているわけだ、と思った。“何も無い故に何処へでも行ける”という事なのだ。
    けども私はその全財産の使い方を誤っている、若しくは大事にしまい込み過ぎている。そろそろ太陽も真新しい光を放たなくなる頃になってくるかもしれないとか、ぼくの親父の歳になって何を思うのかとか、想像するだけで眠れなくなったりする。絶望の重みを計りにかけ破滅するような事はないように、人生をしっかりと背負い直さなければならない。二十、二十一の私は。

    表紙のポケットに手を突っ込み萎れてしまったかのような少年の絵がいい。それでも一歩前に足を出しているところとか。話は14が名シーンだと思った。

  • 思春期の男の子目線で見た女性、社会・・・。
    男の子ってこんな風に悩むんだ、と新鮮な驚きがあります。
    (院生アルバイトスタッフ)

  • 著者の作品はエッセイばかりを読んでいた。初めての小説を読む。
    エッセイを読むかぎり、主人公は、おそらく著者自身をモデルに書かれてるかと思う。
    大人になるかならないかの19、20の頃。何だかうじゃうじゃしてた頃。
    両親との関係、恋愛、将来なんかがにっちもさっちもいかなくて、でもいい加減だった頃。
    色々と刺さるなぁと思った作品。

    終わり方はハッピーじゃないけど、何だか納得した。

  • 人生の大きな切れ目である20歳、それは子供と大人の境目でもある。
    若さゆえに純粋な山崎正則の最後の十九歳の日々を描く。
    「本当に欲しいものはな、欲しいと思ったその瞬間に捉えないと、すぐにどこかへ行っちまうんだよ」
    根子谷氏の名ゼリフ。アツい。

  • 初めて読んだ原田小説。エッセイのノリを期待してたら全然違って最初はびっくり。

    原田さんは小説とエッセイを完全に分けて書いていらっしゃるのですね。

    内容は何とも言いがたい無力感というかやるせなさを覚えてしまいます、虚無感に苛まれると言うか。

    これはこれで面白いんですけどギャップに戸惑った作品。でもこのギャップがなかったら原田作品をここまで好きにもならなかっただろうなぁ。

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