ラブレス (新潮文庫)

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著者 : 桜木紫乃
  • 新潮社 (2013年11月28日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (413ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101254814

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ラブレス (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

  • 姉妹として生まれた百合江と里実。
    ふたりはまったく違った人生を歩んできた。
    姉の百合江は思うがままに生き、けれど宝物のような思いはじっと胸に秘めたままに。
    里実は地に足をつけた堅実で平和で、誰もが幸せだろうと感じるような生き方を。

    過去があって今がある。
    今があるから未来がある。
    そんな当たり前のことをあらためて感じさせてくれた物語だった。
    哀しみも苦しさも、辛さも後悔も、すべてはやがて過去になっていく。
    その過去に支えられたり、だからこそ前に向かって生きていこうと思えたり、つながりあっていく時間の中で紡がれていく人生という物語。
    期待せずに読み始めたけれど思っていた以上に入り込めた物語になった。
    終わりよければすべてよしではないけれど、人生の最後に誰かに泣いてもらえるような生き方はやはり幸せな人生と呼んでもいいのでは?と感じた。
    長編だけれど長さを感じさせない物語だった。

  • 最初は辛くて最後まで読むことができるのか
    ページを繰る手が滞りそうになったりも。

    辛いながらも
    ラブレスというよりもむしろ
    愛に包まれているゆっこの人生。
    親や姉妹、子どもや恋人、様々な愛の形をとおして
    人生を見つめる作品だったように思う。

    自分勝手気ままに生きていくにも
    覚悟を決めて腹をくくることには変わりはない。
    自分を全うする生き方の悲しみが浮き彫りになったけれど
    それはそれで
    不幸じゃないと思った。

  • 裏表紙の内容紹介に、「女三世代の凄絶な人生を描いた圧倒的長編小説」とあったので、ある程度覚悟しながら読み始めたら、主に百合江の生涯についてに焦点を絞った内容でした。

    百合江の身に起こった綾子の事件については、今の私にはかなりこたえた。そんな状況になったら私はきっと半狂乱になって暴れまくると思う。そしてきっと精神病院にほりこまれるのでしょう。

    「ラブレス」というタイトルをどうしてつけたのか?
    カタカナの響きと、昭和の時代を描いている内容がなんだか似合わない気がするのは私だけですか?

    愛が無いということかしら?
    でも結局は愛があったんじゃないかな。

    いろいろな点が自分の人生のそれぞれのシーンと少し重なる部分があって興味深かった。

    時代があちらに行きこちらに行きするので悲惨さが軽減されているのだと思う。

    そして百合江は苦労したかもしれないけれどそこそこ自由で幸せな人生を送ったと思う。

  • タイトルから現代的な恋愛ものかと思いきや、意外にも骨太な女三代記でした。北海道での貧しい生活から旅芸人の一座へ飛び込んだ姉の波乱万丈の恋と人生を軸に、堅実な妹や苦労人の母、そしてそれぞれの娘世代との確執まで掘り下げてあって、なかなか重厚な読み応え。想像してたイメージとは違ったけれど、とても面白かったです。

    難を言えば、なぜか登場人物の女性たちの名前が全然頭に入ってこなくて困りました(年のせいか?苦笑)。平凡な名前なのに、誰が誰の娘だったかちょいちょい混乱。百合江の娘が理恵、里実の娘が小夜子、それだけなんだけど。(やっぱ年のせいですかね?苦笑)

  • 杉山百合江の生涯。
    子の綾子と理恵、妹の清水里美と子?小夜子。
    姉妹の母、ハギ。
    位牌を抱いて絶命しそうな彼女の思いは深く、貧乏が故にどうしょうもない生涯を描く。
    前半は、ラブレスの題名通りと思っていたが、とんでもなく愛に溢れた話でした。
    すごく桜木志乃らしい作品です。

  • 壮大で壮絶な人生を生き抜いた百合江の一生。
    読み応えがあったけれど、途中で何度か読むのを辞めたくなるときがあった。
    辞めたいというより、辛いことがこれ以上起きてほしくない、進みたくないといった方が近いかもしれない。
    そして、登場する人物の相関関係が分からなくなる時が多々あり、理解するのに混乱すること多々あり。(血の繋がった父母子、という所謂普通の家族の繋がりがこの作品ではかなり少ないので。清水家やその時その時のいろんな男性が出てくる点。)
    それだけ、この作品では本当の血の繋がりなんて実はどうでもいい反面、やはり血は血であり、血は争えないということを節々で気づかせてくれた。

    作中にキーアイテムのように登場する「星影の小径」「テネシーワルツ」「情熱の花」どれもいい曲ばかりで動画サイトで聞き入ってしまった。
    聞いてからは、鶴子の一座、宗太郎とのギターで、一人アパートの部屋で歌う百合江の姿がより鮮やかに想像することができたような気がする。
    ラストの描写は賛否両論あるようだけれど、老人の正体が分かったところで私はこの作品は壮大な愛の記録なのだと、確信した。

  • おもしろかった。
    綾子がいなくなったところで一度本を閉じなくてはならず、綾子がどうなったのか気になってしょうがなかった。最後にその後の綾子のことがわかるけれど、それでよかったとは思えない。
    また、百合江の最期にその人物が会いに来るとは思わなかった。
    ラストがよくわからない。この終わり方が納得できないのではなく、ついていけていない感覚。いつかもう一度読んでみよう。
    しかし「ラブレス」というタイトルにひっかかる。作者はMy Bloody ValentineのLovelessを知っているのか?知っていてこのタイトルを付けたのなら、かなり挑戦的というか自信家というか。

  • もっと軽く読めるタイトルかと思いきや、あらすじが女三代の人生とかいう厳つい内容だったので読んでみました。

    愛がない。
    と言うタイトルだったけど、やっぱり愛はあるもので。
    ただすれ違いと周りの環境で、変わってしまっていて。ゆりえがただの家に納まる人だったら得ないであろう人生でした。
    北海道の開拓時代から始まる話

  • いやぁ、けっこうキツかった。
    こんな貧しくて逃げようのないお話、読んでいられないと思いながら読み進めてもう逃れられない。
    姉妹の確執、家族との確執、柳のように、折れずに、流れ、流されて。

    書き手の力量で読み切らされてしまった。
    久しぶりに骨太な物語を読みました。

  • 「ラブレス」というタイトルからイメージした内容とは大分違った。
    読み応えのある、女性たち三代の話。
    百合江の生き方と、桜木紫乃さんが重なるところがあるという解説もおもしろかった。
    ラブレスといっても百合江の周りには愛がいっぱいあったんじゃないか。一番あるべきはずの夫とその姑は最低だったけど。宗太郎の人生も知りたくなった。最後のあれは泣いちゃうなあ。
    なんかまとまりのない感想ですが、オススメです。女ってほんとめんどくさくて強い。

  • 『百合江さん、あなたの人生は幸せでしたか?』
    と問いかけてみたくなった。
    何度も読んでいるのが苦しくなった。

    果たして愛の無い人生なのか?
    最後の、だいすきだよ、がすべて。
    最後まで読んで救われた。でももう死に際だ。
    ラブレスというタイトルに込められている意味が何とも哀しすぎだ。

    桜木さんはまだ4冊目だけど、こういう雰囲気に切なくなるとわかっていても読みたいのは、力強い女性に力をもらいたいのかもしれない。

  • 同じ北海道出身で、手に取ったラブレス。道東特有の空気感がそこには濃密に漂っていた。入植した母は学はないがバカではなく。生まれた子供たちのうち娘2人、上は極楽とんぼ下は堅実。そしてその子たちは…。主人公は娘たち。昭和も昭和。極貧の幼少時代、バブリーな大人、はじけた平成。どの時代も強かに生きた姉妹の物語。「そんなもこんなも、仕方のないことはあんまり考えないようにしてる」ユッコの極楽とんぼ加減をどうとるかは人それぞれとして。人生を謳歌した人ではある。自分の選んだ道を後悔せずに粛々としている姿はかっこよい。

  • 百合江には宗太郎が、ハギには理恵がいてよかった。どん底としか思えない生活から自分の力で這い上がって、でも運命に逆らおうとはしない、百合江の強さとしなやかさに圧倒された。ラストは涙が止まらなかった。いい本に出会えました。

  • タイトルの通り、愛がない。愛がないことが、金銭的不足によるところが大きいのだけれど。
    たいして深く考えずに、ストーリーを追うだけで(少しもったいぶりで冗長な面もあるが)楽しめます。

  • まさに大河小説。一人の女性の人生。ラストは鳥肌もの。筆致もすごいし、紡ぎ出す力もすごい。すごい作家さんにまた一人出会えて幸せ。

  • 題名から勝手に想像してたのと違って、すごく骨太だった。
    女の人は、守るべきものがあるとやはり強いなぁ…と思う。何を幸せとするかは、その人の自由だ。

  • 流転する百合江と堅実な妹の60年に及ぶ絆を軸にして、姉妹の母や娘たちを含む女三世代の凄絶な人生を描いた長編小説。
    タイトルから軽いのかな?と思ってたら
     ユッコちゃん、だいすきよ。
     泣けました。

  • 貧しい開拓民の娘、百合江は旅の一座に魅せられ家族を捨て身を投じる。そして数十年、老衰と診断された彼女の手には引き剥がそうとしても取れない謎の位牌があった。ひたすらその日を生きて生きて生き続けた彼女は果たして幸せだったのだろうか。

    人の一生なんて本人にならなければ分からないものです。最近よぼよぼの老人を見ると、長生きして自分で歩けて。あまつさえ夫婦だったりすると羨望の的です。昔は可哀想に感じていましたがとんでもない。自分があの年まで生きられるか分かりませんからね。うらやましい。
    この本の主人公も、状況だけなら波瀾万丈ですが、しなやかにおだやかに微笑んで荒波を乗り越えてきたんです。胸が熱くなる本でした。生きてるだけで儲け物。

  • 戦後間もないころから現代までの
    伝記みたいな内容なんだけど
    その戦後から高度成長期の頃の描写が凄い。
    田舎だから都会と違って妙な生々しさがあって
    北国なのに暑苦しくて
    咽かえるような感じが凄く良い。
    そしてラスト…。泣けたね。
    どうして泣けたのかわからんが
    説明のつかない感情で泣かされた。

    これは良い本だ。

  • 北海道の貧しい開拓小屋に生まれた百合江が主人公。奉公に出される話、奉公先でレイプされる話、凄惨な男尊女卑の数々。戦後の貧しい時代に生きた女性が生々しく描かれている。
    主人公の百合江、里見姉妹と、その母や娘たちを含む女三世代の壮絶すぎる人生が痛々しくも清々しく感じた。
    読んでいて押し潰されそうな感覚が9割、希望を感じたのが1割。
    生きていれば良いこともあるのかな。

  • 何故だろう。一言で言えば、ただひたすらに辛い人生を歩んだ女性の話だったのに、もう一度読みなおしたいとさえ思うのは。
    どうみたって幸せな人生だったとは思えないままで死を迎えるはずの最後のシーンでこんなにも涙が出そうになるのは、何故だろう。
    流れるままに、でも決して流されているわけでなく、あるがままの人生を受け入れているのか。
    何が良かったとも言えないけれど、間違いなく心に響いた作品だった。

  • 貧困の極みからの横暴・侮辱・屈辱の連続、この冷たく暗い家庭土壌にずるずると引きずり込まれる。読み着く先には、脈々とした強さと逞しさの水脈にぶち当たり、水温は少しずつ温かさを増しながら、ポッと高温に達して終らせる終章が印象的。柔と剛の姉妹・百合江と里美の生きざまを中心に、二人の母・娘たちの三代に通う血の繋がりは奥深い。

  • 壮大な一女性の生涯の話です。
    表紙とタイトルからは想像もつかない、
    とても力強い作品でびっくりしました。

    もうぐいぐい引き込まれて読んじゃいました。

    頑固でしなやかでいい加減で無責任で残酷で・・・
    でもなんと人間というのはたくましく力強いものだろうと
    思わせてくれます。

    生き抜く力・・・。

    幸せか不幸かは周りからどう見えようが、
    本人にしかわからないものなんでしょうね。

    初めての桜木さんでしたが、すごくよかったです。
    他のも読みたいと思わせてくれました♪

  • 百合枝の壮絶な貧困が読んでいて辛過ぎて
    読み始めたことを後悔したくらい
    ここまで赤裸々に極貧生活を描くのかと
    胸が苦しくなります
    過酷な人生を、人を恨まずにに受け入れて
    自分のやることを淡々とやり
    言い訳をしないというより、口下手なのか
    それでも必死に行きている百合枝の生き方に
    どんどんひきこまれていく
    百合枝の母の悲惨な人生と悲しさには
    読んでいて涙が止まらなかった
    悲しくてつらいけれど、
    生きていることには意味があると思える
    とてもいい小説に出会ってしまいました

  • 桜木紫乃・著 / ラブレス  読了、再読了、再々読了。

    直木賞受賞作『ホテルローヤル』で桜木紫乃さんと云う作家さんを知りました。

    正直なところ受賞作は、わたしには今ひとつピンとくるところは少なかったのですが、それでも、わたし自身も何かは分からぬ何かを心のどこかで捕まえてしまっていたようです。

    直木賞は作品ではなく、作家に与える賞、そんな風なことを耳にした覚えもありました。

    デビュー作の『氷平線』、『誰もいない夜に咲く』、『凍原』と文庫落ちしたものを手当り次第に読み進めました。
    一冊を読み終えるともう一度その一冊を・・、そんな読み方が続きました。

    本作『ラブレス』に至っては、一週間を使って三度読み直しました。

    たった一人にでもいい、その一生の中のほんの数コマの一場面でいい・・、理解してくれなくても分かち合えなくても肯定してくれなくてもいい・・、たった一人にでも、過去にあったほんの些細な場面を頷いてもらえたら、それだけで人は人を終えることができるのかも知れぬ、数冊の桜木紫乃さんの著作を読みながら思いました。

    本作『ラブレス』は、昨日お世話になった病院の担当ナースさん、駅前のマックのレジ係のJK(←女子高生って今はこう呼ぶのね)、長野のイヂワル女悪友、そして昨日七十ン歳の誕生日を迎えたマイ母までを含めて、日本中の女性、年代を問わずに堪能できる一作かと思います。

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ラブレス (新潮文庫)の作品紹介

謎の位牌を握りしめて、百合江は死の床についていた――。彼女の生涯はまさに波乱万丈だった。道東の開拓村で極貧の家に育ち、中学卒業と同時に奉公に出されるが、やがては旅芸人一座に飛び込んだ。一方、妹の里実は道東に残り、理容師の道を歩み始めた……。流転する百合江と堅実な妹の60年に及ぶ絆を軸にして、姉妹の母や娘たちを含む女三世代の凄絶な人生を描いた圧倒的長編小説。

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