硝子の葦 (新潮文庫)

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  • 新潮社
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感想 : 90
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  • Amazon.co.jp ・本 (303ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101254821

感想・レビュー・書評

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  • 高野さんのオススメ本だったっけかな?
    主要人物の「死」から話が始まり、その人物がどのようにしてこの道をたどったのかが語られる。
    母の昔の男と結婚した女性、その夫が植物状態になってしまった後で、夫が経営する「ラブホテル」をどうするか、不倫相手とはどうするか、今後どうするか。寂れた町の情景が目に浮かぶ。
    心寒い話が続くが、ラストも含めなんか物足りない感。

    読み終わってからあの「ホテルローヤル」の関連作品と言うことを他の人の書評を読んで知る。自分の書評を読み直す、あああの話か。ホテルローヤル読んだ直後ならもっと楽しく読めたかもな。

    【物語に殆ど関係ないが、そうだよなと思った箇所】
    ・パン屋経営について
    決して品数を増やさない
    値段もむやみに下げない
    とにかくこれだけはの一品を持つ

  • 年の離れた夫の喜一郎が事故に遭い、意識不明の重体となる。
    母と喜一郎は昔愛人関係にあったという複雑な関係ながらも、節子もまたそういった関係を夫以外にも持っていた。
    しかし、夫の事故以来、節子の日常が崩れ始める。
    節子という理解不能な女性に、徐々に引き込まれていく。
    そして訪れる結末は、少し意外だった。

    2017.11.26

  • まとめると小説やドラマでは有りそうな話なんだが、それでは終わらせない迫力がある作品でした。作家さんの力を再認識させられました!

  • 直木賞受賞作「ホテルローヤル」の番外編かと思って購入したのだが、全くの別物。舞台となるホテルの名前が同じだけ。想像以上のハードボイルド。主婦の逸脱を描いた「OUT」を思い出させる。宇都木とし子さんがいい味だしてる。

  • 釧路でラブホテル『ホテルローヤル』を営む幸田喜一郎が交通事故で意識不明になる。年の離れた妻・節子の平穏な日常にも変化が訪れる。女性の心の奥底をえぐるようなミステリー小説。
    主人公・節子をはじめ、何人かの女性が登場するが、表面的な姿と心に抱える闇の深さのギャップがえげつない。男たちの浅はかさや単純さがとても滑稽だ。美しい雪の白さに騙されてはいけない。積もればそれは凶器にもなる。

  • ミステリーとしては
    突っ込みどころ満載だが
    ストーリーとしては
    入り込みやすかった。

    全体的にスルスル
    読めてしまったが、
    中でも継母節子と継子梢との
    会話は自然で個人的には
    好きだった。

    感想としては・・・
    澤木のような都合の良い男性がいるもんなのか?
    少なくとも私の周囲には・・・・いない・・・。

  • 「道東・釧路で『ホテルローヤル』を営む幸田喜一郎が事故で意識不明の重体となった。年の離れた夫を看病する妻・節子の平穏な日常にも亀裂が入り、闇が溢れ出した――。愛人関係にある澤木と一緒に彼女は、家出した夫の一人娘を探し始めた。短歌仲間の家庭に潜む秘密、その娘の誘拐事件、長らく夫の愛人だった母の失踪……。次々と謎が節子を襲う。驚愕の結末を迎える傑作ミステリー。 」
    どろどろ系恋愛小説家と思いきや,しっかりとミステリ。
    久しぶりに良いミステリだった。

  • 「ホテルローヤル」で、すっかり桜木紫乃作品の虜になった。
    恋愛小説だと思い読み進むたら、あら?
    ミステリーでした。
    最後に進むまで、気が付かなかった。
    殺人事件→犯人はだれ?
    なんて単純な話ではない。
    誰にでもある闇を綺麗に書く桜木紫乃さんは、すごい作家さん。
    そして、舞台はぶれずに北海道。
    ますます、桜木紫乃作品を読みたくなりました。

  • 女性にしか書けない類の小説なんだろうとは思う。
    正直、日本語のリズムというかテンポというか、書きぶりがあまり性に合わないなあ…、と思いながら読み進めていったわけだが、中盤以降は気にならなくなった。
    桐野夏生氏ほどグロくはなく、また村山由佳氏や唯川恵氏ほど軽やかでもなく、女の情念のようなものが、淡々とした筆致ながら切々と綴られている。
    直木賞受賞作の「ホテルローヤル」は未読だが、その元作に当たる今作、若干ミステリーっぽい要素も入れられてはいるものの、本質的な内容は娯楽性よりも圧倒的に純文学に寄っていると感じた。

  • 暗くてひんやりしていて怖い。
    でも引き込まれてしまった。
    登場人物の不気味さとリアリティがすごくて、特にまゆみちゃんが怖かった。
    自分の周りに現れてほしくないなと思ってしまった。

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著者プロフィール

一九六五年釧路市生まれ。
裁判所職員を経て、二〇〇二年『雪虫』で第82回オール読物新人賞受賞。
著書に『風葬』(文藝春秋)、『氷平原』(文藝春秋)、『凍原』(小学館)、『恋肌』(角川書店)がある。

「2010年 『北の作家 書下ろしアンソロジーvol.2 utage・宴』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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