新約聖書を知っていますか (新潮文庫)

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著者 : 阿刀田高
  • 新潮社 (1996年11月29日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (295ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101255217

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新約聖書を知っていますか (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

  • 阿刀田高さんの、古典紹介エッセイシリーズ。
    旧約聖書に続いて、新約聖書編。
    新約聖書は、多分まったく読んだことがなかったです。
    いつもどおりトニカク解りやすく、楽しめるように読ませてくれました。

    イエス・キリストってどんな人だったのか。
    その頃のイスラエルあたりってどんな状況だったのか。
    なんで殺されたのか。
    キリスト教ってなんなのか。
    キリスト教とユダヤ教の違い。
    旧約聖書と新約聖書の違い。

    みたいなことが、少なくとも読む前より、ぼんやり風景が見えてくる感じがしました。
    少なくとも、イエスや新約的世界を題材にした芸術とかを、
    読む前よりかは味わいやすくなりますね。より、楽しめるようになります。

    ただ、「じゃあ、いつ頃どうして、どういうきっかけで、少なくとも西欧社会でキリスト教が支配権力宗教にまで上り詰めたの?」という興味が残りました。
    そういうことの楽しい本があったら読みたいですね。

    以下、また個人的な備忘録として、印象に残ったこと。ラフに箇条書き。

    #########################################

    ●新約聖書っていうのはつまり、イエス・キリストさんのお話ですね。
    キリスト教というのは、基本的に旧約聖書の上に乗っかってます。
    だから、イエスさんは、旧約聖書に書かれている、
    ダビデ王の子孫がいつか、救世主として現れてくれるよ、という記述の「救世主」にあたる、ということになります。
    まあ、これはこれで、何の証拠も無いわけですが。
    そこに分かれ道があって。

    #イエスさんは、旧約聖書で言うところの、救世主さんだ、と信じる=キリスト教=旧約聖書&新約聖書、両方が大事。

    #そんなことはない、まだ救世主は現れていない=ユダヤ教=旧約聖書だけが大事。

    ということになります。こういうと失礼ですが、ユダヤ教、というのは、4000年近く?残ってるだけでもすごいんですけど、まあ、ユダヤ人という民族グループのローカル宗教、という感じですね。ユダヤ人のためのユダヤ人による宗教っていうか。そこがイエスは違うんですね。

    ●信仰心抜きで新約聖書を読み込んだ阿刀田さん曰く。
    イエスは恐らく、マリアさんが別の男と作っちゃた私生児。
    それを承知で、ヨゼフはマリアさんと結婚。
    イエスと、種違いの弟たちが生まれた。
    ヨゼフはでも健気にイエスもちゃんと、愛したんじゃなかろうか。イエスが大人になる前に亡くなります。
    きっと、イエスはどこかでその自分の運命を知って。
    家督は弟たちに譲ろうと、家出蒸発した。

    ●そう解釈して見ていくと、人間ドラマとしてイエスと、母マリアって泣けるよね。。。
     イエスの死後、その遺体を抱くマリアという、芸術の題材=ピエタ、とかは、感慨深く味わえる、と。

    ●で家出青年、イエスさん。多分、ユダヤ教の何かの派で修行を積んで、どこかで自分なりの独立宗教?を始める。
    というか、恐らくイエス的に言うと、旧約聖書の自分なりの解釈、ということなんでしょう。
    で、歴史の表舞台の活動は恐らく2年半くらいなんですね。

    ●逮捕処刑前のイエスが、ゲッセマネで山に登って、「やっぱり怖いよ。なんで俺こうなるの」と苦悩するのが、
    ゲッセマネの祈り。
    でも最後には、「これが俺の運命」みたいに、すっきりと落ち着きを取り戻す。
    このゲッセマネのイエスが、とても人間味があって、好感が持てる。

    ●で、なんでそもそもイエスは磔になったのか。
     その時代、1世紀前半で言うと、まず前提として政治と宗教っていうのは全然分離していませんでした。
     そしてイエスが活動した、今で言うところのイスラエル近辺は、南ユダヤ王国だったはずですね。
    ... 続きを読む

  • 劇団四季のミュージカル「ジーザスクライストスーパースター」を観るにあたって、予習の意味で読みました。
    もう随分前からAmazonで購入してたんですが、自分の読書ペースを考えると一週間あれば充分かなと公演日間近に読書するに至りましたが…、ほんとにギリギリになってしまいました。

    キリスト教について知っている事といえば、イエス・十字架・聖母マリア…と、ほんとに単語がいくつか出てくるのみで、全くの無知な私。
    読み慣れない、聞き慣れない言葉ばかりでなかなかページが進みませんでした。

    信仰している人を否定もしませんが、いざ自分に宗教の話を持ち掛けられると胡散臭く感じてしまうんですけど、この著者は信仰を持たない方らしく、客観的に新約聖書の説明がされていて割と素直に読む事ができました。

    読み終わって、ぼんやりとですがキリスト教の全体像が見えてきた様な気がしました。

    私の様な初心者には読みやすいのではないでしょうか。

    肝心のミュージカルの方ですが、この本を読んでいて本当に良かったと思いました!
    この本で読んだままが出てきて(当たり前かな?)、細かい部分も楽しめました。

    マグダラのマリアがイエスの足にキスしたり、香油をかけたりとか、イエスが祈っている間に弟子たちが眠りについている様子とか。
    読んでなかったら???の連続だったと思います。

  • 阿刀田高さんの「旧約聖書を知っていますか」は何度も読んだお気に入りの本なので、そこからの流れで読んだ。
    旧約聖書は神話的でストーリー性があるので分かりやすいんだけど、新約聖書ってイマイチ理解しにくい。
    この本は宗教的な解説の仕方をしていないので読みやすかった。
    新約聖書には、いろんな解説本があるけど、この本は抵抗なく読める一冊だと思う。

  • 「旧約聖書を知っていますか」に続いて。なんとなく知っているつもりなっているけれど、実はよく知らない聖書についてのお話。聖書が分かればキリスト教についても理解が深まる。著者自身がキリスト教徒ではないという立場からの解説が分かりやすい。イエス・キリストの奇跡が本当だったのか、実際にあったのかという論争は絶えないが、結果として信じられていることが重要という指摘に納得。

  • あくまで無信仰という立場から史実に基づいたイエスとその生涯に関する推察が述べられていて知識蓄積と面白さの両方を揃えた素晴らしい本だった。信仰を持たない人でないと読めないほどのポップさである。
    これで読んだ内容は決して親交の深い人には話せないな。。。

  • 前から読みたかった新約の方の聖書。

    聖書の登場人物が何となくわかりました。
    ただヨセフ出てきすぎ。
    何人おるねん。


    要するにイエス様が仰るには、
    人にされて嫌なことするな。
    って感じ。

    あとは、愛される者を愛するのは当然。
    完全な存在になりなさい。

    他人を許しなさい。
    そうすれば天の父もあなたを許してくれます。


    ってな感じ。


    キリスト教がこれほど世界で広まって
    イエス様が受け入れられたのは、
    それまでの神聖なる、崇高な存在が
    傲慢であり選民思想だったのに対して
    イエス様は低姿勢で謙虚で
    異教徒であろうと受け入れて
    手を差し伸べたところなんやろね

    それまでの傲慢なユダヤ教徒からしたら
    まさに革命児やったんやろね

  • 『旧約聖書を知っていますか』に続いて読みました。
    いや、今更ながら、勉強になりました、この2冊。聖書についておおよそでも知っていないと、西洋…なかんずくイタリア絵画や彫刻などを観ても何が描かれているのか分かりませんからね…もっと早くに聖書の基本中の基本知識…初歩知識くらいは当然にインプットしておくべきでした。

  • 何を読んでも、素地として知っておきたい新約聖書。何度もチャレンジしては挫折してましたが、この本は一気に読めました。新約聖書の構成をわかりやすく解説してくれ、同名が紛らわしい登場人物の整理をしてくれ、作者を拝みたくなりました、これだよ、これがほしかったの。
    タイトルから勝手に作者はクリスチャンだと思っていたのですが、非クリスチャンの立場で書かれたこの新約聖書入門は貴重でした。

    「旧約聖書をしっていますか」の存在も知り、即、購入。

  • 大学時代に買った本を十数年ぶりに再読。当時はチンプンカンプンだった内容が、今はスッと頭の中に入ってくるようになっていた。時間をおいて再読すると理解度が格段に変わる本はいくつもあるが、この本もそんな部類。たぶん、身の回りにクリスチャンがそこそこいるというのも大きいのだと思う。

    著者はクリスチャンではないので、「知らない人が知らないなりに新約聖書を読むとこういう風に考えるんだよ」という視点で、新約聖書の様々なトピックを解説しています。その点、ノンクリスチャンにとっては非常にとっつきやすく、理解しやすいです。
    一方で、著者はそもそも文化芸術に関する造詣が深いため、宗教画や演劇をとっかかりにして新約聖書のエピソードを解釈していきます。その視点から読んでいけば、クリスチャンが読んでも十分に面白い本なのではないかと思います。

    キリストの復活についての著者の解釈は、クリスチャンが読んだら納得できないかもしれません。しかし、信仰を持たないノンクリスチャンとしては首肯できるところもありました。

    キリスト教文化を背景に持つ人と交流を持つようになると、好きか嫌いかに関わらず聖書の基礎知識は求められるようになります。比較的手軽に新約聖書の理解を得たい、という実利的な側面からも「使える」本です。

  • 知識としての新約聖書概略。
    著者はこの本を書くために労した下調べの量は膨大だったろうと思う。イスラム教、ユダヤ教、そしてキリスト教と同じ一神教であるがそれぞれが興った拝啓には実に人間らしい明暗が背景にある。
    ヨーロッパに旅行する機会がある人は宗教画の予備知識として読んでおくとより旅行を楽しめるかもかもしれない。

  • とっても分かりやすい。砕けすぎることなく、「現代で言えばこんな感じ」をうまく説明してくれる。
    聖書に記されている「奇蹟」の存在についての解釈や、さまざまなエピソードに対する筆者の感想や意見を、当時の状況について説明した上ではっきり示してあって、なるほど、と頷ける点が多くあった。聖書の解説本、と言うよりは、人間の習性のようなものとか、宗教とは何か、というテーマに対して向き合ったエッセイだと言って良いと思う。
    ただ、信仰を持っていない、と明言する筆者の著わす解釈は、敬虔な信者からしたら、何を言う、と柳眉を逆立てたくなるような言い回しも多いかもしれないので念のため。
    順序が逆だけれど、旧約聖書についてのエッセイも読んでみるつもり。どんな解釈が飛び出すか楽しみにしている。

  • 再読。
    私のように信者ではないが、何らかの理由でキリスト教や聖書に興味を持った人が、聖書の概要を手っ取り早く把握するための本。
    近頃、個人的に西洋美術への関心を強めているものの、聖書のワンシーンを主題とする絵を見てもチンプンカンプンだったため、本書を再読した。
    著者は単に聖書のストーリーをかみ砕いて語ってくれるだけでなく、聖書の著者達がその裏に込めた思いや動機を想像して謎解きしてくれている。
    第7章の「ピエタと女たち」でのキリスト復活のからくりは推理小説さながらだ。
    最終章のヨハネの黙示録は何だかよくわからないまま終わってしまった。元が奇想天外だからだろうか。ともかく消化不良で読了。

  • 神の子 メシア イエス、人

  • 2015.8.27新約聖書の内容をわかりやすく、著者の私見やエピソードも交えながら、信仰もなくキリスト教についてもよくわからない人に向けて書いたエッセイ。旧約聖書が、日本の古事記に近く、神話と歴史という流れでイスラエルの民族のアイデンティティを証明するような書物であるのに対し、新訳聖書はイエスキリストの誕生から亡くなるまでの言行録というか、その言行を伝え、解釈した4つの福音書がメインであり、さらにパウロなくしてキリスト教なしとまで言われる、パウロによる布教の記録を手紙を通して知ったり、つまりイエスキリストを中心に書かれている。旧約聖書とは思いっきり違う内容構成になっている。小学生の時に学校の図書館でイエスキリストの伝記を読んだのを今でも覚えていて、有名なエピソードはその時読んだ記憶と本著を読んだ記憶にさほど違いはなかった。個人的には、新約聖書に書かれていることの真偽より、それを書かせるだけのインパクトのある出来事と人物が実在したこと、そして故にキリスト教は現代において世界最大の宗教となっている、そこが大事なのではないかという著者の私見もおもしろかった。イエスキリストを始まりとしたストーリーも興味深いものだったが、改めて、信じるとはなんだろうかと考えさせられる。この時代は、現代よりもずっと、信仰が身近であり、人生に必要不可欠なものだったに違いない。科学は、存在しないことを証明することはできない。神は存在するという証拠は乏しいが、同時に存在しないとも言えないのである。明確な根拠のある事実に対し信仰は不要である、だって目の前に根拠あるんだから。根拠がないからこそ、信じる力が試される。昔は今より、この力の試された時代だったんだろうなと思う。これは宗教に限った話ではない。科学のできることは存在の証明までであり、存在しないものを存在しないということはできない。それを信じるのも、人間の力である。その力を我々は失ってきているような気もする。無根拠でも信じる、それは時に生きる強い原動力、情熱である。そんな根拠のない自信的なものが必要な人生の局面ってあったりしますよね。例えばそれは自分の夢に対する信念とか、そんなものとも言えるかもしれない。日本は特に、宗教というか意識的な信仰を持つわけでもなく、寧ろ宗教にマイナスイメージのある国である。でも、根拠がなくても何かを信じることも人間の在り方だし、根拠がなくても何かを信じることの偉大さ、大切さを、この本を読んで感じることができた。私は神を信じないし、寧ろキリスト教は昔勧誘された時から大嫌いなのだが、著者と同じように、根拠もないし、奇蹟なんてアホらしいし、復活もあり得ないし、でもそういう無根拠なあり得なさを信じることが、一体どれだけの人間を救って、その結果キリスト教含め宗教がどれだけの影響力を世界に与えてきたか、その結果としての事実はしっかり受け止め認めるべきだと思った。イエスさんすごいね、というより、人間の信じる力ってすごいな、という感じである。最後のヨハネの黙示録はもう漫画とかアニメとか映画の世界のような気がして、でもそう思わせるだけの非現実感と凄惨な感じが伝わってきたのはすごいなと。比喩だろうけど、結局人類はそういうエピソードに向かいつつはある気もする。新約聖書について知りたい人にはもちろん、宗教とかなんか怖いし阿保臭いし意味不明ですよねなんて思ってる人に読むことをお勧めする一冊。唯一学べた教訓的なのは隣人愛、自分のしてほしいことを相手にしなさい、という教えくらいかな。

  • 〈ダビデ王の人柄がそこはかとなく見えて来る。完全無欠の英雄ではなかった。人間らしい血の通う人であった。あやまちを犯し、必死になって悔い改め、少しずつ成長していく〉

    直木賞作家の阿刀田高による、旧約聖書ってこんなかんじだよエッセイ。
    独自の解釈入りまくり。
    全然学問的じゃないっ!

    でも、それでいいのです。分かりやすいもの。
    何よりおもしろい。
    ソロモン、ヤコブ、モーセなど、聞いたことある英雄がなんだか身近に感じられます。

    しかし、理不尽すぎやしませんか、イスラエルの神よ笑
    こんなこと言ったら怒られるのかな。

    シリーズで新約聖書、ギリシャ神話が出てます。次は新約聖書かな。

  • ます、著者のスタンスがいい。信仰はしてないが、知識としてキリスト教を知りたいという人の入門書としては、最適ではないか。

    筆者によると、前作の旧約篇はイスラエルの建国物語とも取れるので、書きやすかったが、新約は信仰心の問題になるので苦労した事が書かれているが、その通りだと思う。

    現在の世界の混迷の大きな要因としては、宗教戦争の側面もあり、そこが、日本人としては一番理解出来ないところなのではないかと思うが、阿刀田さんのような理解の仕方、つまり、知識として知っておくというやり方は、日本人には向いていると思う。真の宗教に対する接し方とは違うとは思うが・・・

    あとは、続篇のコーランを読んで、死ぬまでに「聖書」、出来れば文語体の物を読みたい。

  • 西洋絵画を学ぶ上で、聖書の知識は絶対に欠かせない。ご存知の通り、聖書は新約聖書と旧約聖書があり、話としては断然旧約聖書のほうが面白い。けれども新約聖書も理解しなくては、西洋絵画を学ぶ上で不都合がある。そう思って手に取った一冊。簡単にわかりやすく勉強する上では、すごくいい教材だと思う。筆者の実際に現地に足を運んだ体験や筆者なりの解釈も入っていて、軽く読み進められる。一方、ストーリーとしての完成度は低い。手っ取り早く、新約聖書を勉強したい人にはお勧め。

  • 旧約に比べるとイマイチだった。

  • 「旧約聖書を知っていますか」に続いて読む。信仰でなく、知識として読もうという人にはお勧め。ユーモア交え読みやすい。欧州の歴史をはじめ、芸術に触れるにも根本にキリスト教がある場合も多く、それらに接した時の感じかたも変わってこよう。2014.12.14

  • (2014.06.26読了)(2013.06.28購入)
    【6月のテーマ・「聖書の周辺」を読む】
    旧約聖書は、「創世記」「出エジプト記」「ヨブ記」と入門書、関連書などを読んでいるので、阿刀田さんの「旧約聖書を知っていますか」とりあえずスキップしてこの本を読みました。
    新約聖書を読んだことはないのですが、キリストの生涯については、映画や物語である程度知っていますし、絵画でも見ています。
    この本を読んでみると、知っているようで、まだ知らないことが多々ありそうです。聖母マリアのことについては、聖書には書いていないけど、別立てのものがたりがあるようです。映画や関連する物語にも触れながら、新約聖書について紹介してくれているので、楽しく読めます。この本を書くことを口実にキリストやその弟子たちにゆかりの地にも脚を運んだようです。うらやましい限りです。

    【目次】
    第1話 受胎告知
    第2話 妖女サロメ
    第3話 ガリラヤ湖
    第4話 十二人の弟子
    第5話 イエスの変容
    第6話 ゴルゴタへの道
    第7話 ピエタと女たち
    第8話 クオ・ヴァディス
    第9話 パウロが行く
    第10話 黙示とエピローグ
    解説  大塚野百合
    阿刀田高 文庫分類目録

    ●系図の不思議(14頁)
    「マタイによる福音書」の冒頭にマリアの夫のヨセフの系図が書いてあることについて
    系図は、マリアの夫ヨセフが、いくつかの曲折や疑義があるにせよ、アブラハムからダビデを経た一族の血を繋ぐ末裔として(多分、誇りを持って)記しているのである。そのヨセフの本当の息子がイエスであるならば、この系図の意図は十分に汲み取れる。こういう正統な血筋からイエスが誕生したこととなり、首尾は一貫している。
    ところが、系図に続く記述が、イエスはヨセフと関係なく、マリアは聖霊によって受胎しイエスが誕生した、というのだから、
    ●四つの福音書(28頁)
    新約聖書の中核をなす四つの福音書、すなわち〈マタイによる福音書〉〈マルコによる福音書〉〈ルカによる福音書〉〈ヨハネによる福音書〉の内容は何か、
    「イエス・キリストが神の子であることを伝えるフィクション」
    ●イエスの父(31頁)
    マリアの相手はほかにいる、ローマの兵士、パンテラという名前だ、という指摘が早い時期からあるにはあった。心根の正しいヨセフはそれを承知でマリアを引き受け、成長したイエスは、その事実を知って早く家を出た。家督を正当な弟たちに譲ろうと考えたわけである。
    ●洗礼前のイエス(51頁)
    はっきり言えるのは、イエスは少年期を終える頃までナザレの父の家にいて父の仕事を習っただろうこと、四人の弟と、二人あるいは三人の妹がいたこと、そして父ヨセフは比較的早い時期に死んだこと、そしてイエスが若くして家を出たこと、くらいであろうか。
    ●病気(78頁)
    当時、病気は神に対する罪に由来すると考えられていたから、罪が許されることと病気が治ることとの間には、イコール記号が通用したわけである。
    ●奇蹟(85頁)
    奇跡のエピソードは一つの比喩であり、イエスの偉大さを大衆に伝えるためには、こうした伝達方法が適していた、ということだろう。事実の報告だけが伝達の手段ではあるまい、小説でしか伝えられない事実というものが現代でもあるではないか。
    ●イエスのレトリック(104頁)
    「医者を必要とするのは、健康な人ではなく病人である。私が来たのは、正しい人を招くためではなく、罪人を招いて悔い改めさせるためである」
    ●ピエタ(182頁)
    ピエタはイタリア語で〝敬虔な心、慈悲〟を表す。日常会話でも使われているが、美術用語としては、聖母マリアがイエスの亡骸を抱いて悲しむ構図を意味している。
    ●伝道(213頁)
    福音書の二百余頁が過ぎると、新約... 続きを読む

  • ご本人はクリスチャンじゃない
    磔刑の後のパウロとペテロの活躍や
    ヨハネの黙示録などにも一章を割いている

    私も無宗教者なんだが、DVDで
    キリスト伝記映画やクオ・ヴァディスを見る予定なので
    復習・予習をかねて

    マタイ読みという言葉があるそうだが
    ※マタイによる福音書だけ読んで、ヨシとする方法
    私も福音書くらいは読まないといけないかな?

    11 登場人物は、旧約のあらすじ代わり
    25 金、乳香、没薬
    26 4福音書、マタイ・ヨハネは弟子と別人、ルカ・マルコはキリスト見ていない、というのが通説

    29 ローマの兵士パンテラが実の父?
    142 心は燃えても肉体は弱い
    167 マリア、磔刑の場にいなかった?

    193 マルコ(60’)マタイ・ルカ(80’)ヨハネ(90’)の順に成立
    194 ルカはパウロに近い立場、医師。完結で筋の通った記述が評価されている

    208 ペテロ、死人を生き返らせる@ヤッファ
    212 映画のクオ・ヴァディス
    230 パウロなくしてキリスト教なし。
       割礼なんかより、信仰・理解が大事

    234 パウロ、律法を守ることと信仰は別
    242 パウロ、未決囚で@ローマ、割と自由だった
    244 論理的な神学に帰納したパウロ

  • 「単独者として神のみ前に立て」はキルケゴルの言葉だったか、いずれにせよ教会が配るパンフレットとは違う種類の信仰告白。ある意味ではこの人、本気でキリスト教を信じていないからこそこういう本をかけるのだけど、逆に本気でキリストを信じるとはどういうことだったか、不意に思う。文章は相変わらず面白い。

  • 解説なのか?エッセイなのか。聖書を読むにはまだ足りないと感じた

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新約聖書を知っていますか (新潮文庫)の作品紹介

新約聖書の冒頭で、マリアの夫ヨセフの系図を長々と述べているのはなぜでしょう。処女懐胎が本当ならば、そんなことはイエスの血筋と無関係のはずです。ところで、聖書の中に何人のマリアが登場するか知っていますか?ではヨハネは?そして、イエスの"復活"の真相は?永遠のベストセラー『新約聖書』の数々の謎に、ミステリーの名手が迫ります。初級者のための新約聖書入門。

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