- Amazon.co.jp ・本 (368ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101255248
感想・レビュー・書評
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(「BOOK」データベースより)
ギリシャに生れた盲目の吟遊詩人ホメロスの世界が、阿刀田魔術で生き生きと目前に広がります。イリアス、オデュッセウス、ポセイドン、トロイア戦争―著者の名解説を聞きながらのギリシャ周遊パック旅行のような、至れり尽せりの入門書。今までは読みたくても手が出せなかった西洋文学古典中の古典のエキスが、苦もなく手に入る大好評シリーズ第6弾。楽しいイラストも増量しました。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
何となく西洋の古典に憧れを抱きつつ、チャレンジすることもなかった「イリアス」「オデュッセイア」。
ギリシャ神話にも何となく憧れを抱きつつ、こちらもいくつかの神々の名前を知っているぐらい。
こんな状態で原典にあたったら、絶対当たって砕けて終わるところを、阿刀田さんの語りにかかると、旅行ガイドに連れて行かれるような心持ちで、誘導されて行ってある程度の中身が身に付いている。
原典が生野菜そのままで、皮も食べたら一番健康にはいいんだけど、味も苦いし、固いし、食べたくない…としたら、この本はスープとか、煮物とかみたいに、美味しい美しい部分だけを他の具材(ギリシャを訪問した時の旅行記など)と一緒に調理してくれる感じ。
面白かったです。
他のも読んでみたい。 -
古代ギリシアの叙事詩イリアスとオデュッセイアを、いつもどおり易しく解説してくれる。トロイア戦争と言えばトロイの木馬……だったが、この叙事詩には出てこないという。ギリシア神話の神々と人間たちが言葉を交わせていた悠久の昔の物語に惹き込まれた。ラストは、英雄オデュッセウスの生地・イタキ島で、北の星座を見ながら英雄も普通の人も、その生涯の短さはあまり変わらず、「だれもが英雄なのだ。」と結ぶ。なんともしんみり。
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ホメロスって誰?から始まり、前半はトロイア戦争を描いた「イーリアス」、後半はトロイア戦争後にギリシャの知将オデュッセウスが祖国に帰るまでの冒険「オデュッセイア」について、あらすじを教えてくれる。辻褄が合わないところや現代人が不思議に思うところはちゃんと突っ込んでくれるし、読みやすくて良かった。
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20170116
阿刀田流の解説書、兼、紀行文である。難解な世界への解説本としてとても気に入っているシリーズ。阿刀田氏の冗談や、気の利いた言い回しによって教養を「面白く」身に付けることができる。
当の『イリアス』と『オデュッセイア』は吟遊詩人ホメロスによって伝えられたものである。イリアスはギリシャ軍とトロイア軍のトロイア戦争を描いたものであり、オデュッセイアはギリシャ軍の戦士であったオデュッセウスの帰国物語である。ギリシャ神話の世界で神々と人間が調和を成していた世界観で、両者の対話がまことに面白い。
神々の特徴は教養として持っておくこと、アキレウスやトロイの木馬等の有名な逸話は、これを機に語れるネタとしてストックする。
重箱構造
糸手繰り構造
『イリアス』
=トロイア戦争
『オデュッセイア』
=オデュッセウスの帰国物語 -
阿刀田高 「ホメロスを楽しむために 」イリアス、オデュッセイアの基礎解説書。ギリシア神話の知識は役立つ
語り部の面白さ(展開の速さ、人物の豊富な表現など)、神と人間の関係性、人間の愚かさ あたりが 目付けポイントだろうか
人間の運命を操るギリシアの神と 非力で神の思い通りに動く人間の対称性 -
イリアスとオデュッセイアは岩波文庫で読んだが、何せ3千年前の叙事詩なので冗長なところ、わかりにくいところも多い。
そんなところをまとめてくれている本。
イリアスとオデュッセイアと併せて読むといいと思う。 -
ちょっと例えやジョークが古いけど、くだけた注釈付きでホメロスに親しむにはいい本。
著者がギリシャの現地取材をしていて、簡単な地図があるのも想像力を刺激する。 -
よきダイジェスト本。
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9/26 読了。
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古代ギリシャの吟遊詩人ホメロスによって作られたとされる、二つの叙事詩〈イリアス〉と〈オデュッセイア〉を、分かりやすくコンパクトにまとめたエッセイ。
〈イリアス〉〈オデュッセイア〉は、西暦前1250年頃に起ったといわれるトロイア戦争を題材に、それから400年くらい後の時代に生きたホメロスが詩にまとめたものである。
トロイア戦争のなんたるかも知らずに読み始めた私でも、三分の一くらい読んだあたりから、何となく事情が分かってくる。
トロイア戦争はギリシャ対トロイアの戦いだが、これが文学作品となると、大神ゼウスをはじめとした神々が大勢関わってきて、人間と神が入り乱れてもうすごいのである。何と言っても、戦争のきっかけ自体が、「人口が増えすぎたから戦争でも起こして人間を減らすか」というゼウスの発案なのだから。
エッセイ自体は、トロイア戦争を描いた〈イリアス〉についてまとめた6話と、ギリシャ軍の勇将オデュッセウスを主人公に、その戦争後の帰郷を描いた〈オデュッセイア〉についてまとめた6話とで成る。個人的には〈オデュッセイア〉の方が読みやすく面白いと思ったのだが、私はもともと、日本文学でも軍記物は苦手な方なので、これは好みでしょう。 -
近所の古本屋さんでの戦利品。平行してイーリアスに取り組んでいるものの、なかなか進みません。困ったときの阿刀田氏頼み。ホメロスの出生の謎に触れた後、二大叙事詩イーリアスとオデュッセイアの粗筋を教えてくれる一冊です。
そもそもトロイア戦争が実際に起きたことだと証明されたところで、遥か昔の出来事である上に、イーリアスの中では神様が人間と同じように存在してますから、どうやっても架空のお話に思える。ホメロスその人も実在の吟遊詩人というより神話の中の登場人物のように感じていました。しかしホメロスの足跡をたどった記録があるということは本当にいた人な訳で、そしたらアキレウスやオデュッセウスやヘクトルなんかはモデルになった人がいるのかもしれない。それにトロイア戦争からホメロスがイーリアスを成立させ、さらに文章として残されるまではずっと口承だったんだとすると…いやー、すごいロマンです。そういうことを考えながらだと、ギリシャの船団の長々した説明や、神様の不毛な言い争いを我慢してイーリアスを読めそうです。 -
学生時代に世界史の試験勉強で、ホメロスの「イリアス」「オデュッセイア」という名前を記憶したことがあります。
全く本の中身を知らないのに、歴史のテストで
「ホメロスは何を書いたか?」、、、
「イリアス」と「オデュッセイア」。
正解!
テストには正解したけど、中身は全く知らないというのは、ある意味全く知らないよりも恥しいことなので、せめてエッセンスだけでも知っておきたい人にはおススメの本です。原典を読むのは辛いですから。
ハイライトは、ブラピの主演映画「トロイ」の話です。
遺跡発掘で有名なシュリーマンが夢中になった話ですが、原典よりも小説家である著者の解説のほうが面白いかもしれません。 -
09072
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巻末に収録されている漫画家、里中満智子さんの解説にもあるように、やっぱり読み易いって言えば読み易い本だと思います。 で、KiKi も「難しいこと≒高尚」という幻想には疑問を持っているタイプの人間なので、そういう意味ではこういう本がどんどん読まれてちょっぴり敷居の高い(ような気がする)古典文学がもっともっと多くの人、特に若い世代の人たちに読まれるといいだろうなぁと感じているので、本屋さんで岩波文庫の「イリアス」や「オデュッセイア」に手を伸ばしてみたものの、肩をすくめてまた本棚に戻しているような若者にはオススメできるような気がします(笑)。
(全文はブログにて) -
長らくの積読本
2009/9/1~9/9
出勤途中に阿刀田高氏の「ホメロスを楽しむために」を読了。
何となく知っている「イリアス」や「オデュッセイア」であるが、阿刀田氏の解りやすい要約で、少しは理解が深まった。が、やはりややこしい。驚きは「トロイの木馬」の話はどちらにもない、ということ。てっきり、どちらかにあるものだとばかり思っていた。 -
これなかなかおもしろかった。
ギリシア神話はほとんどよく知らなかったんだけど、
とっかかりとしてはすごく読みやすくわかりやすい本。
それでも、はじめのほうは誰がなんだかサッパリ(・∀・)
でも、一度読み切るとわりと理解できてきます。
カタカナの名前がいっぱいでてくる本は難しいよねー。 -
ギリシア神話がマイブームだったとき関連として読みました。いや〜あいかわらずこのシリーズはおもしろい。勉強になるし、わかりやすい。最高です。
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イーリアスを読んで消化不良だったので色々探して見つけた、なぜ尻切れで終わってるのかとか、木馬の話は誰が語っていたのか納得、判り易く解説してくれる、オデッセイアの解説も有り