人麻呂の暗号 (新潮文庫)

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著者 : 藤村由加
  • 新潮社 (1992年11月発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (350ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101258218

人麻呂の暗号 (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 柿本人麻呂の歌が朝鮮語で解読できるという主張を軸にした話。刊行当時、称賛も批判も多かった問題作。ことばそのものやことばあそびが好きなので、こういう違った角度から解釈をするお話は単純にたのしい。暗号というより、謎解き、パズル、といった感じ。著者は4人で、それぞれの名から1文字ずつ取った共有筆名。この共有筆名というのも、当時の私には新鮮だった。

  • 学校の授業で習った万葉集の歌。ほとんどが叙景詩や叙情詩だと言われていましたが、漢字の意味や朝鮮語から全く違った解釈が出来ることにビックリし、とても興味深い内容でした。

  • 仮説を構築する というのは 重要な意味を持っている。
    歴史を解明するためには、仮説なくして成り立たない。
    歴史とは 『仮説』のつくり方で 方向が決まる。
    多言語教育を受けた 若い人たちが 
    感性あふれる 言葉 に対する想いを 解き明かしていく。
    果敢であることに・・・共感を覚える。

    言葉から沸き立つ 質感 がどう形成されるのか?
    中国、朝鮮、日本という 3つの国の中の底流に流れるものは?

    はじめに・・・聖徳太子をこう表現する。
    聖徳太子が 10人の話を聞くことができるというより
    語学の天才であった という説明は 納得。
    聖という 字 が 『耳』と『口』の『王』ということから、
    聖となっている。

    聖徳太子は日本書紀では・・・
    厩戸皇子(うまやとのみこ)
    厩戸豊聡耳皇子(うまやとのとよとみみのみこ)
    豊聡耳法大王(とよとみみののりのおほきみ)
    と呼ばれている・・・『耳』がよかったのだろう。

    万葉集の謎の歌人 柿本人麻呂 の 詠んだ歌を 
    『朝鮮語』で、解明しようとする。

    朝鮮語の辞典は
    『李朝語辞典』(1979年)を使う。
    (朝鮮語古語辞典というのがあるのだろうか?
    書かれた当時は インターネットがなかったので、
    重い辞典を運びながらの挑戦だったようだ。

    万葉集から 人麻呂の歌
    東 野炎 立所見而 反見為者 月西渡
    東の野に炎(かぎろい)の立つ見えてかへり見すれば月傾きぬ

    漢字の羅列を大和言葉に読み替えたのは・・・
    すごい読解力といわざるを得ない。
    それを、朝鮮語で読み替えることができるのか?

    712年 古事記 720年 日本書紀
    という 日本の歴史が作られる 
    日本語漢字のひとつの集約の時期である。
    前夜に 柿本人麻呂 は、歌を歌っていた。
    この時に 使われていたのは 万葉仮名。

    万葉仮名 は 日本語になっていた。
    万葉仮名を 中国語で詠めても 意味はなさない。
    (この本では中国語の表記が ピンインを使わないのは残念。
    万葉仮名は 漢字であっても 中国語ではない。
    万葉仮名を 朝鮮の古代漢字でよんで、古代ハングル語にする
    その意味が通じる という着眼点はありうることかもしれない。

    倭語と朝鮮語の共通性がどこまであるかがであるが、
    朝鮮の漢字がどんな風になっていたのか 
    そのことがわかってくるとみえてくるものがある。

    いつくかの作業のポイントがある・・・
    現在の朝鮮語でよむ・・・『時間軸のずれ』
    古語としての朝鮮語でよむ
    万葉当時の朝鮮語でよむ
    人麻呂がなぜその当時の朝鮮語を知っていたのか?

    柿本人麻呂は、出自が不明であることから、
    朝鮮の渡来人・・・と推定していくのであるが・・
    やはり、ちょっと無理がある。
    人麻呂の歌だけでの推定では、『物的証拠』が少なすぎるのだ。
    解釈の方法論ではなく、柿本人麻呂ののこした
    暗号を違ったメッセージに仕立て上げると
    おもしろい読み物になったとおもうが・・・
    ダヴィンチコードのようなイメージが時代を広げて展開する。

  • jardin de luneさんのレビューで気になってなんとなく家のどこかで見かけたような気がして父の書棚を探ってみたら単行本が見つかったので読んでみた。ということで登録は表紙が表示される文庫だが読んだのは単行本の方。
    内容は……、まあ面白いといえば面白い。特に最初のうちはなんだかわくわくしたし、これはアリかもと楽しめた。少しばかりドラマで聞きかじっただけでも韓国語と日本語に共通点があることは解るし、これもいささか異端的な学説らしいけどたしか大野晋氏が唱えた日本語のタミル語起源説でも韓国語を経由してたし、かなりアリな線だと思うのだけどどうも後半へと進むにつれて飽きがきた。そりゃあ千年以上も昔の話にミステリ的な解決を望むのは推測に推測を思いっきり重ねても無理だからしかたないけど、もうちょっと具体的なところがあがってくるかと期待してしまったぶんあてがはずれた感じ。証拠を提示すると作品中で意気込んでいるわりにどうだろうちょっと推測を重ね過ぎなのでは…、と思ったり。まあ、読み物としてならこれもありだ。もちろん学説やらなにやらは詳しくないし、評価を下せる頭もないけど。ただ、むしろ裏をかかずに今あるような万葉集の読み方のほうが単に個人的に好きだっていうのが、こういうのもアリだとは思いながらもいまいちのめり込めなかった理由かもしれない。万葉集は好きだ。特にそのおおらかさが。でも日本語と韓国語が近いことはたしかだし、こういう読み方をはなっから突き放すのは可能性を潰すことになるので否定はしない。面白いといえば面白いし。

  • 日本は、オホーツク海で住む人たち、南方から来た人たち、中国や朝鮮半島から来た人たち、
    いろいろな人たちが集まってきたかもしれない。

    朝鮮半島の文化と日本の文化は、共通部分も多い。
    母屋という用語をはじめ、母親を敬う習慣まで、多くの共通部分がある。
    朝鮮半島から多くの人たちが来た記録もあるという。

    漢字で書いたものなら、中国でも、韓国でも意味が取れるもののはずだ。
    その解読法のひとつを紹介していると思った。

    表題の「暗号」という言い方が、誤解を与えているのかもしれない。
    暗号ではなく、共有する記号なのではないのだろうか。

  • 独自のアプローチで古代の謎に迫る著者の本はどれもなかなか面白いのだが、(真偽のほどはともかくとして)本書も興味深かった。一見不自然とも思える枕詞や掛詞を、さまざまな言語を駆使して紐解いて行くプロセスはけっこうスリリング。特に今回は題材が「謎の歌人」である柿本人麻呂なのだから。個人的には梅原猛氏の説に共感を覚えるているので本書の結論とは意見を異にするのだが、刺激的な一冊ではあった。

  • 同著者の「古事記の暗号」が面白かったので。

    万葉集の原文に使われている漢字に着目し、中国語、ハングル、古代韓国語など多言語で読み解く手法は面白い。
    新解釈を読むと、歌聖と呼ばれながら、宮仕えの不自由さを感じるような歌が多い気がした。

    こう言っちゃなんだが、額田王に比べると
    表だって言えない分、恨みつらみが多くて辛気臭い男だなぁと思った。

  • なんとなく面白かったんだけど、どうして著者達が学会ではなく、在野で活動しているのか、ということにずっと違和感を感じていました。
    読み終わった後に、HPで調べてみたら、著者達が所属しているトラカレは「ヒッポファミリークラブ」なのでした…。トホホ…。

    本書は、一時期ベストセラーになったものの、その後「とんでも本」に認定されてるらしいです。
    以下のページで、全て納得できました。
    http://www2.odn.ne.jp/~had26900/topics_&_items2/nihongo_chosengo.htm

    ただ、ここのメンバーだったら、単純にクラブ活動として面白いんだろうな~。

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