不味い! (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101259413

作品紹介・あらすじ

何だこれ!こんなもの喰えるか!ふつふつと沸きあがるあの怒り、あのわびしさ、あの悔しさ。世界の珍味に挑戦してきた食の冒険家コイズミ教授もこの「不味さ」だけには敵わない。ホテルの朝食、病院食、給食、大阪の水…etc。自らの苦闘と悲劇を糧にして、不味さがどこから来るのかを科学的に、ときに感情的に解き明かす。本当の美味しさを知るには、まずは不味さを知るべし。

感想・レビュー・書評

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  • とんでもないインパクトのある本でした
    小泉武夫さんの本は発酵について知りたくてまとめて何冊か買いました

    この本も不味いものには栄養がある   みたいなことなのかな、、、

    と思って読んでいたら、本当に不味いものの本でした!!

    小泉武夫さんが気づく化学物質、未去勢牛の匂い、野菜の味の変化  私は気付けていないかもしれない

    そういうものが当たり前に売られていて、毎日摂取していると思うとゾッとした

    蛇、血のソーセージ、虫の話は映像がないのにゾッとした

    小泉武夫さんが不味いものでも最後まで食べ切る姿勢がすごいと思った!

  • 小泉武夫先生が出会った「不味いもの」を紹介。筆力、知識ともに申し分ない筆者だからこそ、読んでいるうちに口の中が不味くなってくるすごい本。鰻の回は、不味い鰻を食べたことのある人は「そうそう、こんな感じ!」と激しく頷いてしまうのではないだろうか。星マイナス1としたのは、類稀な筆力のおかげで不味いものから逃れる暇がなかったことと、グルタミン酸ナトリウムが大嫌いな先生の強い主観が入っている点。天然の出汁は美味しいが、効率を求めてしまうのは全否定できない。食べ物の趣向を題材にするのは難しいところである。

  • 美味しいものについて書かれた本はよく見るが、「不味い」ものについて書かれた本はあまり見ない。
    旅先で、あるいはせっかくの外食の機会で、考えて選択したはずのメニューが思いのほか口に合わなかったときの残念な感じ。
    それもまた懐かしい思い出となっているのが面白い。

  • ちょっと読むのがつらい。小泉先生のすばらしい表現力にかかると、文字を目で追うだけで吐きそうになるほどの不味いものオンパレード。今度は先生が書いた美味しいものの本を読みたい。

  • 折り詰め弁当の貧相なフライ…。都会のカルキ満点の水…。酸化して湿気って食べられたもんじゃないナッツ…。思わず「わかる~!!超まずいあれ!!許せん!」と頷く食の数々。さすが味覚人飛行物体小泉先生。まずい物に対する見識も広大です。

  • 美味いものあれば不味いものあり。

    「発酵仮面」「味覚人飛行物体」こと、発酵学者・小泉武夫先生がであった、不味いものについてのエッセイです。

    まず目次を眺めてみてください。列挙されるみるからに怪しげで、不味そうな食べ物の数々!

    解凍に失敗した魚や病院食など身近なものから、カメムシ・カラス・羊の血の腸詰などのゲテモノまで…
    中でも、中国の蛇酒のエピソードは強烈で壮絶。先生の食への好奇心とチャレンジ精神に脱帽です。

    どんなに不味くともしっかり食す姿からは、食べ物に対する愛情が感じられます。
    ただ不味いと舌で判断するだけでなく、なぜ不味いのかが科学的な根拠を交えて説明されており、面白いです。

    図書館スタッフ(学園前):てば

  • 2015.10.15 読了。

    不味い物が書かれたエッセイ。
    美味しいもののエッセイはよくあるが、不味いもののエッセイは珍しく面白かった⤴︎

    食べ物が美味しくなる過程、不味い理由など
    発酵学者ならではの知識と分析はすばらしい。


    臭い缶詰

    羊の血
    カラスの肉は線香臭い

    グルタミン酸ソーダは手軽な調味料でつい使ってしまう自分の料理を反省する…

    どんなに不味くてもきちんと食べているのは、小泉先生の食べ物に対する愛情を感じます。

  • 確かに、世の中に美味しいものを紹介する本は数多あれど、不味いものを紹介する本には出会ったことがない。
    それにしても、さすが小泉先生。どんなに臭くても、どんなに気持ち悪くても、必ず飲み込むとは。
    蛇、血、カラス、シュールストレミング、ホンオフェ、カレーが面白かった。あとがきの嵐山さんもGood!

  • 他の本で、堪らん味だとか好きだとか言っていたあの料理この料理もやっぱり慣れるまでは不味い!が先に来ていたんですね。ホンオ・フェは1回切りかもしれない。

    小泉先生が大嫌いなグルタミン酸ナトリウム、なるほど味の○か。小瓶しか見たことなかったけど業務用の大袋もあるんだね。うま味調味料も使いすぎれば不味くなるのか。

    不味いと分かっていながら食べたカラスの肉や屁臭虫なんて呼ばれるカメムシの幼虫...すっごい度胸がある。
    不味いと力説しながらもなんとかカラス肉を食べられるように調理をするおじさんも凄いなぁ...

  • おもしろかった、多分著者にとっては不味いものでも私は美味しいと感じるんだろうなって思った
    虫とか動物系はムリ

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著者プロフィール

小泉武夫(こいずみ・たけお):1943年、福島県の造り酒屋に生まれる。東京農業大学名誉教授。専門は醸造学・発酵学・食文化論。専門的な話を、分かりやすく伝える達人。また食の未来を中心に、日本が抱える多くの大問題に挑んでいることから、「箸(★正字)を持った憂国の士」と評される。140冊を超える著作があり、小説も『猟師の肉は腐らない』、『魚は粗がいちばん旨い』など、専門的な知識に裏付けられた独自の作品が多数ある。


「2023年 『熊の肉には飴があう』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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