猟師の肉は腐らない (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
4.00
  • (11)
  • (14)
  • (9)
  • (1)
  • (0)
本棚登録 : 154
感想 : 10
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (373ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101259468

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 小泉武夫『猟師の肉は腐らない』新潮文庫。

    てっきり猟師メシをテーマにしたエッセイかノンフィクションかと思ったのだが、読んでみると非常に面白い小説だった。人間が人間らしく生きることの素晴らしさを食を通じて描いた秀作。勿論、小説の中に描かれる数々の猟師メシは小泉武夫の実食体験に基づいたものなのだろう。読んでいると味わったことの無い食感、匂い、味がリアルに伝わってくる。

    食文化や発酵学を研究する農学者の主人公の『俺』は、渋谷の酒場で猪狩義政と出会う。その後、紆余曲折を経て福島の山奥で猟師となった猪狩義政の元を『俺』が訪ねる。まるで原始人の如く自然と共に自由を謳歌し、自給自足で自然に食を求める猪狩義政との数日間の暮らし…

    さすがに昆虫食は御免であるが、野兎や猪、岩魚や山女は是非自然の中で食してみたいと思う。

  • 小泉武夫先生が2度にわたって親友の猟師を訪ね、山奥で完全自給自足の暮らしを体験しながら(1週間x2)、日本古来の食品保存の知恵を体感する突撃レポ。登場する人間はほぼ2人(と、犬1匹)だけなのに、2人の掛け合いがとっても面白く、テンポよく読める。読み終わったあと、無性に手前味噌やどじょう鍋を作ってみたくなった。

著者プロフィール

小泉武夫(こいずみ・たけお):1943年、福島県の造り酒屋に生まれる。東京農業大学名誉教授。専門は醸造学・発酵学・食文化論。専門的な話を、分かりやすく伝える達人。また食の未来を中心に、日本が抱える多くの大問題に挑んでいることから、「箸(★正字)を持った憂国の士」と評される。140冊を超える著作があり、小説も『猟師の肉は腐らない』、『魚は粗がいちばん旨い』など、専門的な知識に裏付けられた独自の作品が多数ある。


「2023年 『熊の肉には飴があう』 で使われていた紹介文から引用しています。」

小泉武夫の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×