出身県でわかる人の性格: 県民性の研究 (新潮文庫 い 54-3)

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  • Amazon.co.jp ・本 (354ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101260235

作品紹介・あらすじ

日本に日本人はいない。ただ、京都人は新潟県人がいるだけだ!狭い日本ながら四十七都道府県人の性向は、外国人同士さながらにさまざま。ウケばかり狙うあなたの上司は大阪人で、頑固で怒りっぽい隣家のおばさんは佐賀県人ではありませんか?そんな、周囲の人々のことがよくわかる一冊。各種の資料統計を元に独自の見聞と分析を加え、そして少々の偏見をまじえた県別雑学の決定版。

感想・レビュー・書評

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  • 一概には言えないし、兵庫県、京都府、滋賀県、大阪府、和歌山県なんかは
    もっと地域によって気質が違う。著者の知らない地域と思われる県は新人国記に頼るところが多く、もう少し取材をして書いて欲しかったと思う。

  •  日本人はなぜか、血液型や星座、姓名や顔相、手相に至るまで、性格の判じ分けというものが大好きである。その判じ分けの材料として「出身県」が用いられることもしばしばだが、他の材料に比べて、その県(廃藩置県以前までさかのぼって藩といってもいい)が辿って来た歴史なり、形成してきた伝統文化なりを根拠にしている分、「むべなるかな」と納得できる部分が多いように思う。まぁ、人間の性格なんて、全くの同一条件化にあってさえ、ステレオタイプ化出来るものではないので、本書に書かれていることを全て鵜呑みにする必要はないが、人間関係構築の参考にするか、ちょっとした手慰みに読むには、もってこいの本であろうと思う。

     私などは典型的な長州人であるが、山口の県民性について(あ~、分かる分かる。そういう所あるよな~)と苦笑交じりに納得する部分もあるし、(う~ん、これはホントの長州人感覚ではないかもなぁ)という部分もある。

     まず、見出しはこうだ。
    「山口県 長州あっての日本というプライド 自己顕示が激しくて議論好き」
    以下、私の主観。
     うんうん、確かにそうだ。近代日本の形成に資するところ大であったのは、長州である。長州藩人がいなければ、近・現代日本の姿はなかっただろう。(ここで面白いのは、長州人の癖として、薩長土肥のうち薩土肥のことが念頭からスッポリ抜け落ちてしまっていることである。長州人、とりわけ私のような周防人はどこか能天気なところがあり、その能天気さと、行け行けドンドンな性格でもって幕末を乗り切ったともいえる)
     自己顕示…これも当たらずとも遠からずだ。現に、私なんて、半隠遁生活を送っているくせして、こんなところでブログなんてやっている。何なんだろう、世間から隔絶された隠者のような暮らしを望んでいるくせに、少しくらいはその世間様に自分の文章を読んでもらいたいという、この矛盾した気持ち。この矛盾は、長州人ならではモノだったのか。
     議論好きなのも、少しは頷ける。この、私の色気のない文体をご覧頂ければお分かりのように、議論好きな匂いがプンプンするではないか。いつもいつも堅苦しいことばかり考えているわけではないのだが、「硬軟併せ持つ」というか、「硬」と「軟」とを、時と場合に応じて、かなり明確に使い分けているということは云えるかもしれない。

     逆に、文中の「語調がいつも殺気立っている」という指摘は、実際のところどうかなぁと感じるのだ。

     著者が、山口県のどの地方の言葉を参考にしたのかは分からないが、山口の言葉は、全体としては、柔らかい語調なのではないかと思う。
    「のんたの精神」という言葉が一時期標榜された記憶があるが、おじいちゃん・おばあちゃん世代か、それより上の世代の長州人は、よく言葉尻に「のんた」という語をつけたものである。この「のんた」は「ねぇ、あなた」のつづまった形であると云われている。
    「今日はいい天気ですのんた」「そうですのんた」という風に使われる。常に、相手の意向や反応を気遣いながら会話を進めていくのである。「のんた」は、残念ながら若い世代で使う人は殆ど見受けられなくなったものの、他者との関係を良好に維持しつつ、柔軟に物事を進めていこうとする長州人の気質は、依然、受け継がれているのではないかと考える。

     本書は、自分の出身県が一体どのような歴史を経験してきたのか、あるいは、出身県のどのような地形・風土が、その県民性を育ててきたのかを振り返るのに、丁度よい読み物となっている。無論、著者自身の主観や、使用する資料の偏りなども入っている可能性はあるので、そのあたりを考慮して読む必要はあるけれども、自分の性格と照らし合わせながら、楽しむことが出来る本である。

     わたしはこれを、仕事やプライベートで人と接するときに役立てよう!なんていう考えで購入したにもかかわらず、結局、隠者じみた生活を始めてしまい、他人に会うことすら稀になった。このまま、こんな生活が続けば、しまいには羽化登仙して、都道府県なんてまるで関係ない、一個の小さな壺の中で暮らし始めることになりかねない。「宝の持ち腐れ」ということわざを、初めて実感した本でもある。

  • 「岩中祥史」の『出身県でわかる人の性格―県民性の研究―』を読みました。

    『広島学』に続き「岩中祥史」作品です。

    -----story-------------
    日本に日本人はいない。
    ただ、京都人や新潟県人がいるだけだ! 
    狭い日本ながら四十七都道府県人の性向は、外国人同士さながらにさまざま。
    ウケばかり狙うあなたの上司は大阪人で、頑固で怒りっぽい隣家のおばさんは佐賀県人ではありませんか? 
    そんな、周囲の人々のことがよくわかる一冊。
    各種の資料統計を元に独自の見聞と分析を加え、そして少々の偏見をまじえた県別雑学の決定版。
    -----------------------

    本書に収録されている内容は以下の通り。
    都道府県別に県民性が独自に分析してあります。

     プロローグ――県民性を知れば、人間関係がもっと楽しくなる

     北海道・東北
      北海道
       相手かまわず思ったことを口にする
       大陸的なアバウトさ
      青森県
       強情っ張りで意地っ張り
       摩擦が多く世渡り下手の津軽人
      岩手県
       牛のように寡黙でとっつきにくい
       素朴でまじめが持ち味
      宮城県
       好奇心旺盛な目立ちたがり屋
       あきらめの早い都会人
      秋田県
       江戸時代以来のバブル気質
       美人と温泉は出ても大人物が出ない
      山形県
       粘り強さは“おしん”そのもの
       野暮で誠実なお人好し
      福島県
       情に厚く正義感が強い
      思い込んだら頑固一徹

     関東
      茨城県
       無愛想で理屈っぽい
       むかし水戸っぽ、いま首都圏の“極北”
      栃木県
       本心を見せず淡々とクール
       「おとなしく目立たず」が信条
      群馬県
       クルマ好きで知られる上州人
       新しいもの好きで義理人情に厚い
      埼玉県
       東京と隣り合う悲劇
       もとは農民だからまじめで保守的
      千葉県
       南京豆と潮干狩りの国
       モラルに無頓着、マナーが悪い
      東京都
       タフでなければ住みづらい
       地方人の巨大な集合体
      神奈川県
       人あたりはいたってソフト
       相手によって手のひらを返す

     中部
      新潟県
       豪雪との格闘でつちかわれた愚直なまでの粘り強さ
      富山県
       抜け目なく勤勉
       加賀の搾取を耐え抜いた向上心
      石川県
       穏やかで文化的な暮らしを好むが決断力や気概に欠ける
      福井県
       保守的で争いごとが嫌い
       目端がきいて商売上手
      山梨県
       人のつながりや上下関係を重んじお金への執着が強い
      長野県
       理屈っぽくて議論好き
       四角四面でまじめ一本やり
      岐阜県
       「ま、いいか」を信条に騒がず動かず
       実直で勤勉な人生
      静岡県
       優柔不断は日本人の平均像
       おっとり型の駿河人と精力的な遠州人
      愛知県
       モノが大事で、権威に弱い
       「大いなる田舎」に甘んじる人々

     近畿
      三重県
       名古屋と関西に引き裂かれて生きるお人好しののんびり屋
      滋賀県
       先見性があり実直
       ただし県内では力が発揮されず
      京都府
       揺るぎない「都人」のプライド
       千年の都会は排他的
      大阪府
       他人と快適に過ごしたいから笑いと本音で楽に生きる
      兵庫県
       人あたりはいいが風見鶏の瀬戸内
       忍耐強く根クラな日本海側
      奈良県
       日本のポルトガル人はのんびり屋
       あくせくとは無縁で、おとなしい
      和歌山県
       紀南は素朴で情熱的
       紀北は徳川由来の勤倹貯蓄

     中国・四国
      鳥取県
       全国一の少数県民は忍耐強く引っ込み思案な“東北人気質”
      島根県
       「暗い」山陰の代表格
       勤勉だが保守的・排他的
      岡山県
       自己主張が強く、機を見るに敏
       気質は多分に関西的
      広島県
       『仁義なき戦い』とは裏腹の何ごとにもクールな気質
      山口県
       長州あっての日本というプライド
       自己顕示が激しくて議論好き
      徳島県
       質素倹約の日常が阿波踊りで爆発
       もともとの気質は開けっぴろげ
      香川県
       人づきあいがよく、新しいもの好き
       忍耐力がなく大人物が少ない
      愛媛県
       野球拳発祥の地の住人は楽天的でおっちょこちょい
      高知県
       反骨精神旺盛で体をこわすほど酒を飲む

     九州・沖縄
      福岡県
       遊びに金を惜しまない
       新しいもの好きのお祭り気質
      佐賀県
       偏屈で融通がきかない
       反体制や“出る杭”を嫌う
      長崎県
       あくせくを嫌い、趣味を楽しむ
       伝統を重んじ倫理観が強い
      熊本県
       「オレがオレが」とでしゃばる
       情にもろく義理堅い
      大分県
       協調性がなく個人主義
       九州では異端の気風
      宮崎県
       おとなしく消極的
       あきらめが早く、なりゆきまかせ
      鹿児島県
       理屈よりも行動
       お世辞がいえず無愛想
      沖縄県
       シャイで引っ込み思案
       ストレスとは無縁の暮らし向き

     文庫版あとがき
     参考文献
     解説 太田和彦



    これまで住んだことのある、広島県、東京都、岡山県、千葉県、島根県は、特に興味を持って読んでしまいましたね。

    まぁ… 実際は、一人ひとりそれぞれ、十人十色なので、一概にこの傾向に当てはまっているわけじゃないとは理解していますが、、、

    読んでいると、そうだなぁ… と思わせられることも多々ありました。


    ステレオタイプでモノを見るのは、いけないなぁ… とは思いますが、風土や地理的条件が性格に及ぼす影響って、あると思うんですよね。

    ネタとして、知識に蓄えておくのには良いかもしれませんね。

  • 資料ID: C0028059
    配架場所: 本館2F文庫書架

  • 図書館にて。<br>
    島根県はけっこうズタボロでした。当たってたり当たってなかったり。<br>
    個人差と言ってしまえばそこまで

  • おもろい.[070625-a]

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著者プロフィール

1950年生まれ。愛知県立明和高校から東京大学文学部へ。卒業後、出版社勤務を経て編集企画会社エディットハウスを設立し、出版プロデューサー、ノンフィクションライターとして活躍。著書に『新・出身県でわかる人の性格』『新・不思議の国の信州人』『日本全国都市の通信簿』『名古屋学』『博多学』『札幌学』『広島学』『鹿児島学』『「城下町」の人間学』『語源に隠れた世界の歴史』ほか多数。

「2016年 『「いい夫婦」の旅術』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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