広島学 (新潮文庫)

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著者 : 岩中祥史
  • 新潮社 (2011年5月28日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (380ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101260259

広島学 (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 「カープは日本一じゃ!!」「5月までじゃけどのう・・」 今年も表紙の通りになってしまった。
    広島と言えば、カープとお好み焼きと市電。宮島と原爆ドーム、平和公園。以上! 最近はそれにサンフレッチェかな。カープよりも点は取る。取られもするけど、

    著者は「名古屋の品格」「博多学」「札幌学」など、地方学の〈権威〉。調べているうに、書いているうちにその地域をたまらなく愛していく・・・・そんな心性の持ち主らしく、まあ広島への愛情に満ちている。とりあえずの県民だけど、こんなふうに書かれると、他県の人にちょっと自慢もしたくなる。他県出身で今たまたま広島に住んでいる人に最適の本と言えるだろう。地元に帰って、広島を自慢して欲しいものである。

    それにしても、カープは広島の誇り。カープのおかげで(最近はサンフレッチェも)、広島県人同士は世界中のどこで出会っても、すぐにカープの話題で打ち解けられる・・・・そんな様子をいつも羨ましく思っていた、とファジアーノ岡山の社長がある講演会で話したのを聞いたことがある。岡山のファジアーノをそんなチームにするんだ、と言っておられた。広島はもうそんなチームを持っている。幸せなことだと思った。

  • 広島人のあるあるがたくさん。歴史を踏まえて今の県民性があるようだ。

  • 広島人としては複雑な気持ちになる本。なんとなく、5行に一回はバカにされてる気持ちになる。あと、所々論理破綻があって、納得できないところも。もっと深い考察があると、広島人でも頭に来ないで読めたのかなーなんて(笑

  • 名古屋,博多,札幌と地方都市の文化を調べ,著してきた著者による広島についての地方学である。
    広島に40年近く住んでいる私にとっては,半分以上は当然と言うか,知っている内容であるが,内容によっては知らなかったものもあり,自分の生まれ育った土地を詳しく知るにはよい本であった。
    広島市内にはヒロデンというチンチン電車が走っているが,原爆で街が壊滅後,3日後には部分的に運転が再開したという。たしかに,原爆で廃墟とかした市内を,原爆前と同じように走る電車を見て,人々はどれほど有機付けられたことだろう。他の地方路面電車が廃止される中,広島の路面電車が残ったのは,ひとつに,ヒロデンが民間企業だったことによる。昭和40年代に次々と廃止された路面電車のほとんどは公営だった。
    広島という地名が歴史に出てくるのは,1589年に毛利輝元が築城工事を命じたときが最初である。地名の言われは,毛利家の祖先である,大江広元の”広”と広島城の普請奉行の福島元長の”島”をとったといわれるのが一般的。
    毛利氏は関ヶ原の戦いで西軍の総大将として担ぎ上げられ,敗北する。戦後はそれまでの9カ国120万石から2カ国36万9000石になってしまった。ここまでいっきに石高が減ると全ての家臣を引き連れていくわけいにはいかない。そのため,長州に移り,知行も扶持ももらえず,農民になった家臣も多かったのである。幕末の長州藩士は階級や身分と関係なく,とにかく結束が強かったと言う。武士も農民も承認も,もとはといえば毛利家のけらいだったという意識を忘れずにいたからだ。高杉晋作が組織した奇兵隊についても,『もとはと言えば安芸で同根だった』という百姓・町人の意識が新藩軍であるこの組織に志願させた,と司馬遼太郎も街道をゆくで記している。
    その毛利は長州に下り,明治維新では広島は薩長に遅れをとった。そんな広島に大きなスポットがあたり始めるのが,明治27年の日清戦争からである。明治初期は士族の乱が全国的に火を噴いたが,中国・四国を管轄する広島鎮台がその鎮圧に大きな役割を果たす。全国に6つあった鎮台に代わり,明治21年に陸軍師団がおかれる。広島は第5師団司令部がおかれた。この時期の広島県令(今の県知事)が元薩摩藩士の千田貞暁である。そういえば,宇品の千田公園内に銅像があり,妻の買い物途中に何度か子供と遊んだ覚えがある。千田は港湾の整備や道路改修を進めたり,宇品島と皆実新開の間を埋め立て,宇品を陸続きにするなどした。
    広島は戦時中,空襲を受けなかったが,これについては,原爆がどれほどの威力を持つのか様々な角度から確かめたかったのではないかという説がある。その他全国にある軍都と呼ばれるところは空襲を受けている。実際に日本の降伏を求めるのなら,東京や大阪でもよかったはずなのに,なぜ広島だったのか。大田川の河口にある広島は,人体や自然環境などに対する影響を総合的に検証するにはもってこいの地形だったと言え,それまで一度も空襲を行わなかったのは,元の状態を維持するためだったという。
    広島の地名は各地にあることも知られる。ポツダム会談に出席したかつてのアメリカ大統領トルーマンの宿舎として使われた建物の前にある広場は広島プラッツ(広場)と呼ばれているし,これだけでなく,ドイツ国内には,太平洋戦争への反省を込めて,ヒロシマの名を付けた施設・場所がいくつかある。激しい空襲にあったドルトムント中心の公園はヒロシマ広場だし,ニュルンベルク,ケルン,オーバーハウゼンの各都市にも,ヒロシマ広場やヒロシマ通りなどがある。ドイツ以外にもロシアの旧スターリングラードにはヒロシマ通り,スペインのアランフェス市には広島平和記念大通り,ローマにヒロシマ・ナガサキ通りなどがある。それだけ,ヒロシマという言葉には”平和記念”たる意味が込められており,日本人が感じる以上の感覚でヒロシマを使っているように思われる。
    広島から海外に移住したいった人が多いのも特徴だ。これは,広島の農耕地が非常に少ないというのが関係している。自前の土地だけでは十分な食い扶持を稼ぐことが出来なかったのである。移民・出稼ぎが多かったのは,それに加え,浄土真宗の影響も大きかったのではと言われる。安芸の国では間引きをしなかったと龍谷大学の学長の言にある。殺生を厳しく戒めるといった安芸門徒の考えが間引きをしないという暮らしにつながり人口過剰を招いたといっている。そんな広島の人々がハワイなどのサトウキビ農園で作業に励むが,熱帯の炎天下での作業は過酷だっただろう。だけども,広島出身者は常に明るく振舞ったという。肉体的にも精神的にもタフであり,このあたりにも来世をことのほか重視する安芸門徒らしさがうかがえる。
    広島のイベントとしてフラワーフェスティバルがあるが,これは,昭和50年にカープが初優勝を果たし,それを祝うパレードが平和大通りであった。これを見ようと40万人もの市民が沿道を埋め尽くした。そこで地元の商工会が中心となり,これを機に全市民が参加できる祭りをということで2年後からはじまったという。
    広島は原爆により一切を失ってしまったという事情があるが,広島人特有の前へ・外へというエネルギーが現在の広島県を形作っているのだ。

  • カープの熱狂的ファンで、生涯ベスト映画は「仁義なき戦い」で、B&Bの「もみじまんじゅう」でお笑いに目覚め、奈良より宮島の鹿の方がかわいく見え、一番の衝撃ヌードは小原靖子だった私にとって広島は一番好きな街。いいところ悪いところあるが、ずっとらしさを失わないでほしい。

  • 広島が先進的な人が多いのは発見。広島に住んだことがない人が、広島県人をどうのこうの言うのもどうかと。2016.11.20

  • 広島は、一度仕事でいったきりだな。

  • あるある物かと思って手に取ったのだが、もっとまじめな内容だった。

  • こういう本はローカルな固有名詞が出てくるし、他の地方の人が読んでも面白くないんちゃうかなって思うけど、広島に二年半すんでいた私には、すごく面白かった。
    作者も広島出身じゃなくて、客観的に書かれてるから、そうそう!って思うことも多々。
    もうお好み焼きは関西風じゃなくて広島風の方が好きやし、「むさし」のむすびや元気うどんを食べたいし、すっかりカープファンになってしまっているので、広島のことは嫌いじゃないけど住んでいる間、不満に感じていたことを「広島の弱点はここだ!」は、文字にしてくれている。
    中国地方一ということに満足せず、もっともっと発展していって欲しい。

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広島学 (新潮文庫)の作品紹介

瀬戸内のおだやかな気候にめぐまれながら、赤ヘル軍団の応援となると、なぜかくまで彼らは熱くなるのか?消費、健康など各種の統計では、日本人の平均像ともされる広島人だが、やはり独特の気風と慣習が、あの熱を育んでいた。世界遺産・原爆ドームやお好み焼き、ヤクザ、チンチン電車だけではない100万都市の奥の奥。地理、歴史から観光まで、知られざる広島に迫る薀蓄、蘊奥の一冊。

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