風流冷飯伝 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
3.60
  • (17)
  • (29)
  • (56)
  • (1)
  • (0)
本棚登録 : 219
感想 : 25
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (351ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101265315

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • シリーズの一作目との事。
    軽く読めますが、お色気満載です(f^^)

  • まず出だしがうまい。
    江戸からきた幇間一八の目線で、読者とともにこの
    ケッタイな風見藩を歩き、奇習や個性的な登場人物
    たちと出会う。その自然な流れ。
    その後の展開も謎ってほどではなくても、一八と
    同様、「かかわっちゃったんだからしょうがない!」
    と思わせるうまさ。
    随所に「くくく」と笑わせる文章あり、一方で冷や飯
    達の哀しさを滲ませたり、とにかくデビュー作とは
    思えない。
    最後にはすっかり風見藩にいたくなる気分。

    続編の退屈姫君伝と合わせて、明るい気分になりたい
    時に絶好の本です。

  • 全1巻。
    退屈姫君伝の著者1作目。
    退屈姫君伝と別物だけど、
    退屈姫君伝につながってる。
    退屈姫君伝のちょっと前の話。
    退屈姫君伝の2巻め読もうとしたら、
    冒頭で、こっちを先に読んだ方がって書いてたので読んでみる。

    「退屈姫君伝」
    http://booklog.jp/users/bullman/archives/1/4101265321

    のんびり不思議な小さな藩の
    のんびりクセのある次男坊(冷や飯食い)が
    のんびりのほほん事件解決。

    退屈姫君伝より好き。
    話の完成度も高い気がする。
    少し爽やかな青春小説のにおいもする。

    ただ、惜しむらくは脇役のキャラ立ちが甘い。
    せっかくズッコケ3人組なメンツなのに
    主人公以外の2人が影がうすい。
    在り方が妙なだけで、
    キャラとして魅力的というにはちょっと足りない感じ。
    3人の活躍が見たかった。

    退屈姫君伝より前の、プロローグ的なお話だけど、
    退屈姫君伝読んでからの方が面白いかも。

  • 文章が「ですます」で独特の優しい語り口調。江戸の幇間が、奇妙なしきたりだらけの香川の風見藩で出会った旗本
    次男坊(=冷や飯食い)と出会うのんびりストーリー。

    時代物に珍しくのんびりのほほんとしたお話。
    登場人物達がみんな憎めなくて、風見藩に行ってみたくなる。

  • 2011-79 最初の巻を最後に読んだが違和感なし。面白かった。最終巻のみが異様に暗い話し、後はほのぼの明るく読める

  • 前に読んだ「退屈姫君伝」の続編。
    時系列で言えば少し前になるのでしょうか。

    幇間の一八がやってきた讃岐の小藩風見藩にはさまざまな奇妙なしきたりがありいろいろととまどわされます。
    一八が知り合った冷飯(家督を継げない武家の息子)たちもまた風変わりにお気楽な連中で彼らと付き合っていくうちに一八はここにやってきた本来の目的を忘れてしまいそうになるのです。
    そして藩の存亡をかけて冷飯たちの闘いが始まる(かもしれない)。

    大崎善生・解説。

    (2006年05月28日読了)

  • 「~伝」三部作の一作目。
    冷飯とは江戸時代の、跡取りでない息子のこと。
    部屋住みのまま、どこかの婿に入れなければ、結婚もままならない。
    お江戸の幇間(たいこもち)一八が、なぜか風見藩をうろうろ。
    実は忍びの家系で後に出てくるお仙の兄。幕府隠密の手先として、ある使命を担っていたのだが…
    桜色の羽織という派手な格好で、道行く人に白い目で見られる。
    じつは道を歩くにも妙な規則があり、それを破っているよそ者への視線だったのだ。
    小さな藩だが先々代の藩主がなかなかに曲者で、独特なやり方をして、幕府と知恵比べをしていた。
    田沼意次は、取りつぶしのチャンスを狙っているのだが…?
    たまたま知り合った冷飯・飛旗数馬としだいに仲良くなった一八。
    気のいい数馬は暇そうに藩内を練り歩き、釣りをしている友達に声を掛ける。そこにも冷飯ならではのやり方が…時間をつぶしつつ、殺生は最小限に抑えていたのだ。
    数馬の家の主は双子の兄。兄か弟かで運命の分かれる時代、じつはときどき交代で仕事に出ているという呑気な状態。
    ある日、降って湧いたように、将棋所を設けると命が出たため、仕事に就くチャンスと冷飯は将棋盤を求めてたけりたつ騒動に。
    将棋名人を探すのを手伝う一八。
    とある理由で長男は将棋をしてはいけないというお達しがあったため、将棋が出来る人間が少ない藩だったのだ。
    名人といえば神波剣四郎が有名だったが、美形の若者・榊原拓磨が思いがけない才能を見せる。
    将棋の強い一八は試合を見守り、そして…?
    藩の事情を探りつつ、世間知らずで困っている人に力を貸して人助けをしながら、さて一八の使命は達成できるのか?
    講談調で面白おかしく語られます。
    あまり品はないけど、笑えてほのぼのした展開。

  • 暇つぶしに読んでみた。「退屈姫君」シリーズの人。で、たぶんそのお姫様が嫁いだ小藩だったと思う。確か風見藩とかいう名前だったような。
    とにかく風見藩ってーのは、変な決まりごとが多い藩。長男は将棋は指すな、囲碁は打つな。男は左回り、女は右回りに城の周りの道を歩け、と。
    市民もはやだれも気にしてなくてのんびりした藩でいいなぁ。
    その風変わりな決まりごとを定先々代藩主が、どうやら将軍様とお約束したらしい?将棋勝負。
    マジでかるーく読む小説だった。本当に軽快なノリ。いい暇潰しになった。

  • お仙の兄・一八が主人公。三部作の第一弾がこれなんだよね。
    先々代藩主が作った奇妙な決まりに縛られながらも、楽しく生きる風見藩の町民や冷飯たち。
    任務を終えた一八も、江戸に帰らずに理由をつけて居座ってたね。意外と居心地がいいのかも。

全25件中 1 - 10件を表示

米村圭伍の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×