九月の四分の一 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101265711

感想・レビュー・書評

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  • 豊島のサミット(BOOKS GORO)見つけて、「まだ読んでいない大崎作品あったか!」とテンション上がったのを思い出す。

  • 題名も中身も美しい。石田衣良の書評では「美声」とされているが、まさにそんな感じ。文体とは違う、底を流れる静けさがあるように感じた。

  • 切ない。

    けど好き。フランス行きたくなった。

  • とても良かった。収録されている4作品どれも良かった。1作品目、報われざるエリシオのために、が印象に残っている。頼子の変わった性癖もさることながら、無意味なことをただひたすらに行うことの意味について、人生の敷かれたレールをひたすら邁進して自滅していく人間を側で語ることにより一層引き立っている印象。言語化できないけれど。。
    「悲しくて翼もなくて」は余命宣告を受けた少女と音楽というありきたりな?設定だけど、その歌声が臨場感がありそこに生命を感じることができとても良かった。
    最後「九月の四分の一」は、奈緒の残したメッセージの意味を最後に知る主人公の心のうちというか徐々に鼓動が高鳴るような感覚を肌で感じられてよかった。

  • なんらか挫折を抱える男性が、今は居ない女性を回顧しながら自分をみつめる短編集。建築物の歴史とか、彫刻とかの背景情報にインスピレーションを受けて書かれてるのかなと思う。ヨーロッパの風景とか、70年代の洋楽がポイントポイントででてくる。街並みとか、雰囲気とか、曲を知ってれば、書かれてる情景とマッチして、あーなるほどなとは思える。著者の体験とか、知識に共感を求められてる気がする。

  • (石田衣良の書評を借りるなら)大崎善生の美声は土曜日の朝に聞きたくなるような声色。
    きらきらと鉱物質の輝きを放っている。

    「私って、あなたにとって…何キリンなの?」
    はこの声質でしか響かせられないと思う。(ケンジントンに捧げる花束)


    表題作の『九月の四分の一』について。

    生活や自己に焦燥を感じているとき、旅や広場、そこに広がる空間(あるいは時間)を必要とする。

    目的も設計図もない、その空間を時制的に振り返ったとき、本当にそんな空間があったのだろうかと不安になるかもしれない。
    でも残像が残ってさえいれば現在に影響をし続ける。

  • うん。素敵。

    きっと人生は失ったり諦めたりの連続で、
    そんなことが積み重なり、結果的に円熟されていくものなのでしょう。

  • かけがえのないものを包み込むような小説。

  • 2006/2/28 , 2006/8/21 read up

  • 九年前の読書記録 http://blog.livedoor.jp/chokusuna0210/archives/51529824.html に触発され、報われざるエリシオのために、のみ再読。やはり同じ箇所に打たれるし、ある種の痛ましさと羨望を覚える。

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著者プロフィール

1957年、札幌市生まれ。大学卒業後、日本将棋連盟に入り、「将棋世界」編集長などを務める。2000年、『聖の青春』で新潮学芸賞、翌年、『将棋の子』で講談社ノンフィクション賞を受賞。さらには、初めての小説作品となる『パイロットフィッシュ』で吉川英治文学新人賞を受賞。

「2019年 『いつかの夏 名古屋闇サイト殺人事件』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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