- Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101265711
感想・レビュー・書評
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心の根源に、説明することも飼いならす事もできない悲しみの塊がある……。
故郷の湖のほとりで、1億年前に死んでいった恐竜に向かって悲しく雄々しく叫んだ少女。
彼女の残した1曲のバラードに今も耳を澄まし続け、青春の幻影を追う40歳を過ぎた男性。
ヨーロッパの物憂い空のような空気感に満ちた、しかし鮮明な言葉で綴られる、過ぎ去った若い日の切なく美しい出会いと別れ。
そして新しい人生への旅立ち。
ビートルズ、ローリング・ストーンズ、レッド・ツェッペリン、そしてアバ。
60~70年代を代表するロックグループのナンバーをバックに綴られる4つの物語。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
大崎善生氏らしさのつまった4編の短編集。
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相変わらず綺麗な文章。
短編集です。
全ての通貨としてキリンを基盤として
動物は流通されているという
動物園で過ごした時間の中での二人の冗談話があり
終盤にでた
「あたしはあなたにとっての何キリン?」
という質問があんまりにもかっこよくて。 -
どれもハッピィじゃないんだけど
あったかい空気。
先週箱根に行って
登山電車に乗ってきたこともあり
(電車楽しかった!)
景色が浮かんでとても満足。 -
ケンジントンに花束を
九月の四分の一 -
テーマとなる曲を聴いてもう一度読み直したい。ドイツイエローとの繋がりもあって、両者の立場を味わえることができる
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「報われざるエリシオのために」「ケンジントンに捧げる花束」「悲しくて翼もなくて」「九月の四分の一」の4編からなる男性視点でかかれた恋愛短編集。
どのタイトルも美しく、大崎さん「声」の美しさと恋愛の何ともいえない男女のミリ単位のズレの切なさが深い余韻を残してくれる。 -
40歳ぐらいの男性が過去と語り合う短編集。
大崎氏らしい静謐な作品ですが、情景描写がやや過剰であり、心理描写は感傷的すぎる印象。
熱帯魚のシリーズの方が好きです。 -
大崎善生の透明感のある世界。この方の小説、本当に好き。
読んでいる間ずっと切ないのに、苦しいほどなのに、読了後はそれを引きずらないのは、表現が聡明だからだ。