父という余分なもの: サルに探る文明の起源 (新潮文庫)

  • 91人登録
  • 3.50評価
    • (2)
    • (6)
    • (9)
    • (1)
    • (0)
  • 6レビュー
著者 : 山極寿一
  • 新潮社 (2015年1月28日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (325ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101265919

父という余分なもの: サルに探る文明の起源 (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

並び替え:

表示形式:

表示件数:

  • 単行本の文庫化だが、巻末の鷲田清一氏の解説にこんな記述がある。ゴリラは「人間になれなかった動物」ではなく、「人間よりも、ある方向に進みすぎてしまった動物」という山極寿一氏の言葉を引用している。ゴリラの家にホームステイした霊長類学者・山極氏の言葉だけに、心にグサっと突き刺さる言葉だ。家族制も含めた人間社会の進化(と、退化?)の謎が解き明かされるような本で、現京大総長の警鐘を申年に因んで紹介してみた。チンパンジーと同じくヒト科に属するゴリラは、遺伝的にサルより人類に近いのだ。

  • ゴリラの優しさ、素晴らしさを強調するだけの本ではない。著者の思いの矛先はゴリラの延長線上の人間社会に向いている。許容力のない社会が可塑性のない、取り返しのつかない方向へ進んでいるのかもしれない。ゴリラの調査に長年従事してきた視点からの指摘は客観的かつ根本的なものだった。

  • 性と食という観点から,ヒトの起源を人類学的に追究する.過去を探ることで現在を見るのみならず,未来のヒトの有り様を模索する内容には考えさせられる.一体僕とは何なのだろうか.

  • ゴリラの研究で知られる著者の論文集?
    父性という、生存と遺伝子伝達には不必要なものを、人間がなぜ獲得したのかを、ゴリラのフィールドワークから得たデータをもとに推察したもの。
    私の読み方が悪かったのか、知識不足によるものか、いまいち結論が見えにくかった。最後に付いている対談とあとがきで、説明されているものの、前半は、これまでの研究成果、論文を羅列しただけに思えた。
    ただ、内容は興味深く、人間のコミュニケーションや言葉の習得など、派生していろいろ知りたいと思わせるものだった。

  • らエディプスコンプレックス フロイト 事実、多くの動物達は父親がいなくても差し支えのない社会生活を営んでいる 一夫一婦いっぷいっぷ 萌芽ほうが 近親相姦インセスト回避の傾向 人類の父親は類人猿から引き継いだ特徴を契約によって補強した文化的な存在である 文化の自然に対する優越が始まる ボノボは、人類の祖先より後にチンパンジーから分岐した類人猿 ダーウィンの進化論 鏡の国のアリス チェスの駒 オリバーくん鑑定結果はチンパンジー ニッチェ 人間は他者になることによって初めて自分になる 人間の能力としてのシャーマニズム憑依 自分から離れて他人になることが、一種の快楽になる 他人と自分の障壁を故意に取ってしまうわけです。それによって精神的なトリップとして、一種の快楽の領域が入っていくる。 相手の気持ちを自分の中に取り込むことで一体化してしまう。或いは自分が相手の中に入ってしまう。 アメリカ的な身振りや雰囲気を身につくてくる フレキシビリティ 憑依というものを通して、自分を変えてしまうことができる。 視野の長期・短期で、"strategy"(戦略)と"tactics"(戦術)を使い分けるひともいる。
    異邦人に惹かれる 旅というのは、性的な要素を抜きに考えられない 強烈な指摘 旅には、もともと繁殖の問題がベースとしてあった 混血していく傾向を持った動物 パーソナリティー=人格 つまり「これはウソです」という感じでやるわけです。演劇とはそういうものです。つまりウソだけど本当というものですね。 レジリエンス=精神的回復力 答えにきゅう窮する ゴリラのように泰然自若たいぜんじじゃく 山極寿一やまぎわじゅいち フィールドワーカーの矜持 可塑性- 固体に外力を加えて変形させ、力を取り去っても もとに戻らない性質。 コノテーション=内包
    人間の社会はそもそも効率化を目指して組立てられたわけではない。むしろ、頭でっかちで成長の遅い子供をたっぷりと時間をかけて育てるという、効率化とは逆の方向で作られたのである。そこに人間の豊かさと幸福が宿る。古き時代に戻ろうというのではない。人類の進化を突き動かしてきた舵を見失ってはいけないということが言いたいのである。

全6件中 1 - 6件を表示

山極寿一の作品

父という余分なもの: サルに探る文明の起源 (新潮文庫)を本棚に「いま読んでる」で登録しているひと

父という余分なもの: サルに探る文明の起源 (新潮文庫)を本棚に「読み終わった」で登録しているひと

父という余分なもの: サルに探る文明の起源 (新潮文庫)を本棚に「積読」で登録しているひと

父という余分なもの: サルに探る文明の起源 (新潮文庫)の作品紹介

人類の歩みは「父」の創造から始まった――ゴリラ研究の第一人者が、丹念なフィールドワークと深い洞察に基づいて、人類に備わる特性のルーツに迫る。なぜヒトは家族で暮らすのか、父親の存在とは何か。恋愛、同性愛、遊び、食事……。コンゴの森に分け入り、野生のゴリラと触れ合って研究を続ける霊長類学者が、「父性」を手がかりにヒトの社会を考察する。発見に満ちた文明論!

父という余分なもの: サルに探る文明の起源 (新潮文庫)はこんな本です

ツイートする