母性 (新潮文庫)

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著者 : 湊かなえ
  • 新潮社 (2015年6月26日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (359ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101267715

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母性 (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

  • 湊かなえさんの本だわぁ~!!
    読み始めてすぐにそう感じました。

    母性って…
    本文中に辞書によるとと書かれていたのが
    ”女性が、自分の生んだ子を守り育てようとする、母親としての本能的性質”
    うん、うん、そうでしょ~。
    「母性とは?」と問われるとほとんどの人がそう答えるんじゃないの?と思ってしまう。

    登場人物が母と娘というのはもちろんですが、この二人はずっと”母”と”娘”として登場します。
    他の登場人物にはちゃんと名前があるのに。
    主人公の二人が、〇子などの名前をもつ特定の人ではなく、”母”であり”娘”であることが、この本の大切な部分なのだと思うのです。

    ラストで二人の名前が出てきます。
    そこで初めて二人は”娘の母”と”母の娘”になったような気がしています。

  • 主要人物の各々の気持ち、考えを表しながら
    やがて想いが。。

  • 女子高生が住宅の中庭で倒れているところを発見されたという記事で幕開け。事故か自殺か。母親は「愛能う(あたう)限り大切に育ててきた娘がこんなことになるなんて」とコメント。以降、「母の手記」と「娘の回想」がそれぞれの一人称で交互に語られます。いったいどういう結末に落ち着くのかが気になって、先へ先へと読み進めることになりますが、あとがきで蔦屋書店の方がおっしゃっているとおり、とにかく語り手が信用ならず、不愉快な思いが拭えません。ものすごくできた人間であることを自分でアピールしている母親。なのに娘は虐待を受けているのではないかと感じさせる部分もいくつか。嫁いびりに精を出す姑と小姑の存在も不愉快で、そのまま最後までまっしぐら。が、本作に関してはこの不愉快さが面白い。母性とは何かをしばし考え込んでしまいました。最後まで読み、最初の頁に戻ってしばし呆然。もしかすると思いきり騙されていたのかも。

  • 衝撃作!一気読み。
    湊かなえさんってやっぱりすこまいと思った。

    最後の最後でこう繋がってくるんだというすっきり感というか納得感。
    りっちゃんってあの律子さんのことか。ヒデって英紀のこと。そして何故それが分かるのか…。

    母親の歪んだ愛情。母は母で一所懸命娘を愛していたのかもしれないが、それが娘に対しての愛なのか、娘を愛している母親自身を愛しているからなのか。

    結局、あなたは私が好きなんじゃなくて、私を愛してる自分が好きなんでましょ、って。

    分かるなぁと思いながら読んでた。

    あるいは、いつも「良い子」をしてしまう自分。
    「愛能う限り娘を大切に育ててきた」と答えたこの母親のように自分もなってしまうのかなという危惧も抱いたり。

    ハッピーエンディングという訳ではないけど、最後は穏やかに収まったのかなぁ。
    でも、母と娘の関係って難しいのかなぁ。
    なんて。

  • 母性云々より、イヤミス云々より、ただただサイコホラー。
    異常に純粋ないい人が、徐々に "異常" だけに傾いていくかんじにぞっとする。

  • 湊かなえサンのは毎回なんとなく警戒しながら読むw。

    「母性」ってなんだろうね。。。
    溢れる無償の愛?
    そんなに溢れてるもんかなぁ。

    子供を授かることが出来たなら、育て、社会に送り出すのに必死でw。
    その過程には、心身ともに犠牲にする部分もあるし、時間もお金も費やす。可愛いなーって思う時もあれば、鬱陶しいってなる時もあるわけで。
    常に慈しみ頭を撫でて抱きしめて・・・そうしないと「母性」じゃないのかしらねぇ。

    愛されてたかな?愛せてたかな?
    って疑問に思わないのは、愛されてないという不安が無かったってことかしら。
    (´ε`;)ウーン…自分自身はなんかサラ~っとした親子関係だったキガスルから、あまり共感は感じない内容でした。

    「母性」って、そんな神格化しないでイイんじゃないかしら。

    まぁ、感想がボンヤリしちゃったな。

  • 事故か自殺かという煽り文句つけといて『あ、それは関係ないんですよ!』はない。

  • 女の人が全員母性を持って生まれるわけではない、子供が可愛いと思う気持ちや育てたいと言う気持ちは子供が生まれてから養われるものであって生じるものではない、と言うことを第一のテーマ、さらに女性を母(母性を持ちやすい?子供を愛し守る人)と娘(母の加護の元にいたい人)にわけそれを壁にお互いを理解しあえない母娘の悲劇を第二のテーマとしていた。解説にもあったが、娘母どちらの精神が崩壊するスレスレの人物であるため、どちらの言っていることが正しいのか、どちらの目線に立って考えればいいのか悩ませる、しかしそれがミステリーとして非常に楽しい作品であった。印象的になったのが最後のほうのシーンで母は娘を抱きしめようと思って手を伸ばしたとあったが、娘からしてみればそれは自分の首を絞めるために伸ばした手とあった。これを見ていかにこの母娘がわかりあえていなかったのか、すれ違いがどれほど激しいものだったのかがわかり、自分としては娘の立場として、娘に非常に同情してしまった。また、親子と言えども他人同士がわかりあうことの難しさを改めて考えさせられた。

  • 伏線ぽいものがたいした伏線じゃなかったり、話の帰結が簡単すぎてストーリーにもう一捻りほしかったので星3つ。でも読みやすかったし話のキーとなる視点は面白かった。
    オードリー若林ほど(そして私ほど)自意識過剰じゃないにしても、社会で生きるうえで人間は他者との関わりで自分を見つめるものだと思うんですよ。つまりある程度相対的な存在として自分を見つめて、自分ってこんな感じでいいとか良くないとかって思うものではないかと思うのです。
    でも、母は子供に対していきなり絶対的な存在になる。これってすごく普通と違うのではと思うのです。
    ある時期まで他人の世界の中心に君臨するわけですよ。そして子供に絶対的な愛を求められるし、母は絶対的な愛を与える。これってすごいなと。こんな感じでいいかな、っていう遊びも少ないのではと。
    それって怖くない?と思うんだけど、でもそれが自然にできるのが母であり母性なのかなと思ったりします。
    で、この本に出てくる母と娘はまさにそこに問題(?)を抱えているわけです。なので視点は面白かった。
    この小説ほどドラマチックな設定にしなくても、もっと怖いストーリーはいっぱい書けそうな気が。

  • 母娘のねじれた話。
    何をするにも母親が全ての娘。我が子が産まれたからと言ってそこは変わることのない一直線な愛。
    湊さんと言えばの独白系。なれど侮れない。独白でも全て真実とは限らないのか。子どもからの語りの中で親になりきれてない親の異常さ無情さに輪郭がつく。かと言って子どもの方が真実とも限らないわけで。
    この家族を外側からの目線で描いていない分、孤独な不気味が闇を増す。
    今回も素晴らしくもやもやさせていただきました。

  • 最後まで読み終えて、ようやく全体像が見えてくる物語だった。
    「わたし」が語り手となって進む物語は、どこか歪つで不安定で、じんわりと侵食されていくような気持ち悪さが付きまとう。
    一番近いところにいるはずの母娘が、実は誰よりも遠い存在になっていく。
    近すぎるからこその拒絶や憎しみも、求め続け愛し続ける不毛な思いも、誰にも起こりうるものなのだろうか。
    母性とは何なのだろう。
    いつ母性は生まれ、どうやって育っていくのだろう。
    誰にもあって当たり前だと思われている「母性」という実体のないもの。
    あたたかなイメージしかなかった「母性」という言葉に、物語を読み終えてからは得体のしれない怖さも感じるようになってしまった。

  • はじめの数ページで母親の気持ち悪さにくらくらした。

    うまく解決するのかなあ、と思ったら
    母娘の共依存はそのままで、
    こういう人たちとリアルで関わり合いたくないなあとしか思えない。
    実際に存在するし、極めて近く接したこともあるが気が狂いそうになった。
    というか、狂っていたかもしれない。

    傍観者である教師はぶつ切りのような退場で、もう少しなんとかならんかったのかなあ……


    兎にも角にもこんな気色悪い人物を描ける作者のメンタルに脱帽する。

  • なーんかよーわからんうちに読み終わってたって感じやったなー
    印象に残らへんわ〜
    28/8/31

  • 小さい頃の母のため、母の笑顔のためといった考えから抜けきれずそのまま成長すると、こうなるのかと感じた。
    たしかに、自分も母の笑顔をみるために行動したことは数知れずだが、それもあくまで幼いころのみだった。
    もやもやと、するなにかを残した小説。

  • 母性とは何かを考えさせられました。
    母になりきれない母。母に依存してしまう母。悲しくすれ違う母娘に悲しくなります。
    でも読んで良かった。

  • 母と娘の手記が交互に展開され、物語が進みます。語り手の二人がいまいち信用できないため、懐疑的に読み進めていく感じです。結末でもう少しすっきりしたかったな、という読後感でした。

  • 今妊娠中で、湊かなえが好きなので、きっと嫌な結末なんだろうなぁと思いながらも手に取った。

    母性って女性なら誰しも普通に持ってる(自然と身に付く)ものだと思われてる気がするけど、私はすごく自信がない。
    子供は好きだけれど、欲しかったんだけど、きっと要らないと瞬間的に思ってしまうぐらい辛いこともあるんだろうし、現実は甘くないと覚悟してる。
    それに、私は自分が一番大事だから自分勝手だから、自分より大切に思って無償の愛を捧げられるのだろうか。

    私の母は私に無償の愛を与えてくれた。それは確信できる。
    いろんな愛の形があると思うけれど、なるべく思いが掛け違わないように私がうまく出来るかわからないけれど、私は自分の子供に幸せになってもらいたい。

  • いろんな女たちの「母性」が描かれていた。
    1ページめを開くと最後、もうラストを読み終えるまでページをめくる手が止められなくなる。

    この世にいる女性は2種類しかいない、母と娘である。という作中のフレーズの真意が読み進められるにつれて明らかにされていく。

    子を産めば、誰も等しく社会的には母になれる。
    私が我が子に抱くこの愛情は、別の視点からはどう映るのだろうか。
    母性についてふかくふかくふかく、考えさせられた。

    ただただ
    娘が母に愛されたい一心で、まるで親のように母をいろんな悲劇から守ろうとけなげに頑張る姿や
    自らの命を賭してでも、親離れが出来ない娘を一人の母として巣立たせようとしたルミ子の母の母性に心が震える思いがして涙した。
    それでもなお母親になるどころか、親を失った喪失感やさみしさを拭えず「母親」がいる娘に嫉妬するルミ子に恐怖を覚えた。後味がどこか悪いのはきっと彼女がそのことに一切気づかぬまま終わったからだと思う。

  • こわい。読み始めてすぐそう思った。私自身も母であり娘であるが、この語り手(私)の異常さに背筋がゾッとする、不気味だ。この(私)は、アダルトチルドレンなのかと思えば納得もできる。そうなるととても素晴らしい温かな母の子育てが間違っていたということになり それもいささか腑に落ちないが、突き詰めればそういうことになる。とにかく娘が気の毒で胸が痛い。最後の最後がハッピーエンドなのでホッとしたと同時に、あとがきを読んで納得。この不気味さは信用できない語り手によるものなのか。深い。湊かなえさすがだ。

  • 何がいけなかったのか、何故、母は娘を愛せなかったのか、主人公と一緒になって探したが、結局理由は見つけられなかった。おばあちゃんのことは理由としてあげるには些末すぎるし、そもそもおばあちゃんが亡くなる前からすでに愛はなかった。
    子供を産んでも母親になれない女性がいる。悪い人間というわけでもなく、生い立ちに問題があるわけでもなく、ただそういう機能がない。母性が本能に組み込まれていない。この本の母はそういう女性だったのだと思う。
    子供にとってはただただ理不尽で理解しがたいことだと思う。主人公の葛藤と悲しみが痛いほど伝わってきた。母も母に愛されたかった。主人公も母に愛されたかった。母性はあったりなかったりするのに、愛されたい欲求は等しく備わっているのが辛いところだと思う。
    最後には母を違う生き物だと割り切ったように感じた。母を愛している自分、母に愛されたい自分、しかし母には同じ愛が備わっていない。そのことを認めることでようやく抜け出せたのではないかと思う。
    湊さん作品の中で一番好きな一作。
    いつも、母と子が根底にある気がしていたが、この本で初めて内面を見た気がした。

  • 〈読了直後〉
    一気に読んだ。あぁ...結構重い。スッキリの逆。「私」が怖かった。相手のことを思っての言動が素晴らしいと陶酔しきっている。なんとも息苦しかった。随所に表れる、虚栄心、自己愛、責任転嫁を美徳とし、自分を正当化している生き方は、自分だけじゃなく家族も歪ませてしまうんだ。娘の回想で虐待していたことがわかった時、「私」の心の闇の深さにショックだった。ある種の気持ち悪さも含む恐怖が「私」にはある。

    娘の「わたし」は、母の「私」の影響を受けつつも、母に愛されたいという思いと「わたし」にはない人間らしい感情が描かれていて少し安堵した

    作品全体としての想像する色味はダーク系。全体的にモノクロのイメージだけど、炎、薔薇や桜のキーワードで彩度が加えられる、そんな感じ。「わたし」はバラ。炎って書かれてた気がするけど。これからを、歪まない愛で強く生きて欲しいってメッセージも含まれてるのかな。

  • 映画の「白ゆき姫殺人事件」(原作は未読)もそうだったけど、「嘘をつく語り手」って面白い手法だなあと思った。
    人間ってそうだよなあと。
    誰を信じて読むかで読み手側が受ける印象も変わってくるし。
    (結果、誰にも同調出来ないし否定もできないまま終わってしまって、もやっと感が拭えないけど)

  • 途中まで胸糞…しかし主人公が人間の強さを見せて暖かなハッピーエンド!と思ったものの、なんか同じ悲劇繰り返したら怖いなとも思わせられた。湊さんすごい。

  • 女子高生が自宅の中庭で倒れているのが発見された。
    母親は言葉を詰まらせる。
    「愛能う限り、大切に育ててきた娘がこんなことになるなんて。」

    世間は騒ぐ。
    これは事故か、自殺か。

    ・・・遡ること十一年前の台風の日、
    彼女たちを包んだ幸福は、突如奪い去られていた。

    母の手記と娘の回想が交錯し、浮かび上がる真相。
    これは事故か、それとも・・・。

    圧倒的に新しい「母と娘」を巡る物語。

    **************************************

    うちは、この作家の本で「告白」が大好き。
    今まで読んだ中で一番好きかもってぐらいよかった。

    「母性」も楽しみにしてたけど、「告白」とはまた違った、読んでる最中も読んだ後も考えさせられる内容。
    何なら、最後の解説でやっとわかるみたいな。

    母の手記と娘の回想が交互に出てきて、それは読みやすくて面白かった。

    母と娘がいて、娘が子供を産み母となり。
    子供を産んだ母は娘が一番大事かと思いきや、その母は親が一番大事で娘が一番ではなかった。

    複雑やけど、この本を読んで娘の強さに感動した。

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母性 (新潮文庫)の作品紹介

女子高生が自宅の庭で倒れているのが発見された。母親は言葉を詰まらせる。「愛能う限り、大切に育ててきた娘がこんなことになるなんて」。世間は騒ぐ。これは事故か、自殺か。……遡ること十一年前の台風の日、彼女たちを包んだ幸福は、突如奪い去られていた。母の手記と娘の回想が入り混じり、浮かび上がる真相。これは事故か、それとも――。圧倒的に新しい、「母と娘」を巡る物語。

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