豆の上で眠る (新潮文庫)

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著者 : 湊かなえ
  • 新潮社 (2017年6月28日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (367ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101267722

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豆の上で眠る (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

  • この題名は、どういう意味だろう?誰でもが、そんな疑問を持ちながらこの本を手に取ったことだろう。
    そして、このアンデルセンの童話のフレーズは、物語の中でたびたび登場し、進行上重要な役割を果たしている。
    それにしても、登場人物の心理の襞を微に入り細に入り詳述する著者の手練手管には、相変わらず翻弄されてしまう。
    語り手となる結衣子とともに、読者もざわざわとした気持ちのまま、真相は?と、頁を捲らざるを得ない。
    「本ものって、なんですか」。
    最終頁のこの言葉は、あらゆる局面で、それぞれの立場で、全ての人への問いかけとなるだろう。

  • 小学校一年生の時、結衣子の二歳上の姉・万佑子が失踪した。スーパーに残された帽子、不審な白い車の目撃証言、そして変質者の噂。必死に捜す結衣子たちの前に、二年後、姉を名乗る見知らぬ少女が帰ってきた。喜ぶ家族の中で、しかし自分だけが、大学生になった今も微かな違和感を抱き続けている。…お姉ちゃん、あなたは本物なの?辿り着いた真実に足元から頽れる衝撃の姉妹ミステリー。

  • 妹は元々姉に対して劣等感を持っていて、
    姉が失踪している期間はそれが無くなるかと思えば、
    かえって姉に対しての思いが強くなり
    苦しい関係はいつになっても拭いきれなくて読んでいくうちの
    妹の結衣子が可愛そうに思えてきました。

    姉妹というのは仲が良いと人が羨ましがるほどなのに、
    この姉妹のように仲が悪い場合だと
    こんな風なケースになるのかなと思ってしまいました。
    異性の兄弟の微妙な心境というもの垣間見れた気がします。

    姉が時には妹だけでなく祖母の目から見ても
    今までの姉とは明かに違うという思いがしたのは
    何かあるのかと思い、真相が徐々に暴かれるまでは
    ワクワクして読んでいました。
    けれど真相に辿り着くまでにはかなり長かったのでもどかしかったです。

    それにしてもこの母親の育て方は同じ姉妹なのに
    扱い方に差がありすぎたり、
    周囲の対して気にし過ぎたり、言わゆる世間体というのを気にしすぎで
    こんな母親の下にいるのは心が歪んでしまいそうです。
    そんな思いも妹に影響があるように思えていたたまれなかったです。
    そんな時にふと寄り添うように祖母さんがいてくれたのが
    少し救いだったようにも感じられました。

    真相を明かすことになってからは
    特に劇的なラストということではなかったですが、
    結局はある人の親のエゴでこんな苦しい思いをさせられ、
    人生を翻弄させられてしまったのかと思うと
    妹だけでなく子供たちにとっていい迷惑だったと思ってしまいます。

    「本ものってなんですか?」
    という疑問がありますが、
    果たして本物は今まで時間を重ねてきたモノなのか、
    それとも科学的に証明されたモノなのか
    これは永遠の謎になりそうな気がしました。

    こうやって疑問を投げかけておいて、
    いつまでもそれを気にさせておくというのが
    またこの作品のタイトルのモチーフにもなっている
    「えんどう豆の上にねたおひめさま」のような
    状態にしているのかと思ってしまい
    ラストまで気が抜けなく楽しました。

  • タイトルに惹きつけられて一気読み。

    とてもわかりやすいテーマを最初に提示され、そのテーブルの上で転がされてる感じ。テーブルの大きさが分かってしまっている分、それ以上でも以下でもないと分かっていながらも『もしかするとこれは大どんでん返しの予感...』を期待し最後までズルズルと引きずられてしまった。

    この人はジメジメした空間を作るのが得意なんだな...みんなからどう思われているのか?という日本人独特の気にし過ぎなシチュエーションがストレスだと分かっていてても読んでいると心地良い。後味が嫌だと分かっていても、本を手に取った時点でこの人の術中にハマっているんですね。

    きっと次の本も、そして次の本も手に取ってしまうだろう...。この人が 年がら年中 梅雨の様なストーリーを紡ぐ限り。

  • 少し読みにくかったかも。「本物ってなんだろう」。

  • イヤミスという言葉を初めて知った。

    姉を誘拐した犯人は誰がを考えながら読んでいて、実は妹が皆と血が繋がっていないのでは、とも思っていたが、まさか生まれた時に物語が始まっていたとは思わなかった。

    この本を読んで思うことは、家族とは何かということだ。血の繋がり?育った環境?血や環境ではなく愛なのだと思う。

    親の立場からすると我が子は可愛いが、姉妹に対する愛の大きさに大小はあるのだろうか。

    物語の姉妹の両親は妹と姉を同じ大きさで愛していたのだろうか?そうでないとすると、妹にとっての家族はなんだったのだろうか。と、思いの残る小説だった。

  • 「お姉ちゃん、あなたは本物なの?」
    のオビに惹かれて、久々の湊かなえ。

    厳しいレビューも多いけれど、発見されるシーンまでの人間心理は面白かった!
    姉がいなくなったシーンの緊迫感。
    変態探しの異名を付けられた父母に代わって、猫がいなくなったと嘘をついて妹に犯人探しをさせる母。異常すぎる。
    そういう、歪んでしまった家族を目の当たりにして、気持ちを正しく持っていろという方が無理。
    妹の抑圧が、エンディングに結びつくとしたら、彼女の本物に対する疑問は、真っ当なものではないかと思う。

    姉が、謎。そんな簡単に付いてけるもんかな。
    更に、そんな簡単に成り変われるもんかな。
    からの、なっちゃんのゲスさに笑えた。

  • う~ん…という感じ><
    面白くない訳では無いけど、続きが気になるわけでもないし結末も長々と伏線?を張ってた割には衝撃に欠けてて、イマイチ
    でも万佑子と遥、お母さんサイドの話も読んでみたいな~とは思った

  • 今と昔が章を変えずにくるくる進んでいくのが面白い
    しかしペースを掴むのに戸惑いました。
    湊さんの書く母親の狂気というか、熱というか…
    やっぱり怖くてゾクゾクしますね。
    意外性のあるラストでは無いけれど面白かったです。

  • 読み終えて頭の中を整理して考えてみると、それほど捻りの効いたミステリーではないと思う。
    でもこの作者の手にかかると心の裡のザワつきや、何気に理解の出来る人の嫌な部分が上手く混ざり合い物語に面白さを出している。話に厚みというよりは、和紙に墨がじわじわと沁みていく様な広がりを加えている。

  • 先が気になって一気に読んでしまった。
    でも、うーん。期待が大きかっただけに少し期待以下。

  • 家族とは何か、血縁関係とは何かを改めて考えさせられました。少し重い内容でしたが、あっという間に読み終えました。
    湊かなえ先生の作品はやはり面白いです。

  • んー。中盤まで長すぎ。
    グダグダ同じような内容。
    眠気との勝負だった。

    本物の家族の在り方。
    最後の終わり方も微妙でした。

    The 作り過ぎ作品!

  • 現在と過去が入り交ざった展開。万佑子ちゃんと同一人物のはずの姉。現在と過去のお姉ちゃんがなかなか重ならず、その謎が気になりどんどん読めてしまう。そして、あっと言う間に読み終わる。
    だけど、読み終えてなんだか残念。
    妹が「エンドウ豆の上に寝たお姫さま」というアンデルセン童話の話のように、姉に小さな違和感を感じ、そこから真実に近づいていく。
    着目点は面白いのだけど、無理矢理感しかない。親の気持ち、姉の気持ち、戻ったあとの姉の気持ち、名乗り出た犯人の気持ち、全てが理解できない。なぜ妹に真実を告げなかったのか。
    不自然すぎる展開に理解できない登場人物たちの行動。ドキドキハラハラするわけでもない結末にガッカリ。

  • 妹結衣子ちゃんの視点で進む。失踪した万佑子ちゃんもそうだが、それ以上に母親の社会性な薄さとか若干のきみ悪さを感じながら、話の展開を勝手に考えすぎてしまい、読後はとても疲れてしまった。ただそれだけ読んでいる間に世界に入り込めることや、終始まとわりつくような気持ち悪さが湊かなえの作品らしいな、とも思う。読む気力が十分な時にまた読もう…

  • 本ものって、何ですかー。
    この物語は、最期のこの一言に尽きると思う。

    八日目の蝉とか、そして父になるとか、似た話はあるなぁとは思ったけれど。。

    本ものの家族って?
    本ものの絆って?
    血の繋がり?過ごした時間?

    色々考えさせれます。

  • 自分はこの家の子じゃないんだとは、幼い頃誰もが一度は考えたことのある(たいていは)妄想ではないか。姉の失踪、戻ってきた別人のような姉(しかし両親は姉そのものだ断言)、主人公は生まれ育った家族の中で暮らしていても、そこを自分の家とは思えなくなってしまう…
    失踪した娘を探す母の狂気、まわりの小学生の反応などはとてもリアルだった。ただ、真相がわかったあとの両親の心情などより細緻に描いてくれたらよかったのになと思う


  • 『イヤミスの女王』
    湊かなえ「豆の上で眠る」
    ※批判的意見有

    様々な側面からイヤミスを味わせる作品

    トリックの鍵となる”真実”は読み進めていけば中盤位で察しがついてしまうし、登場人物の行動や心情が”真実”に向かわせるために設定されている人形劇の様でリアル感が無い。
    確かに湊かなえらしく、登場人物の静かに動く狂気や最後の展開はイヤミスを楽しませてくれるが、物語全般において現実では絶対に抱くであろう登場人物の葛藤や複雑な心情が描かれておらず、違和感を覚えずにはいられない。

    ただ、宇田川拓也の解説では本作は湊かなえの初週間連載作品であり、湊本人もテンポを意識して書き進めていたと記載されている。
    他のレビュアーの感想を読んでいくと、私と同様の感想を持つ読者も多くおり、もしかするとテンポよく進められる人形劇のような流れの違和感も含めて「背中に感じる豆の違和感」を醸し出すための演出だったのではないかとも考えられる。
    勿論、ただの主観なので著者本人が意図したかどうかは知るよしも無いが、もしそうであるならば読者自身を舞台に誘う極上のイヤミスになるのではないかと思う。


  • あまり救いのない結末、ラストまでの構成や伏線には感動するけど最後にもやもやが残る…湊かなえさんはこういう作品が本当に上手だな、と思います。個人的に猫が好きなので白猫のブランカのエピソードが切なかったです。
    主人公の結衣子の周りの登場人物、両親や姉や同級生たちがみんな無責任に思えて読んでいるとイライラしてきましたが、創作的な嫌な人間というよりあくまでリアルにいそうなじっとりと嫌な感じが上手いと思いつつやはり読んでて嫌な気分になってしまいました笑。

  • 読み終わってうわ~なモヤモヤがハンパない。イヤミスの真骨頂w
    彼女の怒りがそのまま自分の怒りになってしまった。両親も「万佑子ちゃん」も結衣子をナメすぎだ。いつまでも隠しておけることではないし、真相を聞いても子どもたちやその関係者を無駄に苦しめた身勝手な行為に嫌悪感が増すばかり。
    猫を飼いだしてからの母親の狂気は子を持つ立場として他人事とは思えない怖さ。それ以上に最後は、何年も共に過ごした親兄弟や子をあっさり捨てられるハルカとその母の理解できない怖さにすっかり絡め取られた。

  • 文庫化。
    『豆の上で眠る』というタイトルはアンデルセンの童話が由来。
    元々は週刊誌に連載されていた作品とあって、解説にもあるように、テンポの良さや、小さな謎を次々と追加していく技巧に圧倒される。そして最後の1行に圧倒される。この段階でラストを迎える……というのが、本書の最大の魅力ではないだろうか。

  • 読んでいるある間、常にざわざわした気持ちになった。
    週刊誌連載だったという後書きを読んで納得。
    オチは少しありきたりな感じがした。

  • タイトルに惹かれてあらすじを読んだら絶対面白いじゃん!と思って購入。
    期待通りおもしろい、読みやすいし、なんか癖になっちゃう感じです。

  • 本当に姉なのか、2年間どこでどうしていたのか
    だれが事件の犯人、真相は、と思いながら
    主人公(語り手)の幼い幸せな日々と違和感、
    姉の失踪に始まる暗い淀んだ日々、
    姉が戻ってきてから始まる違和感、そして今、
    を読み進むと、
    事件の真相すら覆された挙句、頽れるとあるが、
    一粒の豆に気づいていたはずの自分は頽れ、
    自分の周りの世界は崩れ落ち、崩れ去る。
    これまでの自分が生きて認識していた世界・環境・
    人々がまるで遠い世界、物語の人物に変わってしまう。

    先に読んだリバースとこの作品は、
    事件の真相というより、
    登場人物の世界が、ある一点を始まりに
    連続的に崩壊していく様、
    それは読み手としては、それまで読んできた物語に
    ちりばめられてきたものが真実ではなかったという
    作者の騙し・技術・トリックへの称賛もあわせて
    最後まで楽しむものだと思った。
    私にとっての○○って、自分が思うほど強固なもの
    ではないのだろうな。

  • 突然姿を消した姉の話 途中展開が少なくマンネリ。長く感じたけどラストでようやく全体が掴めました。根気よく読む必要ありかも。

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