豆の上で眠る (新潮文庫)

  • 720人登録
  • 3.33評価
    • (13)
    • (53)
    • (85)
    • (17)
    • (3)
  • 87レビュー
著者 : 湊かなえ
  • 新潮社 (2017年6月28日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (367ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101267722

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
恩田 陸
湊 かなえ
湊 かなえ
湊 かなえ
有効な右矢印 無効な右矢印

豆の上で眠る (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

  • この題名は、どういう意味だろう?誰でもが、そんな疑問を持ちながらこの本を手に取ったことだろう。
    そして、このアンデルセンの童話のフレーズは、物語の中でたびたび登場し、進行上重要な役割を果たしている。
    それにしても、登場人物の心理の襞を微に入り細に入り詳述する著者の手練手管には、相変わらず翻弄されてしまう。
    語り手となる結衣子とともに、読者もざわざわとした気持ちのまま、真相は?と、頁を捲らざるを得ない。
    「本ものって、なんですか」。
    最終頁のこの言葉は、あらゆる局面で、それぞれの立場で、全ての人への問いかけとなるだろう。

  • 妹は元々姉に対して劣等感を持っていて、
    姉が失踪している期間はそれが無くなるかと思えば、
    かえって姉に対しての思いが強くなり
    苦しい関係はいつになっても拭いきれなくて読んでいくうちの
    妹の結衣子が可愛そうに思えてきました。

    姉妹というのは仲が良いと人が羨ましがるほどなのに、
    この姉妹のように仲が悪い場合だと
    こんな風なケースになるのかなと思ってしまいました。
    異性の兄弟の微妙な心境というもの垣間見れた気がします。

    姉が時には妹だけでなく祖母の目から見ても
    今までの姉とは明かに違うという思いがしたのは
    何かあるのかと思い、真相が徐々に暴かれるまでは
    ワクワクして読んでいました。
    けれど真相に辿り着くまでにはかなり長かったのでもどかしかったです。

    それにしてもこの母親の育て方は同じ姉妹なのに
    扱い方に差がありすぎたり、
    周囲の対して気にし過ぎたり、言わゆる世間体というのを気にしすぎで
    こんな母親の下にいるのは心が歪んでしまいそうです。
    そんな思いも妹に影響があるように思えていたたまれなかったです。
    そんな時にふと寄り添うように祖母さんがいてくれたのが
    少し救いだったようにも感じられました。

    真相を明かすことになってからは
    特に劇的なラストということではなかったですが、
    結局はある人の親のエゴでこんな苦しい思いをさせられ、
    人生を翻弄させられてしまったのかと思うと
    妹だけでなく子供たちにとっていい迷惑だったと思ってしまいます。

    「本ものってなんですか?」
    という疑問がありますが、
    果たして本物は今まで時間を重ねてきたモノなのか、
    それとも科学的に証明されたモノなのか
    これは永遠の謎になりそうな気がしました。

    こうやって疑問を投げかけておいて、
    いつまでもそれを気にさせておくというのが
    またこの作品のタイトルのモチーフにもなっている
    「えんどう豆の上にねたおひめさま」のような
    状態にしているのかと思ってしまい
    ラストまで気が抜けなく楽しました。

  • 小学校一年生の時、結衣子の二歳上の姉・万佑子が失踪した。スーパーに残された帽子、不審な白い車の目撃証言、そして変質者の噂。必死に捜す結衣子たちの前に、二年後、姉を名乗る見知らぬ少女が帰ってきた。喜ぶ家族の中で、しかし自分だけが、大学生になった今も微かな違和感を抱き続けている。…お姉ちゃん、あなたは本物なの?辿り着いた真実に足元から頽れる衝撃の姉妹ミステリー。

  • タイトルに惹きつけられて一気読み。

    とてもわかりやすいテーマを最初に提示され、そのテーブルの上で転がされてる感じ。テーブルの大きさが分かってしまっている分、それ以上でも以下でもないと分かっていながらも『もしかするとこれは大どんでん返しの予感...』を期待し最後までズルズルと引きずられてしまった。

    この人はジメジメした空間を作るのが得意なんだな...みんなからどう思われているのか?という日本人独特の気にし過ぎなシチュエーションがストレスだと分かっていてても読んでいると心地良い。後味が嫌だと分かっていても、本を手に取った時点でこの人の術中にハマっているんですね。

    きっと次の本も、そして次の本も手に取ってしまうだろう...。この人が 年がら年中 梅雨の様なストーリーを紡ぐ限り。

  • イヤミスという言葉を初めて知った。

    姉を誘拐した犯人は誰がを考えながら読んでいて、実は妹が皆と血が繋がっていないのでは、とも思っていたが、まさか生まれた時に物語が始まっていたとは思わなかった。

    この本を読んで思うことは、家族とは何かということだ。血の繋がり?育った環境?血や環境ではなく愛なのだと思う。

    親の立場からすると我が子は可愛いが、姉妹に対する愛の大きさに大小はあるのだろうか。

    物語の姉妹の両親は妹と姉を同じ大きさで愛していたのだろうか?そうでないとすると、妹にとっての家族はなんだったのだろうか。と、思いの残る小説だった。

  • 今と昔が章を変えずにくるくる進んでいくのが面白い
    しかしペースを掴むのに戸惑いました。
    湊さんの書く母親の狂気というか、熱というか…
    やっぱり怖くてゾクゾクしますね。
    意外性のあるラストでは無いけれど面白かったです。

  • 読み終えて頭の中を整理して考えてみると、それほど捻りの効いたミステリーではないと思う。
    でもこの作者の手にかかると心の裡のザワつきや、何気に理解の出来る人の嫌な部分が上手く混ざり合い物語に面白さを出している。話に厚みというよりは、和紙に墨がじわじわと沁みていく様な広がりを加えている。

  • 先が気になって一気に読んでしまった。
    でも、うーん。期待が大きかっただけに少し期待以下。

  • 家族とは何か、血縁関係とは何かを改めて考えさせられました。少し重い内容でしたが、あっという間に読み終えました。
    湊かなえ先生の作品はやはり面白いです。

  • 「お姉ちゃん、あなたは本物なの?」
    のオビに惹かれて、久々の湊かなえ。

    厳しいレビューも多いけれど、発見されるシーンまでの人間心理は面白かった!
    姉がいなくなったシーンの緊迫感。
    変態探しの異名を付けられた父母に代わって、猫がいなくなったと嘘をついて妹に犯人探しをさせる母。異常すぎる。
    そういう、歪んでしまった家族を目の当たりにして、気持ちを正しく持っていろという方が無理。
    妹の抑圧が、エンディングに結びつくとしたら、彼女の本物に対する疑問は、真っ当なものではないかと思う。

    姉が、謎。そんな簡単に付いてけるもんかな。
    更に、そんな簡単に成り変われるもんかな。
    からの、なっちゃんのゲスさに笑えた。

  • んー。中盤まで長すぎ。
    グダグダ同じような内容。
    眠気との勝負だった。

    本物の家族の在り方。
    最後の終わり方も微妙でした。

    The 作り過ぎ作品!

  • 現在と過去が入り交ざった展開。万佑子ちゃんと同一人物のはずの姉。現在と過去のお姉ちゃんがなかなか重ならず、その謎が気になりどんどん読めてしまう。そして、あっと言う間に読み終わる。
    だけど、読み終えてなんだか残念。
    妹が「エンドウ豆の上に寝たお姫さま」というアンデルセン童話の話のように、姉に小さな違和感を感じ、そこから真実に近づいていく。
    着目点は面白いのだけど、無理矢理感しかない。親の気持ち、姉の気持ち、戻ったあとの姉の気持ち、名乗り出た犯人の気持ち、全てが理解できない。なぜ妹に真実を告げなかったのか。
    不自然すぎる展開に理解できない登場人物たちの行動。ドキドキハラハラするわけでもない結末にガッカリ。

  • 妹結衣子ちゃんの視点で進む。失踪した万佑子ちゃんもそうだが、それ以上に母親の社会性な薄さとか若干のきみ悪さを感じながら、話の展開を勝手に考えすぎてしまい、読後はとても疲れてしまった。ただそれだけ読んでいる間に世界に入り込めることや、終始まとわりつくような気持ち悪さが湊かなえの作品らしいな、とも思う。読む気力が十分な時にまた読もう…

  • 本ものって、何ですかー。
    この物語は、最期のこの一言に尽きると思う。

    八日目の蝉とか、そして父になるとか、似た話はあるなぁとは思ったけれど。。

    本ものの家族って?
    本ものの絆って?
    血の繋がり?過ごした時間?

    色々考えさせれます。

  • 自分はこの家の子じゃないんだとは、幼い頃誰もが一度は考えたことのある(たいていは)妄想ではないか。姉の失踪、戻ってきた別人のような姉(しかし両親は姉そのものだ断言)、主人公は生まれ育った家族の中で暮らしていても、そこを自分の家とは思えなくなってしまう…
    失踪した娘を探す母の狂気、まわりの小学生の反応などはとてもリアルだった。ただ、真相がわかったあとの両親の心情などより細緻に描いてくれたらよかったのになと思う


  • 『イヤミスの女王』
    湊かなえ「豆の上で眠る」
    ※批判的意見有

    様々な側面からイヤミスを味わせる作品

    トリックの鍵となる”真実”は読み進めていけば中盤位で察しがついてしまうし、登場人物の行動や心情が”真実”に向かわせるために設定されている人形劇の様でリアル感が無い。
    確かに湊かなえらしく、登場人物の静かに動く狂気や最後の展開はイヤミスを楽しませてくれるが、物語全般において現実では絶対に抱くであろう登場人物の葛藤や複雑な心情が描かれておらず、違和感を覚えずにはいられない。

    ただ、宇田川拓也の解説では本作は湊かなえの初週間連載作品であり、湊本人もテンポを意識して書き進めていたと記載されている。
    他のレビュアーの感想を読んでいくと、私と同様の感想を持つ読者も多くおり、もしかするとテンポよく進められる人形劇のような流れの違和感も含めて「背中に感じる豆の違和感」を醸し出すための演出だったのではないかとも考えられる。
    勿論、ただの主観なので著者本人が意図したかどうかは知るよしも無いが、もしそうであるならば読者自身を舞台に誘う極上のイヤミスになるのではないかと思う。


  • あまり救いのない結末、ラストまでの構成や伏線には感動するけど最後にもやもやが残る…湊かなえさんはこういう作品が本当に上手だな、と思います。個人的に猫が好きなので白猫のブランカのエピソードが切なかったです。
    主人公の結衣子の周りの登場人物、両親や姉や同級生たちがみんな無責任に思えて読んでいるとイライラしてきましたが、創作的な嫌な人間というよりあくまでリアルにいそうなじっとりと嫌な感じが上手いと思いつつやはり読んでて嫌な気分になってしまいました笑。

  • 読み終わってうわ~なモヤモヤがハンパない。イヤミスの真骨頂w
    彼女の怒りがそのまま自分の怒りになってしまった。両親も「万佑子ちゃん」も結衣子をナメすぎだ。いつまでも隠しておけることではないし、真相を聞いても子どもたちやその関係者を無駄に苦しめた身勝手な行為に嫌悪感が増すばかり。
    猫を飼いだしてからの母親の狂気は子を持つ立場として他人事とは思えない怖さ。それ以上に最後は、何年も共に過ごした親兄弟や子をあっさり捨てられるハルカとその母の理解できない怖さにすっかり絡め取られた。

  • 文庫化。
    『豆の上で眠る』というタイトルはアンデルセンの童話が由来。
    元々は週刊誌に連載されていた作品とあって、解説にもあるように、テンポの良さや、小さな謎を次々と追加していく技巧に圧倒される。そして最後の1行に圧倒される。この段階でラストを迎える……というのが、本書の最大の魅力ではないだろうか。

  • 主人公の心情描写などの書き方は湊かなえさんらしい作品だと思う。ただ、ストーリー展開がいつもの湊かなえさんの作品と違うように感じられた。最後の伏線を回収していなくて、すっきりしない感じがモヤモヤした。これは妹視点で描かれ続けるが、母や姉視点も見れたらさらに面白かった気がする。本物とは何なのか…。

  • 元気で外遊びが大好きな小学一年生の結衣子と病弱で読書が大好きな小学三年生の万佑子はとても仲良しの姉妹だ。
    姉の万佑子はいつも眠る前に妹の結衣子に色々な絵本を読んであげていて、結衣子の一番のお気に入りは「エンドウ豆の上に寝たお姫様」というアンデルセンの童話だった。
    そんな姉妹を引き裂く姉の万佑子の失踪事件、そして二年後に無事に戻って来た姉の万祐子だけれど、妹の結衣子は違和感を感じずにはいられなかった。戻って来てくれてとても嬉しい、けれど戻って来たのは本物の姉なのだろうか?本当に大好きだったあの姉なのだろうか?その疑惑は結衣子が大学一年生になった今でも心の片隅に潜んでいる違和感だったー

    私がこの本で初めて知った「エンドウ豆の上に寝たお姫様」は、あるお姫様がベッドの下に置かれていた小さなエンドウ豆の違和感に気が付き、こんな小さな違和感に気が付くという事は本物のお姫様の証しだと讃えられ、王子様と結婚をして幸せになる、という非常に奥が深い物語で、小学一年生の結衣子がこの物語を気に入っていたという設定がストーリーの重要なキーポイントとなっている。

    小学一年生の結衣子と小学三年生の万佑子が夏休みの時に悲劇が訪れる。病弱で外遊びなど殆どしない万佑子が、珍しく結衣子が夢中になっていた秘密基地作りに興味を示して、二人は一緒に外へ遊びに行き、疲れた万佑子がもう帰ろうと提案した時に結衣子は他のお友達とまだ遊びたくて一緒に帰る事を断り、万佑子は一人で家に帰る途中に忽然と姿を消してしまったー

    心配する両親、近所の人達、そんな中であの時一緒に帰っていれば…と後悔と不安に駆られる結衣子。事件と事故と両方で捜査が始まるのだけれど、事件である事は明らかで万佑子がどんな酷い目にあっているのかと想像するだけで胸が締め付けられた。

    捜査に進展はなかなか無く、姉妹の母親である春花は独自に捜査をし始め、犯人探しに妹である結衣子を利用するまでになる。五年間行方不明だった女の子が家の近くで監禁されていて無事に保護されたという事件があってからは、ますます万佑子も近くで誰かに監禁されているのだという考えを払拭する事が出来ず、不審な人物の家に結衣子を猫を探していると嘘をつかせて(結衣子は始めは嘘だと感じていなかった)訪問させるという極めて危険な事をさせていた。始めは母親の真意に気が付かなかった結衣子だけれど徐々に自分が母親に、姉の万佑子探しに加担させられているのだと気付き始める。そして自分はこの家の本当の子供では無いのではないのかと小さな胸を痛め、姉の万佑子ではなく自分が居なくなれば良かったとまで思う様になってしまう。大人達の勝手な都合や思いや嘘で結衣子はどんどん傷付き、自分の違和感が正しかったのだと知った時には虚しさでいっぱいだっただろうと感じた。

    あんなに大好きだった姉がすり替わっていた事に大人達は結衣子が気が付かないと本当に思っていたのだろうか?或いは傷付かせない為に嘘をついていたのかもしれないが、真実を知る権利は小学生の結衣子にもあったはずだ。本物や本当が大切なのではなく真実が重要なのだから。

    結衣子の視点で展開するこの物語を、母親の春花の視点で読むとどうなるのだろうかと考えさせられた。真実を知った後の母親の春花の思いが描写されていなかった事が更に哀しみを助長させた。



  • 【あらすじ】
    小学校一年生の時、結衣子の二歳上の姉・万佑子が失踪した。スーパーに残された帽子、不審な白い車の目撃証言、そして変質者の噂。必死に捜す結衣子たちの前に、二年後、姉を名乗る見知らぬ少女が帰ってきた。喜ぶ家族の中で、しかし自分だけが、大学生になった今も微かな違和感を抱き続けている。―お姉ちゃん、あなたは本物なの?辿り着いた真実に足元から頽れる衝撃の姉妹ミステリー。

    【感想】

  • 妹の感じる違和感、なんとも言えない気持ち悪さを一緒に感じながら読んだ。実は妹自身が実の娘ではないのかも?なんて考えたりした。連れ去られたほうの姉はどんなことを考えてたのか気になる。

  • 湊かなえさんらしい物語。
    ある姉妹に起こった事件と経過と、その結果。
    独白により形作られ、終盤に一気に加速する。

    解決方法によって、後を引いてしまうことってある。
    2人姉妹の私には共感できる姉妹あるあるも。

    しっくりこない感覚や拭いきれない違和感は、
    やっぱり第6感の警報で、当たってることが多いのかも。

    1つの過ちがいくつもの負の連鎖を生む。
    1つの引っ掛かりが取り返しの付かない事件を生む。

    隠す側の心情も分かるけど、
    私も小さな違和感には早目に対峙したいし、
    正直に伝えて欲しい派だなぁ。

全87件中 1 - 25件を表示

豆の上で眠る (新潮文庫)を本棚に「読み終わった」で登録しているひと

豆の上で眠る (新潮文庫)を本棚に「積読」で登録しているひと

ツイートする