豆の上で眠る (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
3.35
  • (311)
  • (1058)
  • (1515)
  • (387)
  • (60)
本棚登録 : 16369
感想 : 1046
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (368ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101267722

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 細かな描写が多く情景が自然と浮かぶため、物語にとても引き込まれます。続きが気になって、一気読みしました。

    最後の数十ページで、怒涛の勢いで真相が明らかになります。湊かなえさんの物語だから、という期待に十分応えてくれるラストだったと思います。

    本物とは何か について考えさせられます。
    時間や経験を積み重ねた感情的なものなのか、
    科学的根拠に基づいた論理的なものなのか。
    答えがあるものでも、どちらか一方に傾くものでもないのかなと思いますが、登場人物の立場で考えると何ともすっきりしない気持ちが残りました。

  • どこぞのレビューにもあったけど、登場人物がおませなのか年齢設定にちょっと無理があるかな、とは思う。

    それを差し引いても「本物とは何か」という命題を小説で問いかけてくる仕方は面白いと思う。リアリティ?存在意義?自分とは何者なのか、どこからきてどこへいくのか、そんなことを登場人物が問いかけている気がする。

    #長編小説 #湊かなえ

  • 移動中や病院で読んでいた。
    怖い。
    けれども「え~」と思う話だった。
    最後は少し物足りないか。

  • 読み進めるにつれ単純明快になっていく、はずもなく。グッと強く引き込まれるような作品ではありませんがモヤモヤと引きずってしまいます。行方不明の2年間の描写が長く、その内にラストの予測ができました。読み疲れました。。。

  • 真相が気になりすぎて一気読み。
    濁さずに真相を明らかにしてくれるので気持ち良かった。
    個人的に気になっていたなっちゃんの登場は想定外だった。

    主人公は血縁がどうこう言っていたけど、結局血縁は関係なくハルカの方が好きだったのではないかと思う。

    真相を知りつつも黙っていた家族が陰湿すぎる。
    祖母と冬美おばさんくらいしか主人公のことをちゃんと見ていなかったのではないだろうか。
    主人公を憂鬱にさせているのは、姉への違和感だけではなく、愛情を受けるべき時に愛を与えてくれなかった両親に対する怒りもあるのではないかと思う。
    大好きだった万佑子(ハルカ)ですら主人公が真剣に考えているとは思っていなかったと言い放ったのだ。

    この作品を読むのが時々辛く感じた理由は、主人公が幼少期にあまり大切にされていないような描写が見受けられたからだ。

    血が繋がっているから愛される訳ではないし、血が繋がっているから愛せる訳ではないということが痛いくらい伝わった。

  • 面白かった!
    散りばめられた伏線回収も見事だし、後半は終わりが気になり一気読み。
    最後に問いかけられる、『本ものって?』の一言にもゾクゾクする〜
    湊かなえらしい一冊。

    アンデルセン物語の「えんどうまめの上にねたおひめさま」を主軸に、行方不明から見つかった姉は、いなくなったまゆこちゃん⁈それとも⁈
    家族とは?血のつながりとは?
    「そして父になる」を思い出した。

  • あれこれ想像しながら読む余地があったため、オチにあまり衝撃がなかったことで、若干物足りなく感じました。
    実際この立場に置かれた子供は、育ての親より産みの親を選ぶのだろうか、と思うと少し悲しい…。

  • 姉が行方不明になった家族を妹の視点で語る物語。十数年経っても拭えない違和感が「豆の上で眠る」ということ。ネタバレになるので伏せるけれど「○○探し」というネーミングに衝撃。
    妹に姉探しをさせる母親の気持ちも強く伝わる。
    結末は豆の上の意味がスッキリと分かるのに
    やはり独特のイヤミス感。

  • ※文庫化される前に単行本で読んだときのレビューです。ご了承下さい。<(_ _)>

    ------冒頭
    大学生になって二度目の夏------。
    新神戸駅から新幹線こだまに乗って三豊駅まで向かう約二時間、いつも思い出す童話がある。
    ──────

    神社で、神隠しにあったかのように失踪した小学生の姉、万佑子。
    妹結衣子の回想で綴られるこの物語。
    二年後に突然見つかった万佑子だが、その姿はあまりにも以前とかけ離れていた。
    万佑子が戻って来たのに、父母の喜びは何故か中途半端で、腫れ物に触るような扱い方だ。
    何故? 結衣子は違和感を持つ。
    この万佑子は本当に失踪した姉なのか?

    読み進めていくうちに、首筋をねっとりとした脂汗が流れ落ちてゆくような、このぞわぞわとした感じ。
    湊かなえの作品を読むときのおなじみの感触だ。
    一人称独白形式で語られる結衣子の言葉には、常にその裏に何かが隠されているようなイヤミス感が漂う。

    そして終盤になって明らかにされる驚きの真実。
    実にうまい構成だ。
    「本物のお姫様」とはいったい誰のことを意味するのか。そのお姫様は、何枚も重ねた布団なのにどうして豆の存在を感じることができるのか。

    童話をモチーフにしたこのサスペンスミステリー。
    この小説世界は湊かなえの独壇場だ。
    彼女独特のぞわぞわ感を堪能したい方は是非読んでみるべし。
    お薦めです。

  • 最後時間がなくて慌てて読んでしまったけど…
    いつもよりかは、イヤーな感じはなかったです。
    ドラマになってるのかな?見てみたい。

全1046件中 51 - 60件を表示

著者プロフィール

1973年広島県生まれ。2007年『聖職者』で「小説推理新人賞」を受賞。翌年、同作を収録した『告白』でデビューする。2012年『望郷、海の星』(『望郷』に収録)で、「日本推理作家協会賞」短編部門を受賞する。主な著書は、『ユートピア』『贖罪』『Nのために』『母性』『落日』『カケラ』等。23年、デビュー15周年書き下ろし作『人間標本』を発表する。

湊かなえの作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×