本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
- Amazon.co.jp ・本 (225ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101268057
感想・レビュー・書評
-
曽良にヒマラヤ山系氏、そしてカミムラさんに至るまで、旅は道連れ、様々な彩りを作品に与えてくれます。だけど一方で、同行者のキャラクターに頼りすぎると内輪ネタオンリーの駄文になってしまう。相方をネタに話を作るのは、一種のギャンブルです。
その点本作は、相方のキャラが立ちまくっているのに作者のいつもの味が損なわれていない、いや、むしろ倍加している稀有な傑作です。
根っからクルマ派の藍君は時に宮脇先生を呆れさせたり憤慨させたりしますが、そのマイペースぶりは実の所先生のお気に入りらしく、淡々とした筆致の中に時として慈愛さえ感じられます。藍君も仕事と割り切る風でありながら、無茶な企画で先生を振り回したり、いつの間にか時刻表を使いこなしたりと、中々の巧者です。
津々浦々の車窓とダイヤを肴にした、どこかとぼけた珍道中。宮脇本の中でも屈指のお気に入りです。詳細をみるコメント0件をすべて表示