線路の果てに旅がある (新潮文庫)

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著者 : 宮脇俊三
  • 新潮社 (1996年12月発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (227ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101268132

線路の果てに旅がある (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 1997年(底本1994年)刊行。歴史とリンクさせる叙述。自然とリンクさせる叙述は流石である。大糸線の塩街道談義。あるいは、大井川鉄道井川線の「梅雨時の大井川は素晴らしい」「井川線には雨が似合う」等々。

  • 小学館「全線全駅 鉄道の旅」シリーズに所収された紀行をベースとして編纂された1冊。
    元の全集の趣旨を反映して、宮脇氏の著作にしては珍しく、旅行記よりは「乗車記」の感が強いように思います。何となく「鉄道ジャーナル」誌的な匂いも。

    そう言う訳で、時に文明批評感さえ漂う宮脇氏独特の味わいは、本作ではちょっと抑え目の感もします。それでもさすがは大御所、読ませる所はしっかり読ませてくれます。

    渾身の名文であるはずの東赤谷駅のくだりを引用した挙句、「感傷的になっている」などとばっさりやる辺り、いかにもこの方らしくて思わずにやりとさせられます。

  • かつて小学館から発売になつた『全線全駅鉄道の旅』といふシリーズがありました。これは日本全国の鉄道路線を地域別に10分割し、それぞれに一冊を割り当て解説した全10巻の読物であります(私鉄は東日本・西日本に分け、別巻2冊として刊行)。
    編集委員が宮脇俊三・原田勝正の両氏といふことで、宮脇氏も同シリーズに連載をしてゐました(連載時のタイトルは「巻頭エッセイ 魅力の鉄道」)。それを中心に編集されたのが本書であります。
    それぞれの回に相当した地区の路線を対象にしてあるので、日本全国から万遍なく選ばれてゐます。

    JR線・民鉄線・公営鉄道・第三セクター・新交通システムと実にヴァラエティ豊かな選択。恐らく全体のバランスを考へてのことでせう。
    そして旅の形態も、基本は一人旅ながら、TVクルーとの同行取材・編集者同行・カメラマン同行など、普段とは違ふ旅の面も見せてゐます。まあ一言で言へば、実に多彩な旅を演出してゐると申せませう。さう、演出。本来宮脇氏が唾棄すべきものです。
    既に紀行作家として大物になつてしまつた宮脇氏としては、誰からも束縛されぬ、かつての気ままな一人旅はもう過去のものになつてしまつた時代ですなあ。ちよつと寂しい。

    さて巻末には、終着駅についての考察があります。宮脇氏には既に『終着駅は始発駅』『終着駅へ行ってきます』などの著作がありますが、やはり好きなんですねえ、ここでも語つちやいます。

    どん詰まりの「終着駅」、つまり電車の終点としての終着ではなく、もうこれ以上は線路が無く、物理的に進むことは無理です、といふ駅を、その成立や実態とを照らし合せて、宮脇氏は十の分類に分けたのであります。
    その名称も「婚約不履行型」「都会の孤独型」「道産子奮闘型」「涙の連絡船型」「北前船慕情型」「黒潮大量型」など、ユニイク。しかしどん詰まり終着駅と言へば、要するに盲腸線であります。経営状態は悪く、廃線の危機に瀕する路線が多いのです。実際、ここで紹介されてゐる終着駅も、現在では結構の数が姿を消してゐます。
    せめて本書を鎮魂曲として、消えた駅の冥福を祈りませうか。

    では、又。ご機嫌よう。

    http://genjigawa.blog.fc2.com/blog-entry-569.html

  • 13/10/15、ブックオフで購入。

  •  元本が出てから、約20年。個々の文章の初出を考えると、さらに。
     すでに鉄道の本ではなく、今の時代の暮らしを伝える文学作品のような趣すらある。

  • ローカル線、廃墟になった電車の跡などなどの旅の記録。
    文章がわかりやすく、そしてぐいぐい引き込まれる感じ。
    情景が目に浮かんでくる感じがする。

    鉄道はもとは炭鉱や貨物運送に大きな役割をはたしていて、
    それがトラックなど運送業にとってかわられて、
    たくさんあった路線が次々と廃業していった。

    この100年でのめまぐるしい変化を象徴しているんじゃないかと思う。
    そういった、歴史的視点から考えてみると、とても興味深い。
    地理的考察もいろいろしてみたいと思った。

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