- Amazon.co.jp ・本 (368ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101269528
感想・レビュー・書評
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震災にあい命からがら避難所へ。でもそこは決して居心地の良い安全な場所ではありませんでした。3人の女性目線で描かれたそれぞれの苦悩や思い、まだまだこれが日本の現実なのだと思い知らされました。最後は3人が新しい未来に向かって歩き出せて良かったです。
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柿谷さんの作品を読んだ頃がなかったのですが、
簡単ではないテーマ、取材されて書かれているんだなーと思った。
フィクションである意味が、ここ本だと分かる気がした。
この本は、3人の女性の視点から、被災地の避難所とその後の避難生活の具体的な経験を伝える。
主流で語り継がれる震災の物語じゃない震災の物語。
絆、和、叫ばれたディスコースは、当時も批判はされてはいたけれど、個々人の体験として、想像させられた。
女性の居場所が、本当になかった。
でも確かにこれは、普通の都会の家庭でも起こっていることだと思う。
被災地が、日本社会の縮図であるように感じた、といったことがあとがきで書かれていた。
東日本大震災から13年たって、
この女性の視点で被災地や社会は見ると、どう変わったのかな、と思う。
地震で生まれた亀裂を梃子に、自分達のスペースを、確保する活動が今も続いてはいるのだと思う。
この息苦しさは、繰り返す必要がない。
教育。女性が非対等に依存することのリスクをまず若いときから教えられることがかかせないと思った。
家父長制の息苦しさは、いらない。 -
モキモキする
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避難所生活を想像するものの、細部までは至らず、細かな描写が大変参考になった。女性の大変さもリアルで、今もなお避難所で暮らさざるを得ない能登半島の方々のことを思うといたたまれなくなる。
災害の多い国で、体育館のようなところで何日も過ごさなければいけないような準備のなさが嘆かわしい。この私だって、いつそのような目に遭うかわからない。「私だったら、さっさとどこかに部屋借りるよな」とか思っていたが、そうできない理由も書いてあって、ちっともわかってないと反省した。
田舎の男尊女卑の激しさも、都会に暮らす人には到底理解できない。今の時代も、まさかとは思うのだが、想像以上に昔と変わっていないのかもしれない。
3人の女性たちが東京に出てきて、やり直そうとするところに希望が見えた。そしてしっかり東京の弱点も書いてあるのが良かった。その通りだと思った。
しかし、災害に遭うというのは全く理不尽な出来事だ。夫を亡くし、親を亡くし、家を無くし、仕事をなくし。最大限の援助を国や地方自治体が進めてくれないと全く割に合わない。
この作家の名前を知ったのは、5年くらい前で、友人が図書館で借りていた。女性の気持ちをそのままタイトルにしたような本で、「面白そう」と思った。ハマりそうな感じがする書名が並ぶ。映画「老後の資金がありません!」も面白かった。他の作品も読んでみたい。 -
リアルな部分が多かったのですが、実際のシチュエーションをモデルに書かれたとのことで、なるほどなと思いました。冒頭部分では、自分は今まで想像しようとしない、隠れた部分を知ることができた気がします。
年明けから大きな地震や、最近も時々揺れを感じることがあるので予測というか、そんな意味でも読んでおいてよかったかなと思いました。
今の生活ではピンとこない避難所の窮屈さとか不安だとか、それから考えられないような驚くようなできごと。ありえないと思いましたが、残念ながら実際にありえることなんだろうなあ。
このお話ではラストはそれなりに希望をもてる、少し明るく終わらせてくれるところが良いと思いました。
とはいえ、生き残ったから物語ができること。大切な人でも亡くなってしまったり、死んでほしいと思っていた人が(小説の中の記載でです!)生きていたり、日常が一変して気持ちも穏やかではいられないだろうし、できることといえば平穏な日々を祈るしかできない…怖がりなので再読はないかな。
本の内容とは逸れますが、なにか問題があったときに、対応してくれる役場の方に怒鳴る方をたまに見かけます。内容によっては、仕方ないことももしかしたらあるもしれませんが、せめて命に関わるようなことでない場合は、街のために働いてくれている方々に感謝の気持ちをもって冷静でいたい。 -
ただでさえ苦痛な避難所生活に、さらに女性には苦難がふりかかる。本当に解決しないといけない問題に気付かせてくれるお話でした。
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あとがきでも触れられていましたが実際のシチュエーションをモデルに書かれたということで、今まさに数多くの被災された方々をおもうと胸が締め付けられる思いです。
三人の女性がメインですが実際にも同じような境遇の方々がたくさんいらっしゃるのでしょう。
読んでよかった一冊です
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立て続けに垣谷美雨さんの本を読了。2011年3月11日の東日本大震災で被災し避難所で過ごした3人の女性が主人公。元日に能登半島で大きな地震があって間もないこともあり、(読もうと思ったのは自分だが)個人的にとてもしんどかった。常軌を逸した避難所の様子や田舎の閉塞性が描かれていて、あのような大災害に見舞われた後に、こうした環境に身を置くことを余儀なくされた女性たちのことを思うと、辛さしかなかった。終わり方は希望の光が見えるものだったが、それまでの9割を占める内容が重すぎた。
やはりインフラも含め何不自由なく暮らしている当たり前の日常がいかに尊く幸せなものなのか、改めて深く感謝しなければならないと思った。
今現在、被災し辛い環境にいる方々が穏やかな心で過ごし、1日も早く日常を取り戻すことを願っている。 -
「憤りで読む手が止まらぬ衝撃の震災小説』
まさに、ショックと悲しみと怒りまみれになった。
フィクションだが、描かれている避難所の様子はほぼ起きたのではないかと思います。
女性の立場の弱さに不安になりました。
生き残った登場人物の男性達...クソすぎる... -
東日本大震災を被災した女性3人の話
おすすめ本
北陸で元旦に地震があったので手に取った
また同筆者のオヤジ改造計画がお気に入り
この本を読むことで、被災した方の辛さに触れられる。震災大国の日本では明日は我が身として一気に読める
行動(立候補・離婚・転職)へのきっかけが怒りであることも共感できた。
定期的な災害グッズの確認は子供がいる身として必須