ダイスをころがせ!〈上〉 (新潮文庫)

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  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (441ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101270241

感想・レビュー・書評

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  • 職を失い妻子とは現在別居中。駒井健一郎三十四歳はどん底にいた。ある日、高校時代のライバル・天知達彦が現れ、驚くべきことを口にする。「次の衆院選に立候補する。共に戦ってくれ」。コネや金は一切なし。持てるものは理想のみ。第二の人生を拓くため、彼らは完全無党派で選挙戦に挑む。理解のない妻、敵陣営の妨害。早くも難題は山積みなのだが。

  • 「敗者復活戦は、結果を求めるものではなく、再び戦ったいく闘志を取り戻す舞台だ…目に見えた勝利を手にできる者は限られていたが、結果はまだ出ていないと信じていられる限りー戦う姿勢を持ち続けていける限りーレースのゴールは見えてこない。おれはもうだめだとあきらめた瞬間こそが長距離レースからの脱落を自覚する時になる」

  • 下巻へ

  • 選挙について考えさせられる、本でした。下巻が気になります。選挙へは行っていますが、どこに入れていいかわからずこれではいけないと。政治家が何とかしてくれると考えていたものが、それではいけないと感じました。今の日本をどうしたらいいのか。こんな主人公たちのような政治家が今の日本には何人くらいいるのか…。

  • 選挙の前に読むべし、みんな選挙に行きたくなる。立候補したくなる?

  • 2002年、単行本で刊行された作品の文庫本化。衆議院議員総選挙に出る、若き候補者と、その候補者の高校時代の友人たちの物語。

    総選挙の背景として、小渕総理が倒れ、その後、自民党の密室の協議によって森喜朗が総理に担ぎだされるエピソードが描かれていることから、物語は1999年から2000年頃を想定しるものと思われる。

    この所になって、ようやく市民も、少しは関心をもつようになりつつ有りますが、この物語で描かれている頃は、まだまだ政治への市民の関心は低い時代。十年一昔といいますが、10年で、市民感覚はだいぶ変わった気がします。もっとも、その関心もごく一部の分かりやすかったり、面白そうだったりするところだけで、きちんと自分の意思を政治に活かしているとは言い難いのかも知れませんが。

    選挙に出るため作業、選挙に出てからの作業、それらあまり目にふれることのない事が、キチンと描かれています。そういう所が、この作品の臨場感を盛り上げているのだと思います。選挙の結末は・・・、映画にしたら、大きな歓声と共に映像がF.O.してく感じですね。

  • とにかく選挙には行きましょう。

    こんな政治家がいたら投票するのに。

  • タンザニアで読んだ
    という意味で思い出深い

  • 毎回思うことだが、真保氏は確かに、安心して読める。 当たりはずれの差が少なく、どの作品も一定の水準以上のものを発表してくれている、と思うからだ。 もちろん、今作もそのレベルに十分達していると思うのだが、読者である私が贅沢になっているのであろうか、終盤には物足りなさを感じてしまった。 展開が早すぎる、問題を回収出来てない・・・など、上下巻というページ数ではあったが、この物語を綴るには、それでも足りなかったのだろうと。 もっとじっくりと、天知と健一郎の選挙戦を味わいたかった。

  • すがすがしい。読み終わった後の一言目の感想はその形容詞がふさわしい。テーマが選挙というだけで重い印象を与えるが、やはりうまい。著者のうまさは毎度感服するが、今回も絶妙なバランスで繰り広げる。それぞれの背景の描写がいいため、単なる友情物語ではなくなるし、政治に対する著者の考えをおしつけるようなものもあまり感じない。が、政治を知りたいと思う人の導入本としてもいいのではないか。

著者プロフィール

真保裕一(しんぽ・ゆういち)
1961年東京都生まれ。91年に『連鎖』で江戸川乱歩賞を受賞。96年に『ホワイトアウト』で吉川英治文学新人賞、97年に『奪取』で山本周五郎賞、日本推理作家協会賞長編部門、2006年『灰色の北壁』で新田次郎賞を受賞。他の書著に『アマルフィ』『天使の報酬』『アンダルシア』の「外交官シリーズ」や『デパートへ行こう!』『ローカル線で行こう!』『遊園地に行こう!』『オリンピックへ行こう!』の「行こう!シリーズ」、『ダーク・ブルー』『シークレット・エクスプレス』『真・慶安太平記』などがある。


「2022年 『暗闇のアリア』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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