- Amazon.co.jp ・本 (440ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101272276
作品紹介・あらすじ
「隣に中国という国が存在することは、天が日本に与え給うた永遠の艱難である」。平気で歴史を捏造し、領土拡大の野望を抱き、軍事力の強化に狂奔し、環境汚染を撒き散らすそして毒入り餃子事件ではなりふり構わぬ責任転嫁と開き直り。その狡猾な仮面の陰に隠された恐るべき戦略とは?人口13億の「虚構の大国」の真実を暴き、わが国の弱腰外交を問い質す。著者渾身の中国論。
感想・レビュー・書評
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いやぁ、ずいぶん読みごたえありました。
内容が古い(2005年から2007年)というのが残念だが、過去を振り返るのにはよい。
安倍さんに対してすらかなり厳しいことをおっしゃっている櫻井さんですが、今の菅内閣に対しては、きっと激しい憤りと絶望をお感じになっていることでしょう…。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
2018/02/01 17:50:22
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中国は異星人なり。尖閣の問題はどうなったのか。民主党は? 自民はくだらない「罷免」論争。どうでも良いと思ったら仕舞だ。
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中国の戦略と戦術を説明し、日本の弱腰外交を質す。軍備を背景に威嚇するのではない。正当に話し合い、言いくるめられないようにすべき。それにしても中国の環境汚染はなんとかならないのか。中国産を食す気分が失せる。でも外食すると、絶対と言って良いほど、中国産に当たるのだ。2014.10.1
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どうやら、この本は2010年に出版(ハードカバーの方で考えると2008年)されたものなので、少し話題は古めです。
古め、と言っても安倍政権くらいの時期ですが。
この本は400ページを下らない大著ですが、内容もとても密で興味深く、惹きこまれました。
今、急激に発展を遂げている大国、中国。中国は、経済的に密着していて、もはや日本とは切っても切り離せません。
櫻井よしこさんはまず靖国神社参拝問題などで中国の姿勢を解析して、読者にわかりやすく示します。
中国の”国境=国力の大きさ”という考え方などの、中国外交の前提となるべき事実を提示してくれます。
そのうえで、いかにして、もしくはどうして、中国は台湾との併合や、アメリカの勢力排除を行うかなどの問題を提起します。
たくさんの取材の苦労が感じられるほど、裏付けのある前線にいる人たちへの取材も議論の材料に含められています。
この本を読むと、中国の負の側面が理解できることと共に、日本国への興味や愛着がわき始めます。
確かに、中国の外交はズルい。しかし、櫻井よしこさんは日本側の非も強調する。
外交の弱さ。これは本書を読んでいて、嫌というほど突きつけられた。もちろん、中国の外交は卑劣で矛盾にありふれ、噴飯物である。けれど、それは彼らの地盤が彼ら自身が上手く固めているからだった。
日本は、あまりにもへりくだり、譲歩する。これは日本人の良さであるとともに、弱点であると痛感しました。日本の外交は、自らの主張を貫く以前に主張がはっきりしない。
これでは当然外交など到底不可能です。そんなことが何度も何度も過去に合ったようです。
櫻井よしこさんは日本外交の過去からたくさんの例示を行い、説得力ある議論を展開します。
南京大虐殺について、櫻井よしこさんは強く否定的で日本人としての誇りが感じられました。
そもそも、僕はこの本を読むまでは南京大虐殺なんてどのようなものなのかわかりませんでした。怖い怖い。(っていうか事実じゃないっぽい)
読者も櫻井よしこさんの熱意が強く感じられるはずです。
個人的に、日本人であると誇りに思えるような部分もありました。
P.340 の南京大虐殺否定についての北村稔さんの講演について。そこでは日本人は偉いな、と感じられました。
P.360 も心温まりました。台湾の李前総統は、台湾が日本の支配下にあった時のことを「よかった」と語ってくれています。
やっぱり、日本は正常化を潜在能力として秘めているんではないかな、と思います。
とにかく、この本を読むと、日本への危機感を掻き立てられます。そして、日本をいい国にしていきたいと思えるようになります。
読者がこの本を読んで、『中国はダメだダメだ』という思考に陥って欲しくないと櫻井よしこさんは思っていると思います。
僕は、「中国はダメだダメだ」という思考はすなわち「中国人はダメだダメだ」という差別意識につながってしまうと思います。なので、われらが憎むべきは「中国共産党政府」と痛感しながら意識したいです。
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志の書、きちんとした分析にきちんとした、正しい憤りがある。
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そのソフトな語り口とは裏腹に、バリバリの右…否、超保守派の論客の
著者である。テレビのコメンテーターとして出演している時は、あの口調
なので聞き流してしまうことも多いのだが、読むという行為は著者の思想
を考える時間を与えてくれる。
「隣に中国という国が存在することは、天が日本に与え給うた艱難である」
この記述だけで大いに笑える。まぁ、笑っている場合じゃないくらいに中国
による世界征服は着々と進んでいるようなのだが。
日本のODAでアフリカの資源を買いまくり、その同じアフリカの国々に武器を
与える。アジア諸国とは領土問題を引き起こし、日本を抑え込む為に先の
大戦を持ち出す。その為の歴史の捏造なんて当たり前だ。
日本の教科書問題や歴代首相の靖国参拝にイチャモンをつけて、中国国内
の反日感情を煽る。周期的に中国国内で持ち上がる反日運動なんて、もう
恒例行事だよね。
日本外交はこんな中国に毅然と対応しなくてはいけないというのが著者の
言いたいことなのだろうが、引用されている資料の偏りを考慮に入れると
まるごと信じるのは危険な気がする。
それでも、中国という国はやっかいな隣国に変わりはない。そんな中国を
つけあがらせた責任の一般は現政権にもあるだろうな。
なんせ、尖閣諸島沖で発生した中国漁船による事件をうやむやにしたの
だから。あんなことをしてしまったから、ただせさえならず者国家なのに
増長しちゃったんじゃないのか。
そういえば、毒入り餃子事件でも結局は日本に謝罪してないよな、あの国…。 -
国益とは何かを考えさせられた一冊だった。日本の政治、日本の外交が招いた国益の喪失はあまりに大きく、取り返しの難しい局面にきていることを痛感した。中国の強かさと厚顔ぶりに驚嘆し、先を見通せない日本の政治家にあらためて落胆した。
また、作中に何度も何度も出てくる、「集団的自衛権」、「靖国参拝」について、私は賛成の一人です。 -
「隣に中国という国が存在することは、天が日本に与え給うた永遠の艱難である」。
そんな一文で始まる中国論。
歴史の捏造、領土拡大の野心、軍事力拡大、環境汚染etc...中国がどのように考え、
実際に行動してきたか、あるいは今後していくかが論じられるとともに、
日本の弱腰の外交についても厳しく指弾する。
日米関係の分断、台湾への侵略、外交カードとしての北朝鮮…といった話は、
ふとここ数年の出来事を振り返れば、思い当たる節が無数にあり、
中国の強かさ、えげつなさが際立ってくる。
本書は文庫版だが単行本が2008年に出版されていることを踏まえれば、
当事から尖閣諸島の問題などを指摘していた著者の議論は慧眼と言うべきだろう。
思えば、外交は国益のためになされるべきであり、
当たり前のことは当たり前のこととして実践され、議論される必要がある。
一方で、日本においては周辺のアジア諸国との関係はデリケートな話題でもあり、
忌避されるか、曖昧にするかでずっと数十年来ていたのだろうと痛感させられる。
皮肉な話だが、こうした中国の手法を学ぶことがむしろ近道なのかとも思える。
そのためには、「戦略」を教育するためのシステムが必要なのではなかろうか、
などと思いを馳せた。