- Amazon.co.jp ・本 (379ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101272412
感想・レビュー・書評
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国民は知らない。自分たちの財産を食いつぶす輩がいることを。新聞やテレビには報じられない闇があることを。しがらみにまみれ、権力、利権、欲望渦巻く日本の病巣―。中央官庁、司法、医療、教育など、国民生活に密接するこの国の中枢で何が行われているのか?26の組織や制度のアンタッチャブルな裏面に迫り、その知られざる素顔を暴く。会員制情報誌「選択」の長期名物連載。
シリーズ第一作。知らなかった方がよかったかも。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
眠れぬ夜にお薦め。この本を読めば、、、、腹が立って眠れません(^_^)b 市民がさほど意識しない領域が、一部の限られた関係者に食い物にされている事例が多数提示されている。NHK、相撲協会、原子力安全・保安委員会等々。情報量の多さを感じさせない簡潔かつ軽快な筆致は、背後にある膨大な取材記録を感じさせる。あの池上彰さんも巻末の解説で「慧眼に頭が下がる。」としている。
会員制雑誌「選択」の連載記事を、ライバル誌である新潮社が書籍化。こんな雑誌、こんな本があったんですね~。まだまだ、不勉強です。 -
私利私欲で国民の税金を掠め取ろうとする人々がいる。知らないところで何が行われているのかを浮き彫りにする。2016.10.17
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無記名は無責任
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「選択」といふ雑誌があります。本屋では扱つてゐなくて、基本的に宅配でしか購読できません。ゆゑに知名度は今ひとつでせうか。本屋に勤めてゐた頃も、問ひ合はせなどを受けた覚えは全くないのです。
これが「いきいき」になると話が違ひ、新聞に最新号の広告が出ますと、たちまち「ありませんか」と聞かれます。「書店ではお求めになれません」と明記してあるにもかかはらず、「書店にはない雑誌なんですけど、お宅(わたくしが勤めてゐた本屋のこと)には置いてゐませんか、と意味不明の問ひ合はせも珍しくありませんでした。あなた、自分で「書店にない」と言つてゐるぢやありませんか。
まあつまり、あまり「選択」は読まれてゐないのだな、と推測されます。総合情報誌との触れ込みで、真のヂヤアナリズムを標榜する「選択」。
扱ふジャンルは、国際問題、国内政治、国内経済、社会・文化の4ジャンル。タブーや聖域なく問題点を抉るとして、中中威勢が良いのです。
その「選択」にあつて、「日本のサンクチュアリ」なる連載があり、これが本誌の名物のひとつとか。ここでいふ「サンクチュアリ=聖域」とは、「公共事業や医療制度など、長年触れられるままであったがゆえに、無駄や利権の温床となってしまった、黒々とした領域」(「はじめに」より)を想定してゐます。おお。おお。
本書では、われわれ国民の財産を喰ひつぶし、生命すら脅かす組織・制度を遠慮なく弾劾してゐます。
交通安全協会・NHK・国立がんセンター・「独立行政法人」ども・厚生労働省・東京高等裁判所・児童相談所・入国管理局・日本相撲協会等等...まあこれらを読むと、わたくしどもの生命財産は実に危機的状況にあることが分かります。途中で読むのがイヤになりますなあ。ああ、日本つて...
多くの人の目に触れるべき内容かと思ひますが、「選択」編集長によると、あまり読者の獲得には積極的ではないやうです。「数を目的としないため、「選択」は余計なしがらみにとらわれることがない」(「はじめに」より)と書いてゐますが、いまいちその根拠が分かりませんね。
数をめざすことと、タブーに挑戦することは必ずしも相反するものではないと存じます。横槍が入れば、それをそのまま記事にすれば良い。せつかく大手マスコミが報道しないやうな記事を載せてゐるのに、解せない方針ではあります。
まあわたくしも別段「選択」の宣伝をするつもりもありませんので、良いのですがね...
ぢや、失礼。
http://genjigawa.blog.fc2.com/blog-entry-174.html -
日本の中にはうんざりするほどの聖域という名の利権がある。無力感ではなく、何とかしなきゃいけない、と思うエネルギーとしたいものだ。
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単行本で既読-追加部分読み中
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読み進むうちに暗澹たる気分になってきたので、この辺りで止めておこう。
原子力安全・保安院は今思えば慧眼だったね。 -
雑誌『選択』記事の文庫化。表層化する前の記事などはさすがと思わせる。1テーマ毎のページ数が少ないのでポイントのみの記述になってるのがやや不満だが、雑誌記事だからしょうが無いかな。
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問題点を発見する取材力は確かなものがあるが、一つのテーマについて掘り下げが少し弱いように感じた。
また、書いているうちに筆が滑ったように感情の迸りが見えるところや、問題点を指摘したうえでの改善すべきポイントの提案が少ないところが気になった。
ただ、一般メディアが触れにくい巨大な組織・業界にも気兼ねなく不正を暴き続けるこの雑誌は、社会を少しでも改善するために不可欠ではあるように感じる。