日本の聖域 ザ・タブー (新潮文庫)

制作 : 「選択」編集部 
  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (344ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101272436

感想・レビュー・書評

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  • 「選択」の名物連載の第3弾。どれも利権と既得権益の確保に群がる組織や個人の巧妙な手口を白日の下に晒してる。

    話題がまだまだ生々しいものが多いだけに、暗澹たる気持ちになるが、マスコミの喉元過ぎれば的な報道姿勢にも大いに疑問を感じる。世の中の番人を任じるのなら、一つの問題のその後を徹底的に見て行かないと、いつまでたっても問題は解決しないでしょう。

  • 年間購読制月刊誌『選択』の看板連載『日本のサンクチュアリ』の、新潮文庫化第三弾。2012年5月号からの25号分をまとめたものを、2014年7月に単行本で出版、、2016年11月に大幅に加筆の上、文庫化したものである。
    まず驚いたのは、冒頭で『選択』編集長が述べている、世界のジャーナリストらが参加するNGO「国境なき記者団」が発表している「報道の自由度ランキング」である。それによると、日本の報道の自由度は2014年度において180ヶ国中59位で、所謂先進国の中で最下位なのだという(更に、2015年度は61位、2016年度は72位)。その理由としては、ナショナリズムの高揚を担い特権を享受する記者クラブ制度を挙げ、また、福島第一原発の事故をめぐる報道の不透明さや、国会をするりと通り抜けた特定秘密保護法の成立などにも、外国の記者は危惧の念を抱いているのだという。
    そして、本書では、STAP細胞問題で注目された「理化学研究所」、今上天皇の生前退位の意向表明で改めて議論に上る「東宮」、秋篠宮悠仁親王のお茶の水女子大学付属小学校入学で揺れた「学習院」、2020年の東京五輪のカギを握る「スポーツマフィア・電通」、小池都知事が誕生した都知事選で突如脚光を浴びた「自民党東京都連」のほか、「公安警察」、「高齢者医療」、「農薬ムラ」、「児童養護施設」など、25の聖域に切り込んでいる。
    大手メディアの報道を鵜呑みにすることなく(或いは、報道されないことに無関心であることなく)、自らの生きる現代日本の実態を知り、問題意識を持ち続けるために、読む価値の大きいシリーズである。
    (2016年12月了)

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