橘花抄 (新潮文庫)

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著者 : 葉室麟
  • 新潮社 (2013年4月27日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (492ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101273716

橘花抄 (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

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  •  両親を亡くしたのち、筑前黒田藩の立花重根のもとに引き取られた卯乃、しかし重根が父の自害に関与したと聞き卯乃は懊悩のため失明してしまう。さらに立花一族に対し藩からの圧力が強まり…

     小説を読んでいて、登場人物の生き方に対し心の底からカッコいい、と思ったりすることってなかなかないと思うのですが、
    この小説に登場する人物たちは老若男女問わず、どの人たちもカッコよく、彼らの生き方を漢字で表すとしたら”清”という字や
    どんな苦境の中にあっても強く自分を持ち続ける姿から”凛”という字が思い浮かびます。

     お家騒動や恋愛事情、複雑な家族の来歴、刺客の存在と死、そんな様々なドロドロとしたものが描かれながらもこの作品を読んでいるとそうしたドロドロさは感じられません。それもひとえに登場人物たちの清らかさと凛とした強さのおかげだと思います。

     チャンバラシーンの読みごたえも十分で、時代小説の醍醐味を存分に味わうことのできる小説だったと思います。

  • 重根、峯均、卯乃各々の胸に秘めた思いと情が政局の流れに翻弄されながらも強くひたむきで、切なくも心温まる作品。願わくば、峯均の流刑が解かれたあとの描写がもっとほしかった。峯均の覚悟と強い信念に男らしさが満載で、蜩ノ記よりよかったな。

  • 「第二黒田騒動」とも呼ばれる筑前福岡藩の実際のお家騒動に絡めた物語。
    まず思ったことは、この方の描く話の登場人物はみな「覚悟」を知っているな、ということです。
    「腹を括る」ではなくて「覚悟」。
    貫く為に、例え理不尽に謗られ妬まれ疎まれようとも、動じない静寂の力強さ。それは己が定め決めた事の顛末に対して不服を持たない力強さでもある。
    主人公の卯乃が失明したときに預けられた家の姑りくは、香を聞くことを教えて、「ひとは匂いです」という。この表現には、権利主義や唯物主義になりがちな世に対して、表層のその奥に大事なものがある、と言われているようで、ぐぐっときました。
    あと毎度ですが、美術工芸品の描写がさりげなく詳しい(笑)
    香道具の意匠や茶席での茶碗の種類をそっと書いててでもうんちくくさくなくて、その彩りも、わたしがこの方の作品が好きなもう一つの訳。

  •  相変わらず格調高く凛として生きる人々を描く。だけど他の作に比して平板というか奥行きに乏しいような。いろいろ読み過ぎたのかもしれない。「蜩の記」のようなぎりぎりの切なさがない。普通に読めば十分水準作なんだけど、この著者ならばとつい思ってしまう。主人公の卯乃は魅力的ではあるけれど、その心根の揺れ動きもなんだか中途半端で一途さが感じられないのも減点要因か。

  • ストーリー構成・内容はほぼ想定の範囲。香道の話は新鮮。

  • 筑前黒田藩のお家騒動に巻き込まれた人々を描いた作品
    これ、事実が下敷きになってるお話しなんですね

    信じる道をゆく男
    運命に翻弄されながらも必死に生きる女

    凛とした人物たちが魅力的です

  • 黒田シリーズ。登場人物はかぶらないけど味わいはgood。

  • 6月-10。3.5点。
    藩の要職兄弟と、若い女性。
    清さを貫く人生。政治に翻弄される兄弟と女性。

    まあまあ面白い。

  • 卯乃にとって、恩がある人に嫁ぐことが大切。でも恩人の弟にこころ惹かれる。
    それに対して周りの人が協力的に動いていく。なんとも出来すぎ感は否めませんが、卯乃が可愛い性格だからか嫌味には感じられませんでした。
    最後の決闘のシーンは、確かに宮本武蔵を彷彿とさせました。

  • 151001*読了

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橘花抄 (新潮文庫)の作品紹介

両親を亡くし、筑前黒田藩で権勢を振るう立花重根に引き取られた卯乃は、父の自害に重根が関与したと聞かされ、懊悩のあまり失明してしまう。前藩主が没し、粛清が始まった。減封、閉門、配流。立花一族は従容と苦境を受け入れるが、追及は苛烈を極め、重根と弟・峯均の身に隻腕の剣士・津田天馬の凶刃が迫る。己の信ずる道を貫く男、そして一途に生きる女。清新清冽な本格時代小説。

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