木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったのか(上) (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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感想 : 73
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  • Amazon.co.jp ・本 (576ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101278117

感想・レビュー・書評

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  • 登場人物のほとんどを知らなかったし柔道の歴史に興味を持ったことすらなかったが、それでもおもしろい。下巻に続く終わりの盛り上げかたもすぐに続きを読みたくなる。この時代の人たちが皆、ここに出てくる人物たちほどではないにしろ、いまよりは圧倒的に芯の太い人間は多かったことだろう。

  • 木村政彦の本読んでるだけなのにどんどん戦前戦後の柔道界に詳しくなっていく。そんなことまで知りたかったわけじゃない。そんなに格闘技ファンではない。そして肝心の木村政彦に肉薄してるとは思えない。木村政彦の本だって言いながらこの作者は全柔道史を書きたいだけなんだ。木村政彦はダシにされただけだ。このタイトルつけて読ませようとした作者の姿勢が気に入らねえ。

  • 夕刊紙を思わす非常に煽情的かつ作為的なタイトルである。しかしこのタイトルがなければ上下巻1200頁弱の本書に手を伸ばそうとは思わなかっただろう。「木村の前に木村なく、木村のあとに木村なし」とう表現は知っていたが所詮、力道山の計略に嵌って敗れた漢という認識しかなかった。著者は忘れられた柔道の鬼の無念を晴らすかのように木村の柔道半生を克明に時には執拗に描き切る。展開の遅さに苛立ちもするが敗れた男という先入観を振り払う為には必要な作業だったと思う。上巻末にてついにグレイシー一族登場!物語は急転直下の様相を呈す。

  • 木村政彦はまさに大日本帝国が生んだ怪物だったといえる。精神論に基づいたハードなトレーニングによってまさに史上最強にふさわしい柔道家が木村である。

    上巻では木村政彦が史上最強になるまでのエピソードを中心におっていく。

  • 上下巻合わせて1200ページ位。専門的になりすぎる部分もあります。
    講道館がスポーツとして柔道を確立する以前、柔道以外の凡ゆる者と戦う事を想定していた時代の柔道。
    その柔道における史上最強の選手が木村政彦。
    生活するためプロレスラーになるが、慢心、油断から力道山に負ける。プロレスの興行としての本質を暴きながら、グレイシー柔術の台頭により木村政彦が最強であったことが見直される。

  • まだまだ知らないことっていうのは色々あるなあ、と。
    柔道やってたのに…。

  • 上巻は木村政彦と力道山の戦いというより、木村政彦をはじめとした柔道の歴史ノンフィクションといった方が正しい。しかも、講道館が伝えてこなかった部分を明らかにするという強い意志を感じた。
    作者の熱量が文章の端々から伝わってくる。実は柔道の正しい歴史なんて大して興味がなかった自分がどっぷりハマッてしまった。下巻も楽しみだ。

  • 格闘技ファンにはたまらない内容。筆力・構成力も圧倒的。

  • 面白かったのは勿論だがとにかく凄かった。子供の頃柔道を9年間やってたけど、残念ながら木村政彦のことを知らなかった。こんな強い柔道家がいたのか。柔道の歴史もいわゆる講道館柔道しか知らなかった。格闘技全般好きならぜひ読んでほしい‬

  • 柔道に造詣のない私でも楽しく読みました。歴史の表舞台から消されてしまう真実はどこにもあるのですね。戦前戦後の柔道の系譜や歴史を学べたのと同時に、当時の猛者たちの武勇伝は、本当の意味で武勇伝だと感嘆しました。

著者プロフィール

1965年生まれ。小説家。北海道大学中退後、新聞記者になり、 第5回『このミステリーがすごい!』大賞優秀賞を受賞して2007 年『シャトゥーン ヒグマの森』(宝島社)でデビュー。2012年、『木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったのか』(新潮社)で第43回 大宅壮一ノンフィクション賞と第11回新潮ドキュメント賞をダブル 受賞。他の著書に『七帝柔道記』(KADOKAWA)、『木村政彦 外伝』(イースト・プレス)、『北海タイムス物語』(新潮社) などがある。

「2022年 『猿と人間』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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