雪えくぼ (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 65
感想 : 10
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  • Amazon.co.jp ・本 (334ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101278513

感想・レビュー・書評

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  • 個人的にすごく気に入った一冊になった。
    最後にページを捲り直してみたりして、そういうことだったのかと不思議にため息がでた。
    他の作品も読んでみたい。

  • いつの時代も人を支え、励まし、裏切り、慰めるのは人なのねぇ

  •  小樽を、北海道を、開拓の時代を、江戸の末期から明治大正を描く蜂谷涼さん、惚れています。「雪えくぼ」、2009.8発行。かわうそ二匹、藤かずら、抱え咲き、名残闇の4話、読了して連作とわかりました。「ひとを恨むな。羨むな。」我慢に我慢、辛抱に辛抱を重ねる会津の若後家、りつに幸あれと。(藤かずら) すずを養女に迎えた絹代の愛と気風の良さに感動、それに応えられないすずに意気消沈w。同級生であり女中となったハルの本心に驚愕するも、人の世の習いと納得。(抱え咲き) 読み応えがあり、後を引く作品です。

  • 艶やかな時代短編集。
    ページを開いてすぐの濡れ場シーンに圧倒されるものの、嫌らしい印象は受けず。
    その場の空気が匂ってくるような巧みな文章。
    ミステリー調の仕掛けもあり、かなり楽しめた一冊。

    他の作品も読んでみたい。

  • 最後でなるほど、うまくだまされた。

  • 2015/07/22ブックオフオンラインにて購入
    2015/11/10読み始め
    2015/11/16読了

  • ハッキリ言って気に入った! 最初、エロっちいところから始まるし、その表現もなまめかしいので、『もしかして官能小説?』って思っちゃったのだけど、そういうところもひっくるめて、超好み!! 内容は、中編4つにわかれていてそれぞれ舞台も違うし、時代も、明治にはかわりないけど少しずつずれていて、主人公も違えば、その年齢層も違う女性のひとつの恋(というよりは愛憎?)のお話。ただ、どの話にも、左目が義眼の男(それぞれで名前が違う)が出てきてその男の手が、それはそれは官能的に描かれていて、決して手フェチではないわたしもドキドキしてしまう。そしてまた、この男がとても暗い影を纏っている。ん?、謎の多い男。だけど、役者のような端正な男前らしいとくれば、もう、読まずにはいられませんでした。 そして、期待の遥か上を行くおもしろさ。 官能あり、人情あり、ドロドロの昼ドラチックな愛憎劇あり、ミステリーあり、で、時代小説・・・。 最高でした。

  • タイトルはかわいらしいですが、開けばあらあら。
    読んでるだけで妊娠してしまいそうな一冊です。
    ページをめくる指先が粟立つ、って児玉清さんも仰ってますがまさしくその通り。

    男女で印象はまったく異なるだろうし、
    女性でも「あるよねぇ」って苦笑して受け入れる人と
    「ありえない!」と否定する人とはっきり分かれると思う。

    のっけから濃厚な官能シーンで始まるのですが、こと終わった後の生臭さみたいなものは感じさせずに日々の営みを淡々と綴る筆致に誘われ物語が進んで行きます。
    ホント同じ人間が書いているのか?
    と疑いたくなるほどなんですが、細やかな女性の視点にブレがないのでおそらく同一。よっぽど筆が立つ方なんでしょう。

    悪い男しか持ち得ない優しさと鋭さに女は芯からとろけてしまうんだろうなぁ。
    添い遂げる相手ではないけれど、女にきっかけを与えてしまう男。
    ファム・ファタル(運命の女)の逆バージョンの役を演じている銀二は裏主人公といえるのでしょう。
    まぁ、保身のためには近づきたくないですが目を離せない男性です。

    人は0.1秒で恋に落ちるらしいのでこういう成り行きもありかもね

    文庫本の表紙絵が繊細ですごく綺麗です

  • このジャンルではひさしぶりの自分ヒット。
    気持ちいいくらい見事に欺かれた。

    他の作品も読んでみたい。

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著者プロフィール

1961年小樽市生まれ。北海道を拠点に執筆活動を行なう。
2008年『てけれっつのぱ』(柏艪舎刊)が劇団文化座により舞台化され、同舞台は2008年文化庁芸術祭大賞受賞。
主な著書に『落ちてぞ滾つ』、『いとど遙けし』、『雁にあらねど』(各 柏艪舎)、『雪えくぼ』、『舞灯籠』(各 新潮社)、『夢の浮橋』(文藝春秋)、『蛍火』(講談社)などがある。

「2018年 『曙に咲く』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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