夫婦脳―夫心と妻心は、なぜこうも相容れないのか (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (230ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101279527

作品紹介・あらすじ

細かな出来事をすべてことばにする妻に、まとめて話ができないのか、と眉間に皺を寄せる夫。しかし、男性に比べ、女性は感じたことが即ことばに上る脳のしくみを持っている。これは、家事や子育てをこなすために欠かせない能力。そんな違いを理解できれば、ときめきの時代を過ぎた夫婦も、お互いが愛しく思えてくるもの。脳科学とことばの研究者がパートナーたちへ贈る応援エッセイ。

感想・レビュー・書評

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  • 著者によると、そもそも男性と女性では右脳と左脳をつなぐ神経線の束が、約20%女性の方が太いのだそうだ。
    だから、右脳と左脳の連携が良く、感じたことが即言葉になって、おしゃべりが延々と続くと。
    納得!(笑)
    その他、男女脳の違いを脳科学の立場から説明されており、なるほどなるほどの連続。
    また、熟年夫婦への助言として、たがいに「明日への希望」を灯しあうこと、とか日常生活で参考になる事々。
    世の夫婦への「応援エッセイ」として、読んでみるのもよい。

  • 全ての人間がこの本に書いていることが当てはまるわけではないが、ある程度の脳の仕組みを理解しておくことで、人への理解が増し、大きな器で接することができるようになる。
    著者の家族のほっこりするエピソードもあって、読みやすい。
    そして、息子さんがとてもとても人の心がわかる子だなぁと感心した。

  • 男性と女性の考え方のちがいについては、たくさんの本があります。
    しかし、内容は似ていたとしても、自分にあった文章でなければ読み進めることはできません。
    以前、「ベスト・パートナーになるために」(ジョン・グレイ著、大島渚・訳)を手にとったことがありますが、有名な著書にも関わらず、私は読み進められませんでした…

    そんな私が、先日手にとって、読み切れた本が黒川伊保子さんの「夫婦脳」というエッセイでした。
    実は、最初は小説だと思って読み始めたのは、余談です。

    脳科学とことばの研究者である著者が、「男性脳」「女性脳」の視点から、夫婦のすれ違いについて語っています。
    男性脳・女性脳の違いがわかりやすく説明されており、さらには「じゃあその違いをふまえて、どうしたらいいの?」というところまで、アドバイスしてくれています。

    この本の好きなところは、黒川さんご夫婦や息子さんとのやりとりエピソードが入っているところです。
    「あー、わかる!夫とこういうすれ違い、あるある!」と、うなずいてしまうし、「なるほど、こういうとき私のアタマはこんな風に考えていたのか。夫はこういう思考だったのか」と、自分自身に置きかえられるので、おもしろいのです。

    さらには、脳科学からみた各年代の命題も教えてもらえます。
    私はいま30代ですが、30代は「社会が見えてくるからこそ混迷を極める」年代なんだそうです。
    なるほど。
    確かに私の人生はただいま絶賛、混迷中です(笑)
    でも、脳科学的にそんな生き方に、お墨付きいただけて、非常に励みになりました。

    本書は第1部の夫婦脳と、第2部のプロポーズ・アゲインに分かれています。 
    第1部は非常におもしろく読み進めましたが、第2部は脳というより、ことばについてよエッセイなので、ピンとこないものもありました。
    また残念なのは、もくじが非常に見にくいことです。
    「/」で、各エッセイタイトルを羅列してあるのですが、読み返そうと思ったときに、とても探しにくくて、困りました。
    もくじは本当に大事です。
    本を買うとき読むとき、もくじにときめかないと、それだけでサヨナラしてしまうこともありますからね。
    ということで、☆4つにしました。

    こんなうーん、もう一歩!ポイントはありますが、第1部の夫婦脳だけでも、読んでみていただけたらな、と思います。
    特に、黒川さんの息子さん…その言動がすごい。
    「あー!こんな言葉でわたしもねぎらって!」という言葉を、バンバン放ってくれるのです。
    こんな旦那さんだったらな~と思ってしまう息子さんの言動、ぜひ味わってみてください。

  • 黒川伊保子さんによる夫婦の脳の違いについての本です。

    黒川さんの文章は、分かりやすく楽しく解説してくださるので、いつも一気に読んでしまいます。
    『成熟脳』『妻のトリセツ』から『夫婦脳』に来ました。

    「vol.12夫を立てることの効用」の内容はそのまま職場で使えそうです。
    男性の考え方の解説がとても勉強になります。

  • これは、ぜひ読んでほしい。
    なるほどそういうことだったのか、と納得したり、あーあるある、とニヤッとしてしまう

    この本に書かれていることは夫婦の脳の違いだけではない。
    20代30代40代50代、加齢による脳の仕組みから「そうなるようになっている」と知ることが人生を悲観せずに生きるコツだと私は感じた

    七年周期でやってくるアレやコレについてもとても興味深く、この本はきっと再読する。

  • 以前、とてつもなく底なし沼だった頃、黒川さんの本を紹介してくれた人がいる。
    脳がそもそも違うって・・・だから、考え方とか捉え方が異なる。
    言われれば納得するけれどね。
    それを実践実行できることは、また難儀であると思う。

    • 猫丸(nyancomaru)さん

      「言われれば納得するけれどね。」
      納得は、辛抱しようと思う気持ち?仕方ないと思う諦め??異論があるかも知れませんが女と男しか居ないので...

      「言われれば納得するけれどね。」
      納得は、辛抱しようと思う気持ち?仕方ないと思う諦め??異論があるかも知れませんが女と男しか居ないのですから、お互いが譲歩出来ると良いですね。。。
      でも、やっぱり歩み寄るのは女性かなぁ?(縁あって結ばれたのだから、仲違いせずに過ごせると良いですね)
      2014/04/15
    • karinさん
      nyancomaru さん
      そうですね!
      本当にその通りです。
      本の内容もその通りなんです。
      仲違いせずに、うん、いい言葉です。
      nyancomaru さん
      そうですね!
      本当にその通りです。
      本の内容もその通りなんです。
      仲違いせずに、うん、いい言葉です。
      2014/04/24
    • 猫丸(nyancomaru)さん
      黒川伊保子の次作は「家族脳: 親心と子心は、なぜこうも厄介なのか」ですって、、、
      PR文には「接し方を少し変えてみれば」とありました。人間...
      黒川伊保子の次作は「家族脳: 親心と子心は、なぜこうも厄介なのか」ですって、、、
      PR文には「接し方を少し変えてみれば」とありました。人間関係の打開は視点を変えてみるコトなんでしょうね。。。
      2014/04/30
  •  この本を読むと気持ちがラクになります。
     そうか、男性である自分は、男性脳の持ち主だからこんな思考回路になるのか、と自分の言動を責めずに見つめ直せるからです。
     脳の働きの違いを開き直るのでなく気づきと捉え、「夫婦は一心同体」(このことばの本当の意味も書かれています)を目指せる本です。

  • 色々腑におちました!
    主人からの読んでみたら、っていう提案。
    珍しいことなので、早速読んでみて還暦すぎたからこそ、素直に頷けることも多く、もう少し早くよんでいたらなーーって思いました。
    これから夫婦になる人、一読おすすめします。

  • 自分メモ

    4 まったりとした時間を必要としている男性脳。女は1日二万五話す必要がある。共に暮らす男性脳は、垂れ流される言葉にストレスを感じてしまう。
    右脳と左脳の連携が頻繁ではなく、それぞれの半球を局地的に使う癖がある。感じたことを言葉にする際に、まず右脳のイメージ処理の領域で事柄を整理する必要がある。だから男たちは結論からものが言え、簡潔に取りまとめることが得意。ただし、事象をイメージのまま、無意識にぼんやりと整理する時間が必要。このまったり時間は8歳までの男女に生じる。空間認識力を司る小脳の発達臨界期にあたり、この年齢までにおおよその基礎力ができあがる。
    女の子ー理系や芸術センスがある子は幼い頃かなりぼんやりしている
    男の子ー全般に著しい


    6 ピンチをチャンスに変える
    詰られたら理由がどうであれ真摯に言い分を聞くべき
    不快な気持ちにさせたことを謝る それをせずに言い訳したりするから気まずい雰囲気が残る

    なじる人は傷ついている
    こう思えるかどうかで大きく違ってくる
    なじる人は傷ついている
    まずはその傷を癒さなければ
    言い訳も説得もその後だ

    なじる人はあなたを頼りにしている
    裏切られたとおもいこんで傷ついている

    なじられた瞬間は愛情を表現できるチャンス?
    機嫌のいい時に表現するより何倍も効果がある

  • なるほどそういう考え方は、素敵と感じさせられる。
    良いことも悪いことも全ては自分の捉え方次第とはよく言ったもので。

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著者プロフィール

黒川伊保子(くろかわ・いほこ)
1959年長野県生まれ。奈良女子大学理学部物理学科卒業。
(株)富士通にて人工知能(AI)の研究開発に従事した後、コンサルタント会社、民間の研究所を経て、2003年(株)感性リサーチ設立、代表取締役に就任。脳機能論とAIの集大成による語感分析法を開発、マーケティング分野に新境地を開いた、感性分析の第一人者。また、その過程で性、年代によって異なる脳の性質を研究対象とし、日常に寄り添った男女脳論を展開している。人工知能研究を礎に、脳科学コメンテーター、感性アナリスト、随筆家としても活躍。著書に『恋愛脳』『成熟脳』(新潮文庫)、『人間のトリセツ ~人工知能への手紙』(ちくま新書)、『妻のトリセツ』(講談社+α新書)、『定年夫婦のトリセツ』(SB新書)、『息子のトリセツ』(扶桑社新書)、『思春期のトリセツ』(小学館新書)、『恋のトリセツ』(河出新書)など多数。

「2022年 『女女問題のトリセツ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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