家族脳: 親心と子心は、なぜこうも厄介なのか (新潮文庫)

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  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (190ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101279541

作品紹介・あらすじ

「それはダメ」「勉強しなさい」と言っていませんか? その口ぐせは子どもの才能を萎縮させているかもしれません。「男として、カッコ悪いよ」と言うと、ヤル気も湧いてくるもの。接し方を少し変えてみれば、夫の無神経さや舅の頑固も愛おしくなるはず。尊重しあうことで、家族の絆はきっと深くなる。脳と感性の研究者であるリケジョが綴る、愛情溢れるヒントが満載、痛快エッセイ!

感想・レビュー・書評

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  • たくさんの方に読んでいただきたい本!
    「脳」というとむずかしそうだけど、黒川さんの本は毎度読みやすく、心に入ってくる。
    子育て前にも、読みたかった!
    これから子育ての方、子育て中の方にはもちろん、誰もににオススメ。
    鈴木おさむさんの解説までおもしろかったー。

  • 「勉強しなさい」⇢「どうして、勉強する気になれないのかしら。ハハに協力できることはない?」

    「申し訳ない。あなたがうまく起きれないのは、ハハのマネージメントが悪いからだわ」

  • 黒川先生の男性脳、女性脳の講演を聞いたことがあり、ふと手に取った一冊。子供がいなくても自分の子供の頃に置き換えて読むと面白い。ただ、著者の息子自慢ややや鼻についた。28歳くらいまでは単純記憶のピーク、40代から始まる物忘れは「とるに足らないこと」の回路がわかり、判断力がつく。50代以降の脳の使命は、本質を見抜き、若い人たちを毅然とみちびくこと、という説明に元気をもらう。子育て中の人もそうでない人にも十分にためになると思います。

  • 子どもとの向き合い方を反省するきっかけになった。
    何度も同じことを飽きずに繰り返すのは、「繰り返し」の実験をしているから。子どもは迷惑をかけようなんて意地悪なことは考えていない。純粋な興味で行動している。
    自分に余裕がないとき、イライラして声を荒げてしまうけど、時間が許す限りは子どもの自由にさせて、付き合ってみよう。
    それと、スマホをオフにしよう。

  • 黒川氏のエッセイなのか、専門書なのか微妙なラインのシリーズ3冊目。
    最近は男女で脳の違いはない、という学説が主流のようだが「脳梁の太さが違う」ことに起因する違いについて、「太さが違うけど影響はない」という否定の仕方ではないので、彼女の主張をよく読んでいる身としては???となる。

    タイトルほど、親子が理解しあえないという話ではない。
    というか、親バカも入っているとしても、彼女の息子氏が良い男すぎて素晴らしい。

    最初の章に記載のある「生まない女性脳」のところで不覚にも泣いてしまった。

  • 家族脳:親心と子心は、なぜこうも厄介なのか。黒川伊保子先生の著書。脳科学の女性研究者がとてもわかりやすく親心と子心の違いや良好で適切な親子関係を作るための方法を説明してくれている良書です。親であれ教育者であれ、子供との関係に悩んでいる人や子離れができない人にとって得るものがいっぱいな内容です。

  • 筆者は脳科学者ではないので、学術的ではないけれども…読み物としてはとても興味深かったし、参考になった_φ(・_・
    既に反抗期真っ盛りの12歳の息子には「男としてカッコ悪いよ」という魔法の⁈言葉は、もう使えないけどね(~_~;)

  • 【子育て・教育】家族脳 /黒川伊保子/20160318(35/461)<190/35973>
    ◆きっかけ
    ・?

    ◆感想
    ・母の子供への愛で溢れている本(涙)
    ・副題に惹かれて重い内容を想像していたが、楽しく、ほのぼの、だたそれだけでなく、著者の脳科学のバックグラウンドを活かした、とても分かりやすい脳についての解説があって、夫婦、親子、男女等々への接し方にとても参考になった。
    ・こう思えるように子育てができればな。つい目の前のことで手いっぱいだけど。
    ・先般読んだ、家族という病を著者のような女性もいれば、本著のように読み手を明るくさえ、ほのぼの涙を流してしまうようなエッセイを書く女性もいる。この差はいったい何んなんだろう。

    ◆引用
    ・子育てとは、自分自身の育ちのやり直しでもある
    ・子育てとは、溺れかけていて泳いでいるような、必至の毎日。
    ・子育てとは、どんな大きな業績にも換えられない。
    ・子(が20歳になったとき)、「育てた方は、感慨あるだろうね。ありがとう」
    ・幼少時はなんでもやらせる。脳の壮大な実験を中断させない。思う存分、ぼうとさせないと、理系やアート的な力が育たない。
    ・嬉しそうな表情の人は、人間関係がとても楽になる。
    ・正式なパーティーでなくても、落ち着いたバーや飲み屋でもいい、大人になりたての子供を連れていけるような、大人の場所を作っておく。
    ・放っておいたほうが育つ才能もある。小さい頃からのおけいこごと三昧は、子供にとっては仇となることもある。特にアート関連。ほめて育てると、伸びない。
    ・禁止されていることのほうが、子供の好奇心を掻き立てることもある。
    ・自ら出会った好きな物が、将来奇跡を起こす可能性が高い。
    ・夫に思いやりがない、妻にウエストがない、子供にやるきない=>すべて糖質過多の食生活による家庭の病理。
    ・空腹時にいきなり糖質過多の食品(甘いお菓子・果物、白い炭水化物、アルコール)を摂取すると血糖値が跳ね上がる。
    ・血糖値をいきなり上げない食品(=低GI、野菜、豆腐、そば、玄米、雑穀米)。油と一緒にとる。
    ・食事とは、脳のために栄養素を確保する作業。家族の脳は毎日の食生活にかかっている。
    ・互いにイラっとしてむかつくけれど、結果生き残れる、ことが夫婦という単位の真の目的。
    ・配偶者に耐えられないこともあるが、生物多様性の論理にのっとって、相いれない相手と、つかのまの相席(何万年も連綿と続く遺伝子の旅からすれば)を楽しむのが人生と思っていれば、すれ違うことも面白くなってくる。
    ・機械的に知の結果を詰め込むことの弊害。7+8=15になる。7も8も中途半端な数なのに足したら、キリの良い数になる。
    ・他人の立場でものを考えられる人=周囲に大切にされる人。
    ・どうして勉強する気になれないの?協力できることはない?
    ・家族は互いをアシストする関係。親は子供のサポーターであり、マネージャーであり、人生のプロディーサー。だからなじる暇はない。戦略を考え、戦術を実行するのみ。
    ・5時半台に起床する人は、一日中意欲的。
    ・息子に、「母も惚れる、いい男になってね」と言い続ける。やさしくできないなんて、かっこ悪い、だからちゃんとやろうね。等々
    ・それが何故男としてカッコ悪いの?=>私がそう思うから。私は自分の息子を世界一かっこいいと思って生きたいもの。
    ・共感:言葉の反復が基本。
    ・大切な母に○○して申し訳ない。
    ・男性脳故、家事や育児を思いやりで察してやって、なんて土台無理な話。
    ・男子の机や本棚を勝手に片付けてはならない。テリトリを決めてやり、放任するほうが、情緒が安定する。
    ・質問力こそ知力。発見は、疑問の形で浮かぶ。その疑問をテーマに、他者とやりとりすることこそが知の枠組みの構築。最終的な答えを得るのは、その枠組みにデータを入れるだけのこと。頭のいいのは、そうした枠組みを多く持っていることであり、データを沢山蓄えたことではない。
    ・母にも分からない。でも本当に不思議。将来、勉強して分かったら、教えて頂戴。
    ・いつも期待をかけて下さってありがとうございます。
    ・小学校の先生:人生初の社会的関係を紡ぐ大人。安易に揶揄すると、他人を信じる力を失う。
    ・おいらは抱きしめてほしいだけ、部屋が汚くても構わない。
    ・兄弟がいる場合は、個別に集中する時間を作るようにする。
    ・言葉の発達期:意味だけではなく、音の響き、発音したときの筋肉の動き、表情等、脳が受け止める感情情報は多く、これが意味以上に深く脳に刻印される。
    ・一家に一つ、レトロで手にかかるものを大切に残そう。包丁等。包丁研ぎを夫から息子へ伝承。
    ・13歳の脳は最も危うい。脳の構造が劇的に変わったのに操作に慣れていない状態。
    ・15歳の脳は大人脳の完成期。あなたの脳にしてあげられることはない。子育てはここでおわり、後は親友になろうね。
    ・自分の為の逃げの嘘はダメ。優しい嘘をつかなきゃいけないときもある。ただし、その美点に本当に心酔していなかったら、それは狡猾な嘘に過ぎない。
    ・50大の脳の使命:本質を見抜き、若い人たちを毅然と導くこと。
    ・人生の付加価値。その人がどれだけおもしろそうか?が大事。付加価値があると思われる人の発言には重みがあるし、皆傾聴してくれる。どうしたら自分の付加価値が出るか?=>だから実績が大切??
    ・どんなについらいことでも、周囲におもしろく話すと前向きになれる。
    ・脳の成長的に
     -28歳まで、がむしゃらにこなす。
     -28歳超:がむしゃらさを失い、重ねた体験をもとに洗練されていく
     -50代:本質的な成功回路に、瞬時に迷いのない信号が神経回路に流れるので、決断力が半端ない。
    ・女性は無駄に傷つかないこと、男性はことばを足すこと。
    ・人生の前半は、誰もが期待する優等生の答えを素早く出す能力が高く評価される。ところが、人生の後半は、その人にしか出せない、味わい深い答が要求されるようになる。
    ・この国は手っとり早く優等生になれる小狡いマニュアル本であふれている。透明人間になる本。

  • 2015.11 課題図書

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著者プロフィール

黒川伊保子(くろかわ・いほこ)
1959年長野県生まれ。奈良女子大学理学部物理学科卒業。
(株)富士通にて人工知能(AI)の研究開発に従事した後、コンサルタント会社、民間の研究所を経て、2003年(株)感性リサーチ設立、代表取締役に就任。脳機能論とAIの集大成による語感分析法を開発、マーケティング分野に新境地を開いた、感性分析の第一人者。また、その過程で性、年代によって異なる脳の性質を研究対象とし、日常に寄り添った男女脳論を展開している。人工知能研究を礎に、脳科学コメンテーター、感性アナリスト、随筆家としても活躍。著書に『恋愛脳』『成熟脳』(新潮文庫)、『人間のトリセツ ~人工知能への手紙』(ちくま新書)、『妻のトリセツ』(講談社+α新書)、『定年夫婦のトリセツ』(SB新書)、『息子のトリセツ』(扶桑社新書)、『思春期のトリセツ』(小学館新書)、『恋のトリセツ』(河出新書)など多数。

「2022年 『女女問題のトリセツ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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