墨攻 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 982
感想 : 147
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  • Amazon.co.jp ・本 (170ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101281124

感想・レビュー・書評

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  • 中国を舞台にした小説は、ほとんど読んだ記憶がありません。古本屋で見つけて、ちょうど時間潰しに良さそうな厚さの文庫本でしたので、全く期待しないで読みましたが、面白かったです。英雄的な主人公の戦略に魅せられます。墨子の思想というものを少し掘り下げて知りたくなりました。

  • たしか、漫画に掲載されたものを見て、文庫を手に取る。春秋戦国の世に、このような技術集団が本当にいたのだろうか、始皇帝の焚書坑儒が惜しまれる

  • 中国の秦の時代の前の戦国時代を舞台にした小説である。墨守と言う言葉の元になった墨子という人物または集団があったそうで、詳しく知られていない彼らを物語の主人公においたものである。守りの傭兵という設定で、地方の小城に依頼されて大軍に対する、という内容である。戦闘場面が多いものの、一気に読ませる筆力がある。中島敦記念賞受賞作品だそうだが、確かに大作ではないが、独特で実力のある一級品という感じは中島敦の作品に似ているようにも思う。

  • 「任侠」に重きをおく墨子は、非攻を掲げながら、一方では戦争のプロ集団を組織する一見矛盾したような思想家です。墨子の教えを代々守って、この教団は細々と続いてきたのですが、大国秦の台頭とともに消失しまったそうです。この小説はその不思議な教団の職業軍人、革離が主人公。戦闘のプロが徹底した守城戦をくりひろげます。

    延々守城戦の話ですが、革離の指揮の見事さにあっという間にページ数が残り少なくなり、勢いで読める本です。非戦・非攻を唱える集団が、ここまで見事な守城戦を繰り広げるとは・・・。緻密に研究、練り上げられた作戦と兵器。革離の肝の据わりっぷり。すごいです。集団をまとめあげるのもまた驚き。恐怖と規律で民衆の心をつかみ、造反者を出しません。兵器がどれだけ優れていても、扱う人の心が一番重要なんだもんね。ああ難しきは人心掌握かな。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「一見矛盾したような」
      人間の存在自体矛盾していますが、、、
      此れを読む前に、知人から絶対好きになるからと、コミックを薦められて読みました(...
      「一見矛盾したような」
      人間の存在自体矛盾していますが、、、
      此れを読む前に、知人から絶対好きになるからと、コミックを薦められて読みました(原作と異なる部分については書きません)、それに感動したので原作を読んだら、結構淡々としているなぁと思いました。いつかはDVD借りて映画も観たいです。
      2012/11/02
    • moji茶さん
      >nyancomaruさん
      映画のCMはとても格好良かったですね。コミックは、絵柄が好みじゃなくて手をだしませんでした(笑)。私も映画は観て...
      >nyancomaruさん
      映画のCMはとても格好良かったですね。コミックは、絵柄が好みじゃなくて手をだしませんでした(笑)。私も映画は観てないのですが、主人公役がイケメンだったので今でも気になってます。
      2012/11/03
    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「映画のCMはとても格好良かった」
      そうなんだ、と言う訳でYouTubeで見ました。
      なかなか派手っぽい!これなら面白そうです。
      「映画のCMはとても格好良かった」
      そうなんだ、と言う訳でYouTubeで見ました。
      なかなか派手っぽい!これなら面白そうです。
      2012/11/09
  • 酒見さんの作品で一番読みやすい。ので是非。

  • ストイックすぎるお話し

  • 面白かったです。 スラスラ読めます(読了タイム2時間くらいだったか)。作者の文体は良いからでしょうね。
    話も良く出来ていて、これを映像化したいと思いながら読んでました。映画になるのも分かる

  • 墨子の弟子、革離一人で城郭を守る。裏切りで横死する点が、漫画と違う。マンガはその後まで続いていく。墨子軍団の思想を抑え、息詰まる文章力である。

  • 発想がいい。思想家集団の中の、戦闘特化のスペシャリストという設定だけでもう面白い。

  • 戦国時代の墨家を現代からの解釈で描いた作品
    ひととき隆盛しながらなぜ突然断絶したのか
    教理と実践が結びついていないのになぜ一定の支持を集めたのかといった
    魅力的な謎が描かれる
    当時の諸子百家にあって
    そもそも現在との前提の違いがその鍵でありミステリであり歴史ファンタジー
    前半導入は良いけど
    後半冗長過ぎかも
    あとがきも相俟って

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