- Amazon.co.jp ・本 (170ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101281124
感想・レビュー・書評
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最高に面白い
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酒見賢一さんの墨攻。
どこで見聞きし興味を持ち読んでみたいと思ったのか忘れたが古本屋で発見し購入した。
すごく薄い文庫本で表紙もなんかユルいので不安はあったが気になったら読まずにはいられず読んでみたのですが、凄く面白かった。
前もって知っておく必要のある事もなくシンプルに楽しめます。
強いて言えば、戦国期などの攻城戦や籠城戦に興味があれば楽しめると思います。
本当にこんな事が出来る人達、思想を持った人達がかなり昔に存在したのかと疑いたくなるほどよく出来ていて爽快でした。
2022/7 -
守るに徹する戦い…
こんな戦い方もあるんだ!というのと、やはり戦は残酷だな…というのと…
スピード感あって、あっという間に読めました。
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たまたま書店で見つけて購入。茶化した感じの軽いノリの小説かと、言わば“半信半疑”で読み始めた。しかし、良い意味で予想を大きく裏切り、大変よくできており面白くてならなかった。お勧めの1冊。
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支那の凄まじい“胃袋”を以てなほこの辺はアレなんぢゃねえかと思はれる異常な思想集団、墨子。
それの技術や思想は、一応五斗米道とかで一応残ったが、「戒厳令下の平和主義」といふ異常な思想は粉砕され、子墨子さんが辛うじて仙人になってその名が残る。
でその、ヴォランティアの傭兵がその思想をgdgdにする頃、革離といふ普通の墨者が、さういふわけで一人で、そのイデオロギーがそれこそ「作者の想像を絶する」関係で技術者として、どうでもいい城塞都市を当時としては最強最高の要塞へリフォームし、普通の軍隊をぼっこぼこにするが。
冒頭はお約束で公輸般と子墨子のSLG対決。てふか墨子伝承と言ふとこれくらゐしか無い。でこれがきちんと消化されてゐる。 -
墨攻すごい!
というか主人公である墨者の革離がすごい!
この薄い本にものすごい人間ドラマがてんこ盛りな感じ。
男も女も老いも若きもみんな守る為だけに、みんな戦う。
謎は多いけれど、敵の将である淹中が最後に墨者用の葬りかたを知ってるのが
またなんとも。
賎民であるのかよく分からないミステリアスな墨者だけれど
そんなことはいいのです。
超人離れした戦わずして守る創意工夫みたいなのも
またなんとも。
なかなか普段読まない中国ものの小説だけども、これを機にもう少し掘り下げようかなーと思う。 -
時は戦国時代の中国。多くの群雄たちは中国統一を競い、思想家たちは自説を広めることを競っていた。その結果、有名な孔子や老子などの思想家が登場する。そして、墨子だ。
墨子の教えは「非攻」、戦わないことをモットーとする。が、戦わないためには、周囲から戦うことを諦めさせるだけの戦力を持たなければならないという考えだ。そのため、墨子集団は武器の発明や戦闘員の労務管理など、何よりも軍事技術の向上に力を注いだ。戦争をなくすために、戦争エリートを目指すのは矛盾しているようだが、抑止力として核兵器を持とうとする現代国家だって、やってることは同じだ。
そんな墨子教団の教えを忠実に守る一人の男を主人公に、当時の中国の戦闘を具体的に描いたミリタリー歴史小説。シュワルツネッガーのアクション映画を見ているような痛快な娯楽性がある。とはいえ、あまりに突然で消化不良なエンディングにはガックリ。滅びの美学をもっと追求してほしかった。 -
古本で購入。
七大国が覇権を競う戦国時代。
百花斉放・百家争鳴のこの時代に、儒教と並ぶ勢力を誇る墨子教団が存在した。
博愛主義「兼愛」とそれゆえの反戦論「非攻」を説く一方、大国による侵略をくじくための戦術・技術を磨き上げた戦闘集団でもあった墨子教団。
今、趙・燕の争いに巻き込まれた土着豪族梁氏の小城に、革離という墨者が救援に駆け付ける。
怯懦な城主の下、素人にすぎない邑人たちを率いる革離の前に、万を数える趙軍が押し寄せる―
何とも珍しい、墨者を主人公にした歴史小説。
ここで描かれている戦いは全てフィクションで、史実ではない。
ただ、墨子教団によって戦われたであろう防衛戦の凄まじさを想像させるに足る。
「攻城戦」という響きにときめきを感じる人には間違いなくオススメできます。
150ページ足らずの短い小説だが、淡々と描かれた小さな城郭の攻城戦は濃密。
徹底した規律と公正な評価によって烏合の衆をまとめあげるというあたりは、一種の組織論としても読めましょう。
これが原作となっている映画の方も気になるところ。 -
映画で観た以来です。
当時はもっと墨家は牧歌的…いや違う…平和的思想だと思ってたんだけど、結構過激だったんだな、と思った。
でも、非攻を守る不動の意思、カッコいい!
非核三原則を掲げる日本としては、学ぶところもあるような、ないような…(^-^; -
戦闘シーンの緊張感が見事。ページを捲る手を止めさせてくれません。
終わり方があっけなさすぎるようにも思えたが、逆にあれが革離の偉大さを強く感じさせて良い演出だったと読後は感じました。