陋巷に在り〈1〉儒の巻 (新潮文庫)

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著者 : 酒見賢一
  • 新潮社 (1996年3月28日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (350ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101281131

陋巷に在り〈1〉儒の巻 (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 最初の感想としては、とにかく読みにくい。
    話があっちにいったり、こっちにいったりし過ぎだし、小説の中に当時の社会状況等の解説が頻繁に出てきて話がややこしいし、仕方がないとは言えやたらに難しい言葉(漢字)が出てくるしで、とにかく読みにくいこと甚だしいという感じです。
    でも、そういった点を補って余りあるほどに物語が面白い。孔子の弟子の顔回を中心にしたお話ですが、呪術を使った闘いあり、政治的な虚虚実実の駆け引きあり、顔回と自称許嫁の少女とのとぼけたやり取り等々、物語の世界に引き込まれてしまいました。
    13巻で完結らしいので、まだまだ先は長いですが、読み進めていくのが楽しみです。

  • この小説は10年ほど前に初めて読み始めました。全13巻をすべて読破したのですが、最近になってまた読みたくなり再読しています。

    孔子の弟子の顔回子淵がこの小説の主人公。孔子に「賢なるかな回や。一簞の食、一瓢の飲、陋巷に在り。人は其の憂いに堪えず。回や其の楽しみを改めず。賢なるかや回や。」と、高く評価された人物。孔子の儒学の一番の後継者でしたが夭折してしまいました。しかし、その間特に功績があったわけではないといいます。それなのに何故?と作者自身この小説の冒頭でその疑問を語っています。
    酒見さんの小説は独特な雰囲気をもっています。ファンタジーといわれる分野がお得意のようですが、この小説も歴史物とだけ言えない要素が多分に含まれています。
    20歳前の顔回は文字通り陋巷に暮らしているのですが、巫儒の一族(祖先の霊魂を扱う)として生得の才能を持っています。
    この巻では、その彼が礼を広めようとする孔子に魅せられて弟子入りするまでを書いているのですが、途中、その時代の背景は勿論のこと、作者の意見というか解説が相当な分量を占めています。
    以前読んだ時は、筋を追うのに夢中で多分に読み飛ばしていただろう現代の日本に残る喪礼(葬礼)の儀式の解説など、今回はじっくり読んだので余禄も楽しむことができました。勿論、今後は敵対する勢力への顔回の特殊能力の発揮場面が一番期待するところです。

  • もう本当に、殆ど暴力的なまでの面白さ…!
    孔子やら顔回やら子貢やら、今までひたすら道徳的・聖人的なイメージしかなかった人達が、ちゃんと人間らしい感情を伴って動く動く動く。誰一人「魅力的でない」人物がいないというのも、それはそれで困りものだけど(笑)
    それから、圧倒的な知識量。もちろんこの物語の設定からしてとある大きな虚構を前提に成り立っているわけだけれども、どんなに短い一文でも、ものすごく膨大な情報と教養に裏打ちされてる。私のような阿呆学生は電子辞書を脇に置かないと腰を据えて読めない。でもそれ以上に物語に求心力があるからあんまり難解な印象はないんですが。やっぱり酒見さん、すごい。大好きな作家さんです。

    それにしても、きれいな状態のを全巻揃えるのがすごく大変で…こんなに面白い作品を絶版にするなんて、もはや犯罪だよ…

  • 物語の主人公は、「論語」で有名な孔子と、その弟子の顔回です。単純な歴史小説ではなく、著者自身の解釈や呪術を使った戦いが描かれているところが面白かったです。
    作品の妖しげな雰囲気と、諸星大二郎さんのイラストがマッチしていると思いました。

  • 聡明で強い呪術の能力を持ちながら、出世の野心なく、貧しい人々の住む陋巷に住み続けた顔回。孔子の最愛の弟子である彼は師に迫る様々な魑魅魍魎や政敵と戦うサイコ・ソルジャーだった……息づまる呪術と呪術の暗闘、政敵陽虎との闘争、影で孔子を護る巫儒の一族。論語に語られた逸話や人物を操りつつ、大胆な発想で謎に包まれた孔子の生涯を描く壮大な歴史長編

    孔子の一番弟子であった「顔回」が、様々な魑魅魍魎と戦うファンタジー要素もあり。
    「論語」や「易経」などの薀蓄もふんだんにあり、歴史小説以上の面白さがあります。

    ちなみに本書は残念ながら絶版になっており、本屋に無い、、、、、、ですが、古本などでは手に入りやすいので、是非。

    酒見賢一の本では『ピュタゴラスの旅』もおすすめです!

    どーでも良いですが、『陋巷に在り』の表紙絵は、知る人ぞ知る「諸星大二郎」が寄稿しています!

  • 孔子の弟子たち、特に顔回を軸に生き生きと描かれていて、とてもおもしろい。

  • ある1,3、4、6

  • 新本で手に入らなくて、古本屋を探して、探して・・・ようやく手に入れた。
    これまで白川静の『孔子伝』などを読んできた。
    祭祀などをしきる「儒」という社会集団から孔子が出たということが書かれていたけれど、正直、なかなか具体的なイメージがわかなかった。
    この本を読んで(無論フィクションも含まれているだろうけれど)どういう存在なのか、もう少しリアルに想像できるようになった。
    晏子との行き違いや、陽虎、子貢などの人物像なども、なんだか、きっとそんな風だったのかも、と思わされてしまった。

    まだこの巻では顔回のすごさは、それほど描かれていない。
    どうなっていくのだろう。

  • 孔子の弟子の物語。

  • 授業のネタになるかな~と買ったものの、なかなか機会がなくて…やっと1巻。『論語』の世界が実にファンタジック…つうかおどろおどろしく展開。

    古代世界の重要事であっただろう呪術による権謀術数をクローズアップ。孔子も、弟子も卓越した呪術つかい。ピンポンのような呪の応酬。

    注目の白川漢字のネタも交えつつ、がつがつ読みました。
    いかんせん、中国ネタなので常用漢字だけじゃ読めない(涙)。
    中国名前の扱いに慣れてくるとリズムが出てきます。メモ必携で読むべし。ああ、本に地図がついてるともっといいんだけどなあ。

    中学生に勧めるつもりだったけど…読めないことはないけど、漢字マニアなのが前提かしら。

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陋巷に在り〈1〉儒の巻 (新潮文庫)の作品紹介

聡明で強い呪術の能力を持ちながら、出世の野心なく、貧しい人々の住む陋巷に住み続けた顔回。孔子の最愛の弟子である彼は師に迫る様々な魑魅魍魎や政敵と戦うサイコ・ソルジャーだった…息づまる呪術の暗闘、政敵陽虎との闘争、影で孔子を護る巫儒の一族。論語に語られた逸話や人物を操りつつ、大胆な発想で謎に包まれた孔子の生涯を描く壮大な歴史長編、第一部。

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