陋巷に在り〈9〉眩の巻 (新潮文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (381ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101281216

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  • 9卷。

  • 何巻か続いた戦いが終わり、顔回が顔儒のもとに帰る。
    現実世界で、また話が動き出すつなぎのお話。

  • この表紙の男は、地神の刺客。怖ひ。

  • 顔回が妤を冥界から取り戻す旅の帰路が描かれる。
    現世へは二人しか戻れないところを、子蓉の策を使って三人で戻ろうとする顔回。
    二人の女性を内部に容れることにより、むしろ子蓉との関係が変容していく。
    これで子蓉が死んでしまったわけではなく、まだ一展開あるのか、気になるところ。

    長い長い黄泉がえりの話が終わったかと思うと、今度は魯のお家騒動の続き。
    孟懿子の家老格である公斂處父が中心人物となる。
    孔子・子路の思惑に反し、成城の取り壊しを命を懸けて阻止しようとする忠臣だ。
    こうした人物から見ると、手段を択ばず目的を遂げようとする孔子は怪物のように見えてくる。
    ここに黄泉がえり男の顔回が絡む。
    冥界で女神が化けていた孔子に顔回が見た違和感とつながっていく。
    顔氏と孔子との対立も背後にはあり、さてこの先、孔子顔回の子弟が激突するような事態になるのだろうか?
    孔子、この作品ではラスボスっぽいしねえ。

  • 陋巷に在り [09]

  • 妤を冥界から救い出すための顔回の悪戦苦闘ぶりがこの巻の話の中心となります。それにしても顔回、ナイーブな草食男子ぶりが度を超してます。でも意外とこういう男子はモテるかもしれませんねえ(笑)。

  • 相変わらず九泉から出てこない顔回。
    それでも奴は闘っている!
    がんばれ顔回!負けるな顔回!

  • 前の巻で冥界に降りた主人公の顔回でしたが、妤と子蓉、二人とも連れて帰ることは冥界の決まりでできないという難問が彼の前に立ちはだかります。今回は「眩」の巻とということで、めまいのような人を惑わす場面がテーマになります。この巻での山場は何といっても顔回が子蓉の提案を受け入れ、冥界から帰るときに驚くべき術を実行する場面です。この場面では常に冷静な顔回が熱い感情をほとばしらせるのですから見逃せません。作者はここで、炎神の祝融や最強の媚女というべき子蓉、そして少女でありながら秘めた強い力を持つ妤と3人の女性を全面に出して顔回と対峙させます。女神まで含む女性たちの強さと男性との釣り合いを引き合いに出して述べている部分は、作者の女性観がにじみでているようで興味深く読みました。後半では、一転して孔子の政治的判断が色濃く出る場面が登場します。ひとりの武将の行動にこれがどう影響してゆくのか、孔子や顔回等、願氏一族の行く末を見守る太長老の言動も気になるところです。

  • 追記予定

  • 酒見賢一の陋巷に在り9 眩の巻を読みました。顔回の活躍する(?)このシリーズも9巻目になりました。祝融と女魃の間をすり抜けて九泉から生還した顔回は、鬼神を利用した孔子の企みを偶然妨害してしまう...文庫版の表紙の絵を描いている諸星大二郎の暗黒神話などに通じる呪術的世界も描かれていてまた次が読みたくなります。

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