- Amazon.co.jp ・本 (405ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101281247
感想・レビュー・書評
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顔儒の里、尼丘の崩壊。
死力を尽くした長老たちの封鎖の呪を突破して、山上の祠に向かう悪悦の恐ろしさときたら、夢に出て来そうだ。
妹の子蓉は、駆けつけた顔回の腕の中で息絶える。
一転して成城攻めの場面。
忠義の気持ちから、敢えて主君孟懿子に背き籠城する處父。
攻める盟友の景伯は、處父を惜しみ、何とか投降させようとするが、うまくいかない。
處父も彼に従って戦い抜こうとする民を裏切れず、投降できないところに追い込まれている。
そこで景伯がとった策は――。
ここいらは、男の意地に泣くところ、だろうがねぇ。
私は若干引いてしまった。
人の命が軽く扱われすぎだ。
孔子は、急いて事を運んだために處父の乱、引いては尼丘の滅亡を引き起こしてしまったと自責し、病む。
病が癒えかかったところで、尼丘へ行き、とうとう顔回と再会する。
というところで、主人公らしくない主人公、顔回が次巻ではいよいよ舞台に上がってくるのだろうか。
そういえば、すべての文庫本の巻の表紙を飾ってきた諸星大二郎のイラスト。
本巻では...これは、悪悦かと思われるが…。
コワい。
コワすぎる。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
色々やり切れない巻。次はとうとうラスト。
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酒見賢一の陋巷に在り 聖の巻を読みました。顔回の物語12巻目です。とうとう、顔儒の邑も滅びてしまいましたが、いつの日か復活するための試練であれば仕方がないのでしょうか。子容の最期がちょっと物足りなかったですね。顔回もいたのだからもう少しいろいろあってもよかったような気がします。