さよなら、ベイビー (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (384ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101281315

作品紹介・あらすじ

見知らぬ赤ん坊(タカヤ)を連れてきた父親が、まさかの突然死。母亡き後ひきこもり歴4年の雅祥(まあくん)が、いきなり育児を任されることに。この時から地獄の二人暮らしが始まった。ミルクを飲ませても、おむつを替えてもタカヤは泣き止まない。母親はいったい誰……迎えが来る日まで、あと1日。だが、まあくんとタカヤと母親の人生は驚愕の真実へと急転直下する! 胸に染みる、痛快青春ミステリー。

感想・レビュー・書評

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  • 引きこもりのまーくんがタカヤを育てるうちに、彼の成長を感じされられた。
    登場人物と時間の捻れに混乱することもあったが、発見も多くて楽しく読めたと思う。
    (すこし首をひねる疑問に思う部分も多かったが)

  • 「さよなら、ベイビー」里見蘭 著 読了。面白いんだけど、時間軸をずらしたひっかけは勘弁してほしい。貫井徳郎の「慟哭」でやられた心の傷(?)は癒えていない。

    • himawari-himawariさん
      こういうの、勘弁してほしいですよね。
      「慟哭」もそのパターンなんですね。読んでみたかったけどやめます(笑)。
      こういうの、勘弁してほしいですよね。
      「慟哭」もそのパターンなんですね。読んでみたかったけどやめます(笑)。
      2020/09/02
  • あかちゃんの面倒をみるって大変!ってことじゃなく、引きこもりの青年があかちゃんを育てることでしだいに… なんてありきたりの話でもない。それ込みのミステリーなんですね。終盤、えーっ!そっち?って思いましたよ(笑)

  • 引きこもり青年が、いきなり赤ちゃんを任されることになるという衝撃的なストーリー。
    様々な登場人物が主人公の青年に絡んできて話が複雑だが、ミルクだおむつだ泣き止まないだってところが、我が子の赤ちゃんの頃を懐かしく思う。赤ちゃん独特の温もりと香りと柔らかさ。初めて言葉を発したときの嬉しさ。そんな諸々を思い出しながら、寝顔をのぞきにいきました。

  • 母親を亡くしひきこもりになった21歳の主人公。その後父親が知人の赤ちゃんを預かり、突然死。ひとりで育児をすることに。
    ひきこもり青年の子育てストーリーだと思って読み始めたら、主人公のストーリーの間にはさまれる挿話に、なんだろう?と思いだし、最後は想像もしなかった展開にびっくりして終わりました。
    ミステリーだったんですね

  • 子宮がんで母親が亡くなった日、息子の雅祥は、睡眠薬を大量に飲み、自殺を図った。しばらくすると父親が生後間もない男の子タカヤを連れて帰ってきた。しばらく預かるという。甲斐甲斐しく世話をしている父親だったが、ある日の夜、タカヤが泣いているのに父親が動く気配がない…。

    基本的にあらすじは読まないのだが「痛快青春ミステリ」という部分だけ見て、軽い作品だと思っ手読み始めたら、暗い。雅祥とタカヤの部分はやや楽しげな話という部分が少し出てくるくらいで、とにかく全体に暗い。

    雅祥の話、美沙と成美の話など、章ごとに視点と登場人物が変わるため、落ち着いた視点は雅祥以外に無い落ち着かなさを感じたままストーリーは続いていき、全然痛快でも青春でもない話が展開される。

    ここまで書いてきてもわかると思うが「雅祥」読める?「七里(だっけ?2回ほどしかでてこない)」と「詩織」が出てきて、「しーちゃん」はどっちだと思う?

    そう、この作品のポイントは、読めない名前に名字がやたらと重なること、その名字を書かないことによって、時系列や人物をわからないようにして、最後に種明かしをするタイプの小説だ。

    最後にそれぞれバラバラのストーリーが一応合うことになっているものの、途中で感じた違和感をずっと抱えたままストーリーを追わなければいけないのは、なかなかに苦痛である。そして、歌野晶午の例の作品のごとく、実はあの話はものすごい昔でしたーというオチ。ていうか、それ必要ですか?

    レトリックで騙すというのはわからぬでもないが、それが必要と感じないような内容の小説で、真っ直ぐに子供と向き合う少年と、その少年の持つ過去という話で良かったんじゃないのか?

    また、やたらとがんで死ぬとか、同じような境遇の子供であるとか、ひとりひとりの印象が薄くなるようなイベントもマイナスポイント。

    まあこの作家は二度と手に取ることはないだろうが、編集者ももうちょっと素直な作品するための努力をしても良かったのではないだろうか。

  • 久しぶりの再読
    緒方さんが母親、タカヤがしーちゃんの子 というのは覚えていたもののその間の話がすっぽり抜けていたのでミスリードに踊らされ、後半の続きが気になる……!となる勢いがすごい。
    昔読んだ時よりもまあくんの逃げ腰な部分に色々感じるようになったことに自分の変化も感じつつ、でも最後にはこの子は大丈夫そうだな と思える成長物語としてもとてもよかった。大好きな小説のひとつです。

  • 父が預かってきた赤ちゃんを引きこもりの男の人がてんやわんやしながらも頑張って育てる!
    そんな愛情物語かと思ったらミステリーでした!
    合間合間に出てくる主人公とは接点なさそうな人たちはどうお話に絡んでくるんだろうと思っていたら、、終盤でびっくり!!
    でも私の理解能力が低いからか、本を読み終わっても全てが繋がった!とはならず、メモに書き出してやっと頭の中で時系列や相関図を整理出来ました
    また読み返したい!

    運命に動かされたんじゃなくて、自分の意思が運命を変えた
    っていう考え方が素敵だなと思いました

  • 想像以上に、人生って大変で、辛くて、楽しくて、幸せ。誰にも誰かの人生の辛さ、重さ、深さを決める資格はない。って感じ!!

  • なんて悲しい始まり方。まーくんに次々不幸が・・・と同情してたけど、読み進むうちに、なんだそっち系?と怒りというのかがっかり感というのか憤懣やるかたない思いがこみ上げる。
    こういうの勘弁して。
    七美は「ななみ」って読むのにな。しちみちゃんならわかるけど。
    タカヤが病院にかかるとき、保険証はどうしたんだろうな?
    疑問が残る。

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著者プロフィール

1969年、東京都生まれ。早稲田大学を卒業後、編集プロダクションに所属し、ライターとして映画、テレビドラマのノベライズを数多く執筆。2004年『獣のごとくひそやかに』で小説家デビュー。『彼女の知らない彼女』(新潮社)で第20回日本ファンタジーノベル大賞優秀賞を受賞。

「2017年 『小説L DK 柊聖’S ROOM』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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