- Amazon.co.jp ・本 (353ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101283715
感想・レビュー・書評
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グーグルが提供する未来は、夢の世界なのだろうか?それとも、絶対的な監視社会なのだろうか?
グーグルは「すべての情報」を探せるプラットフォームを創ろうとしている。「すべての情報」とは、人間が認知しうるすべての可能性だ。それを実現するために、天才集団が毎日技術革新を起こしているのである。その動機は実に明朗で、「人間社会をより良く(楽しく、便利に)すること」である。
だが、グーグルがひとつの民間企業であることを忘れてはいけない。いかに公共的な理想を掲げようとも、その本質上、利益を上げないことには成立しないのだ。グーグルにとって最大の収入源は、広告費である。これを得るためにグーグルは、検索結果に脚色を加えたり、個人情報をチラ見したり、著作権法をめぐる法廷闘争を続けていたりしているのだ。
更に重要な怖れは、その便利さそれ自体に対するものだ。『ネット・バカ』という本によると、インターネットの過剰利用によって、人間の脳ミソが悪い方向に変化してしまうらしい。つまり、脳が忍耐弱く、忘れっぽくなり、自分の頭で考えることができなくなってしまうとそうだ。これに似た批判が、本書にも登場する。これは果たして旧世代のやっかみに過ぎないのだろうか?それとも、われわれはグーグルの掌上で弄ばされるだけになってしまうのだろうか?詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
少し古い本ですが、文庫化にあたりきちんとアップデートされています。
他のgoogle紹介本には無い視点や丹念な取材による事実が詳細に書かれており、大変読み応えのある本でした。
最新の情報は別の本などに譲るとして、googleの歴史や考え方という観点において知りたい人は読むべき一冊であると思います。googleの全貌と共におすすめ。 -
グーグルの光と陰といったところでしょうか。
本書が文庫化されたのは、つい最近ですが、取材&放映は2年ほど前のようで、今やすっかりおなじみになったグーグルですが、当時としては、まだ目新しい情報もたくさんあったと思うのですが、いかにもNHKらしい取材で、光と陰のどちらに偏向するでなく、センセーショナルとか奇をてらうでもなくでした。
それにしても、グーグルはスゴイと思うのですが、やっぱ一人勝ちはよくないぞ!
(2009/12/10) -
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昔購入して途中まで読んでいたもの。改めて読んでみて、グーグルにすべてを把握されるのは怖いと思いました。何に興味があるか、どんな病気にかかっているか、子供の既往歴は、など。そういえば昔はGoogleで検索していましたが、いつの間にかログインされたページがデフォルトに変わっていて、Google+の中で検索されています。本当にそうなってしまいました。
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グーグルが生み出す未来を知りたくて読書。
取材がしっかりと丁寧にされていると感じる。2007年頃までの内容であるが古さは感じない。グーグルの光と影、凄さと怖さを感じる。
グーグルが生み出す社会の便利さと起こりえるだろうという問題点も述べている。
2007年時点ではヤフー優勢の日本も2012年だとほぼ半々からむしろグーグルが逆転したという情報もある。私自身もデフォルトでIME、検索、ブラウザを使用し、メールも全てGメールへ移管し、一元管理する依存っぷりだ。
グーグルの寡占はますます進んでおり、それが何をもたらすのかを考えさせてもらった。
人間は贅沢なもので便利さ、快適さ、楽さを求めプライバシーまで提供しグーグル依存を強める一方で、管理、監視が強化されると自由を求め始める。今後、そのようなことは起こるのではないだろうか。
また、エピローグに大切な事が書かれていると感じる。グーグル依存、高度情報化が思考停止を生み出している現状である。自分の頭で考えず、人任せが進むと、自分の人生の選択でさえ、人任せ、人の人生を生き、どこか仮想現実のような世界を泳ぎまわるような人が増えるのではないかと危惧する。本来、人間が利用するための情報が、逆に情報に人間が飲み込まれてしまっているそんな時代の到来を感じさせる。
そんな近未来に備えて人間はどう対応していくのか今後の人間の進化が楽しみであり、同時に多少の恐怖も感じる。
読書時間:約1時間5分 -
発売から時間が経ちましたが、今読んでも面白い本でした。
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さくさく読めた。
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インターネット検索の代名詞Googleの進化の軌跡とその光と影を追うドキュメンタリーです。
インターネット黎明期に、たった2人の大学院生の研究の過程の副産物的に開発されたインターネット検索システムが、10年もたたぬうちに検索のみならず、地図・ウェブ・動画、はてはブラウザ・OS開発にまで発展した経緯を追っています。
それらWeb2.0の象徴ともいえる事象に付け加えて、その情報を司る神となったGoogleの抱える問題に注目しています。
ネットでの検索順位は、インターネットが社会インフラなった現代でにおいては超重要ポイントなわけでして、そこでtop10に入らない、それどころか「グーグル八分」にあうなんてのは、ネットに存在していないとみなされるのと同じことなわけです。そんな生殺与奪の権利を1民間企業が有していていいのか、との問題があるとのこと。Googleが検索結果はあくまでコンピュータプログラムによるアルゴリズムに基づき公正に出されている、といっても、営利企業である以上、何らかの差異が加えられる可能性は排除できないわけで、その辺どうするのか、ってことです(漠然)。
あと、最近の若者にありがちな、「ネット検索完全依存」にも注意喚起をしています。
ニュースなりレシピなりお勧め映画なり宿題の解答なり、ネットで検索すれば何らかの答えは得ることができます。しかし、そこで「考える」という過程が欠落するわけです。インターネットにあるのは、あくまでも「情報」であって、間違っても「知識」ではないわけで、その辺をわかった上で使わないと痛い目を見るのだろうな、と。
以前、Googleの村上(現)名誉会長の講演を伺った時、「Googleは情報を整理しているだけで、作りだしてはいない」と言葉は結構意味ある気がします。
なんてことを書いちゃってますが、もともとがNHKのドキュメンタリー番組ってことで社会問題に目を向けちゃってますが、純粋に「Google万歳!!」な気持ちで読んでばっちり面白いと思います。
特にGoogleのデータセンターの秘密に迫る行は、それだけでごはん3杯はいけるって内容です。初期のデータ処理コンピュータの写真なんか見た日にゃ、もう、おなかいっぱいで超カロリーオーバーです。
(普通にネットで見つかりますけどhttp://www.gsb.stanford.edu/multimedia/Lectures/LastLecture/schmidt.ram)