花宵道中 (新潮文庫)

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著者 : 宮木あや子
  • 新潮社 (2009年8月28日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (374ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101285719

花宵道中 (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 哀しい遊女の生き様。安達祐実さんがそれまでのイメージを一新した、って言われてるけど原作通りならそれにも納得。大奥で公家のお姫様演じてたときも和装似合ってたもんなぁ。男を信じては馬鹿を見る、そんな世界でも恋した方が幸せか…。映画、見てみたい。

  • 章のタイトルからすごい好き。花宵道中、薄羽蜉蝣、青花牡丹、十六夜時雨、雪紐観音、大門切手。目で見ると日本語って綺麗だなーと思うよね。それだけじゃなくて声にして読んでみて。はなよいどうちゅう、うすばかげろう、あおはなぼたん、いざよいしぐれ、ゆきひもかんのん、おおもんきって。音程やリズム、舌と唇の動きが心地よい。これだけですごい満足した。
    文章も巧いなー!これも声に出して読みたくなる日本語ですね。特に各章一行目は作者さんもかなり苦心したんじゃないだろうか。それぞれの章で印象に残るシーンがある。
    心情の表現もどきどきしちゃう。「見ないで、でも目を瞑らないで。」。読んだ時衝撃を受けたよね。
    話としては、どうなんだろう。時代小説素人、少女漫画はかじる程度、の身としては普通に面白く読めた。小さな世界の驚く人間関係とか、その心情を想像しては震えていたのだけど。吉原とか大奥とかの話を好きな人には陳腐になるのかな?
    総じて満足度の高い小説。全体に漂う諦念と矜持と愛情のバランスが好きでした。

  • ご縁があり貸して頂くことができました。素晴らしかったです。R-18文学賞受賞作。江戸末期の吉原の遊女たちの物語。6編の短編集。それぞれの登場人物が時系列前後して描かれていきます。とても切なく苦しく儚くて読みながら何度も胸が痛くなりました(;_;)一話から一気に引き込まれました。特に心に残ったのは『花宵道中』『青花牡丹』『十六夜時雨』。R-18文学賞受賞なので官能的な場面も多いです。遊女たちの苦悩や純愛が伝わり幸せを願わずにはいられませんでした。大切に読みたくて一日一話ずつ読みました。

  • 以前から気になっていたのですが、映画化される前にどうしても読んでおきたいと思い今回手に取りました。予想以上に面白く、また想像していたよりとても読み易かったためすぐに読了。
    吉原遊廓や花魁がモチーフの作品は元々好んでいましたが、この花宵道中は他の作品に負けず劣らず素晴らしいです。涙脆い私は読書中、何度も泣いてしまいました。
    特に好きなのは『十六夜時雨』『雪紐観音』『大門切手』で、私が一番好きな遊女は八津。しかし緑の直向きさや勝野の凛とした快活さも好ましい。
    見ず知らずの男や好きでもない男に抱かれ続ける日々の中で、愛する人への想いに幾ばくかの夢を見て強く儚く生き、散っていった遊女たち。実際に同じ様に懸命に生きた女達が確かに実在していたのだと思うと、本書でその生き様を垣間見た様な気がして、同じ女としては複雑ながらも潔く美しく感じるのでした。



    ※以下ネタバレ有り↓


    『花宵道中』『青花牡丹』を読むと、個人的には何人もの遊女達の中で一番不憫なのは霧里ではないかなと。おはぐろどぶへ身投げした朝霧は結果的に忌み嫌っていたであろう母親と同じ場所で最期を迎えたわけですが、その前に愛する男と花舞い散る中で念願の道中をし、僅かな時ではあったけれど結ばれる事が出来た。勿論、二人生き延びて結ばれる事が出来たならそれは最良ではあっただろうけれど、愛する男に想いも伝えられず一度も抱かれることなく死んでいった霧里を思うともう不憫で可哀想で。挙句、実父に気づかれもせずに再び抱かれるというのは気が狂っても可笑しく無いですよね。その辺りは東雲もまた辛い立場ではありますが。しかし霧里の弟である東雲が、まさか朝霧と想い合う半次郎であったとは…霧里が其れを知らずに死ねてよかったなと。知っていたらきっと最期にあれ程までに鮮やかで綺麗な夢をみる事は出来なかったんじゃなかろうか。


    目次

    花宵道中
    薄羽蜉蝣
    青花牡丹
    十六夜時雨
    雪紐観音
    大門切手

    儚く残酷な宿命の中で、自分の道に花咲かせ散っていった遊女たち。江戸末期の新吉原を舞台に綴られる、官能純愛絵巻。

  • 江戸吉原の遊女のお話。

    主人公が異なる短編を読み進めるうちに、あの話の主人公は周りからこう見えていたとか、新しい発見があって面白いです。

    今度映画化されるけど、朝霧のお話しかないのかな。。
    全て読み終えてみると、この本の主人公は八津なのでは、と思えてきました。

  • R-18文学賞受賞作。
    買った経緯は忘れたが、冒頭を少し読んだら吉原の話だったので、あ、これ苦手、と暫く積んでおいた。今回積読消化月間で渋々読み始めたらみるみる引き込まれた。これは面白い!やはり食わず嫌いはイカン。短編集のようだが連作で、様々な視点から女達の生き様が浮き彫りにされる。客に五文銭を投げつけた朝霧の啖呵にはみな快哉を叫んだのではあるまいか。三津の「生きてゆくのは、諦めちまえばそんなに辛くないよ」が心に沁みた。嶽本野ばらの渾身の解説も必見。
    あとウスバカゲロウは子供の頃から薄馬鹿・下郎のイメージだったのに、正しくは薄羽・蜉蝣だったので驚いた。幼虫がアリジゴクなのは知っていたが。

    p.211
    「お座敷の遊び方も心得ん人に暖簾をくぐられたら、うちの暖簾が汚れます。あんた、羅生門なり風呂屋なり行って、一発五文の鉄砲女郎でも買っておいで」
    冗談ではなく、朝霧は袖から何枚かの五文銭を取り出し、ばらばらと卯之助の前に投げ出した。

    p.218
    「座敷遊びも心得ん人に、うちの暖簾がくぐれるもんか。羅生門なり風呂屋なり行って、一発五文の鉄砲女郎でも買ってきな」
    叫びながら袂に腕を突っ込むと桂山は、ばらばらと五文銭をばらまいた。

    p.313
    「何で泣いてたのか知らないけど、生きてゆくのは、諦めちまえばそんなに辛くないよ」

  • どの話も切なくて読了後しばらく引き摺られてました。遊廓ものだから性描写が出てこないと成立しない訳で。R18指定も付いてるし覗き見されると確かに気まずい文面もありますが、別に性的興奮目的で見てないし…気にせずカフェにて没頭。
    宿命を受け入れ必死に生きた女性達の強さ気高さそして報われない恋に涙腺が緩みました。
    以前ゲーセンの前世占いで花魁と印字が出た時周りにからかわれ、私も軽視してしまっていたけど本当は血の涙を流しながらいつか抜けられる日を指折りながら懸命に生きてた。
    巻末の2行の作者の思いにも視界が泪で曇りました。

    -私の知らない吉原で、恋に泣いて、思いを遂げられないまま死んでしまった遊女たちの魂が、少しでも慰められることを願います-

  • 宮木 あや子さんの本に初めて出会ったのがこれ。
    もっと早く出会いたかった。
    たまたま書店をぶらぶらしていて、表紙の美しさに手を取った。なんとなく、本当になんとなく、さらりとあらすじだけを読んで購入。何の期待もせずに読み始めたけど、のめり込むのに、そう時間はかからなかった。
    デビュー作とは思えないおもしろさ。遊女の儚さ、夢、足枷、恋、折檻、男、艶やかな情事、秘め事。女子ならぜったいに好きなはず。エロさも抜群。だけどただエロいだけじゃない、読みすすめるたびに切なくて涙がとまらなくなります。
    短編で構成されていて、短編ごとにヒロインが変わる。けれど、舞台や登場人物はすべて一緒。違う短編に、他の短編のヒロインが出てきたりして、わくわくします。

  • 恐るべし、宮木あや子!!!デビュー作ながら売れ行き好調で、ずっと読みたいと思っていた作品の待望の文庫化。予想以上の出来に無我夢中になり、だらだらと泣いていました。
    感情を揺さぶるのがすごくうまい。吉原の遊女の儚さや激しさをこれでもかと狂おしいまでに描き、読む側も翻弄され、心乱される。
    そして構成もうまい。連作短編の形を取り、時間軸も敢えてずらしながらドラマを展開させる。まるで映画を見ているかのようだった。
    文庫化にあたって、スピンオフ作品の「大門切手」が収録されている。賛否両論のようだが、ま、これはこれで後日談的な作品てことでありじゃないかしら。
    嶽本のばらの解説もよかった。宮木さんのかわいい素顔を暴露しつつ、その末恐ろしい才能を絶賛していて、全くその通り!今後が本当に楽しみな作家である。

  • 「女の人生」を描いた小説。吉原の遊女という、私とは共通点がなさそうな設定でありながら、悩み、苦しみに共感を覚え、彼女たちの強さや弱さに心が動く。女の生きづらさは、形を変えながら現代にも共通する。

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花宵道中 (新潮文庫)の作品紹介

どんな男に抱かれても、心が疼いたことはない。誰かに惚れる弱さなど、とっくに捨てた筈だった。あの日、あんたに逢うまでは-初めて愛した男の前で客に抱かれる朝霧、思い人を胸に初見世の夜を過ごす茜、弟へ禁忌の恋心を秘める霧里、美貌を持てあまし姉女郎に欲情する緑…儚く残酷な宿命の中で、自分の道に花咲かせ散っていった遊女たち。江戸末期の新吉原を舞台に綴られる、官能純愛絵巻。R‐18文学賞受賞作。

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