ガラシャ (新潮文庫)

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著者 : 宮木あや子
  • 新潮社 (2013年8月28日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (380ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101285740

ガラシャ (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

  • 激しい歴史の渦に巻き込まれ、遠い時代にタイムスリップした心があまりの切なさと苦さで痛いです。

    運命に翻弄されながらも強く優しく生きたガラシャの気高さに圧倒させられます。
    ガラシャに限らず、この時代に生きた人たちは生死が近く、制限が多く、幸せがとても刹那的に見えてそれだけでも苦しいくらい。心の方位磁石を持たないと正気で生き抜くことができない時代ですよね、きっと。

    主君殺しという大罪を負った罪人の娘ながら一人生きながらえている罪、
    産声すらあげさせることなく冷たい赤子を生んだ絶望感、
    いっそ死んでしまえば、いっそ狂ってしまえたらと思いながら日々を送るガラシャの気持ちに寄り添うとこちらまで引きずり込まれてしまいそうに。

    そんな暗闇の中に一筋の光となった恋や信仰、それすらも厳しい制限の中にあるんですよね。
    史実ではガラシャが亡くなったのは38歳のときのことだといいます。その短い一生の中にどれほど絶望を味わったんでしょうね。
    本書の最後の章は、この本の中で唯一の救いでした。

    一目会ったときからガラシャを支えると決め慕い続けた次女 "糸"の存在感も大きいです。
    真っ直ぐにガラシャしか見えてなかった彼女が大人になるにつれて柔らかくなっていくのも、なんだか愛おしい。
    それからやっぱり印象に残っているのはガラシャの夫、忠興。強い想いはプラスに働く分にはいいけど、マイナスに働くと危ない、といういい例ですよね。
    そんな彼も母のいない喪失感を抱えながら生きてきたんですものね。

    心の平安を保つのはなんて難しいんでしょうね。
    気持ちの拠り所があれば、人は狂わずにいられるんでしょうかね。
    本書には書かれていませんが、ガラシャの辞世の句が ちりぬべき時知りてこそ世の中の花も花なれ人も人なれ" だと知り、また胸を打たれました。

  • ☆4.0
    明智光秀の娘 玉子=細川ガラシャの史実を絡めたフィクション。
    とても面白く読み進められた。
    光秀や幽斎の苦悩、忠興の幼稚さ。
    名だたる戦国武将とはいえ、ただの人なのだと思わされた。
    糸や玉子が無事に天主様の元へたどり着けたことを願う。

  • 哀しいぐらいの一方通行のお話し。
    人を思うことの切なさが、感じられる。
    狂うぐらい、人のことを思えるってすごい。
    光秀の印象がだいぶ変わった。

  • 三浦綾子「細川ガラシャ夫人」や、永井路子「朱なる十字架」と比較したくなりますね。。。

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    「明智光秀の娘として美しく成長した玉子。主君である織田信長の媒酌で、細川藤孝の子・忠興と華燭の典を挙げ、平穏な日々を送っていた。だが、突如発生した本能寺の変。実父の犯した罪により蟄居を命じられた玉子は、幽閉先で出会った男に惹かれてしまう。愛の何たるかも知らず妻となった女を苦しめる恋の業火――。絶世の美女と謳われた細川ガラシャの人生を描く華麗なる戦国純愛絵巻。」

  • 明智光秀の娘・玉子を題材とした小説。光秀・玉子・マリア(糸)・幽斎の章から成り立ち、それぞれの視点から玉子の生涯が語られてる。

    校閲ガールを読んでから宮木作品が気になって手に取ってみた。

  • 明智光秀の娘で細川忠興に嫁いだ細川ガラシャの一代記。
    明智光秀、玉子(洗礼名ガラシャ)、玉子の侍女である糸、そして忠興の父・幽斎の目線で順に物語が綴られていく。

    戦国時代に関しては予備知識がほとんどないので、あまり歴史小説という意識なく読んだ。
    著者の他の作品に比べると、ぐいぐい引き込まれる感じが少し弱いかなと思うけど、充分読み応えある。
    特に、「マリア」の章に入ってから物語が加速度的に展開し、目が離せなくなった。

  • 恋愛小説って書かれているけど、概ね糸→玉子の百合だったと思う‥‥細川忠興が粗ちんな描かれ型だからかしら。
    この作者、読んでないから知らないけど主人公が一生をかけて愛される精神百合が得意なんでは。って思って表紙見たら百合の花が背景だった。

  • 登録数800冊目。

    私、時代小説を読むのは好きなのですが
    歴史に疎く名前を聞いても何をした人なのか
    どの時代に生きた人なのかほぼわからず。
    登場人物の数が多いと頭がこんがらがるので
    今回の小説はスポットにあたる人数が少なかったので読みやすかったです。

    明智光秀、織田信長などの有名どころな人たちの話なのも有難かったです。


    史実をもとにしたフィクションなのだろうけれど、
    終わり方は大満足。
    読み終わった後にガラシャと忠興の夫婦仲は良かったと書かれていたが、本当のところはどうだったのだろう。

    明智光秀には都市伝説もたくさんあるし、歴史ってやはり面白いなぁ。

  • 誰かに求められ、自分も誰かに求められたいーという人間の本能的な欲求を追い求めた作品、というふうに私は読んだ。
    でも、ガラシャの宗教的な希求というのに、もう少しクローズアップして読ませて欲しかった。
    それならもっと伝記的なのを読んだ方がいいのかな。

  •  読みやすかったけど恋愛色が割と強かったような。
     ガラシャの葛藤が痛いほど伝わってきて読んでいて辛かった(褒めてる)。語っている事はガラシャについてだけど割と糸中心で話が展開していくのが良かった。マリアの章が長かったから余計そう感じるだけ?

  • 宮木あや子が歴史物って、どうなんだろう?と思っていたけれど、ちゃんと歴史小説になってました。とはいえ創作部分もあり、やはり恋愛小説らしい心情も描かれていたり。
    複数人の視点から描かれているのは、良かった。
    読み終わって、時代も人物も何もかもが、とにかく悲しいな。。。と強く感じた。

  • 201405/史実と創作の絶妙さがよかった。他のこの時代物だと、ガラシャは端役であっても強烈な印象を残すことが多いんだけど、この作品ではガラシャよりも糸など取り巻く人々のほうがインパクトあって、でもそれによってかえってガラシャの抑圧や儚さが強調されて伝わった。

  • 明智光秀の娘である細川ガラシャの話。ガラシャの心の移り変わりや、それぞれの人物の心理描写、関係がとてもリアルだ。
    2014/2/5

  • 史実をもとにした創作。
    もっと、歴史に忠実かと思ったから残念です。
    創作ものとして読んだらいいかも・・・
    文章は、硬くて誰にも感情移入できなかった。
    作者が好きなだけ、少しがっかり
    侍女の糸の話が魅力的

    目次

    光秀
    玉子
    マリア
    幽斎

  • 文庫化で表紙が変わってしまってがっかり。。
    再読ですが引きこまれました。ぐいぐいと。

    単行本時レビュー
    ⇒ http://feelingbooks.blog56.fc2.com/blog-entry-686.html

  • 明智光秀の娘で、細川忠興に嫁いだ玉子。のちに受洗し細川ガラシャとして歴史に名を残した玉子の生涯を侍女糸の語りで綴り、前後を光秀と忠興の父幽斎の短い述懐が支え、物語に厚みを出している。
    玉子がキリスト教に傾倒していく様が、玉子を信仰に導いた糸からみても一抹の不安を帯びていることに物語の恐怖を感じた。
    それだけに、後々まで引っ張るほど秀治の存在は玉子にとって大きかったのだろうかという疑問が。戦後の世に生きる女性の苦悩、それだけで良かったのでは。

  • 図書館で借りて。
    昔のお産ってたいへんね。正妻も大変ね。
    最近読んだ林真理子の「正妻」と同じような感想。

    宮木あや子さん、こういう本を書く人なのですね。
    憧憬☆カトマンズが面白かったのでああいう系のをまた探して読もうっと・・・

  • ガラシャについてはもちろんのこと、幽斎についての従来のイメージが変わった。また、ガラシャが幽閉されていた所が、どのようなところか(どのように自然に囲まれていたのか)見てみたい気がする。

  • 忠興のワガママ子供っぷりがすさまじい…

    人の心が壊れていく様子は、悲しくて苦しい。
    でも、最後は一応みんな救われるのかな。

    光秀の描き方は、私の好みでした。

  • 泣いた~!
    洗礼を授かっている身として細川ガラシャの名前は知っていたのだが、その生涯をもっと知りたいと思って・・・

    ず~っとキリタン弾圧による「殉教」だと思っていたが、違った(アセ)

    宮木さんらしく、恋愛要素関連の切なさ超多め。秀治との絡みと幽斎のラストは・・フィクションだよね?

    これは三浦綾子氏の「細川ガラシャ夫人」も読んでみねば!
    ”求めても求めても埋められることのない悲しみ・渇きを救ってくださるのは天主様のみ”
    そうしてキリスト教に傾倒していく様は非常に共感を覚えた。

    それにしても、明智光秀さん、イメージが180度変わりました(笑)

  • 史実を基に細川ガラシャの生涯を幻想的に彩った作品。
    人物関係の相関図が章を追うごとに広がって行く様子がおもしろい。
    最終章の人物間の感情が意外で驚いた。
    オチよりも驚いた。

    恋愛絵巻みたいな感じかな、と読み進めていくうちに百合っぽい雰囲気が……
    と思っていたら、突然の薔薇……!

    ガラシャにまつわるエピソードを丁寧に拾って、それぞれに糸が絡んで行っている様子に妙な背徳的美しさを感じた。

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ガラシャ (新潮文庫)の作品紹介

明智光秀の娘として美しく成長した玉子。主君である織田信長の媒酌で、細川藤孝の子・忠興と華燭の典を挙げ、平穏な日々を送っていた。だが、突如発生した本能寺の変。実父の犯した罪により蟄居を命じられた玉子は、幽閉先で出会った男に惹かれてしまう。愛の何たるかも知らず妻となった女を苦しめる恋の業火――。絶世の美女と謳われた細川ガラシャの人生を描く華麗なる戦国純愛絵巻。

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