畏るべき昭和天皇 (新潮文庫)

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著者 : 松本健一
  • 新潮社 (2011年1月1日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (422ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101287324

畏るべき昭和天皇 (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

  • 本書から見えてきた昭和天皇とは、2.26事件の精算に生涯を尽くし、民の心を抱きしめ、慈しみ、祈り続けた天皇。君主とか政治的とか、憲法での定義とか、もはやどうでもいい。昭和天皇は本当に慈愛に満ちた存在だったと断言したい。

  • 昭和天皇に関するさまざまなエピソードを渉猟しながら、さまざまな政治的局面で昭和天皇が示した責任倫理の主体としての振る舞い方を明らかにしています。

    本書でまず取り上げられるのは、天皇の「人間宣言」とそれに対する三島由紀夫の批判です。三島は『英霊の声』で、「などてすめろぎは人間となりたまひし」と書きつけました。彼は、「人間天皇」によって裏切られた者たちに成り代わって、二・二六事件や終戦の際に天皇は「現人神」でなければならなかったはずだと声を上げたのでした。そこには、三島が「美しい天皇」「文化概念としての天皇」を求めていたことが刻印されています。

    ところが天皇は、三島が自決した7年後、いわゆる「人間宣言」は、「五箇条の御誓文」の精神に立ち返る意味にほかならなかったと語りました。著者はそこに、三島の要求する「文化概念としての天皇」の役割を引き受けることを拒絶した「畏るべき天皇」の姿を見ています。天皇が神格性を廃棄することで、みずからの政治的主体性の回復を図ったのが、「人間宣言」だったのです。

    昭和天皇は、立憲君主制や天皇機関説にあるところまでは賛同していました。しかし天皇は、二・二六事件や終戦のような重要な局面に際しては、高度な政治的判断に基づいて、責任倫理の主体として振る舞ってきたことが、本書で紹介されるさまざまなエピソードを通じて明らかにされています。

  • 太平洋戦争に向けて陸軍が暴走する中、英国のような立憲君主たらんとする昭和天皇の苦悩、皇室の存続をかけて終戦を乗り切った昭和天皇のたたかいがリアルに描かれている。

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