ボトルネック (新潮文庫)

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著者 : 米澤穂信
  • 新潮社 (2009年9月29日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (312ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101287812

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ボトルネック (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

  • ずいぶん昔、テレビで観たコントは秀逸だった。
    ウッチャンこと内村光良扮するサラリーマン風の男が、颯爽と登場して道端に落ちている空き缶を一つだけ拾って去っていく。ただそれだけ。
    しかし空き缶が拾われずそのままの未来では、風が吹いたら桶屋が儲かる式に現象が連鎖して、最終的にはタンクローリーがガソリンスタンドに突っ込んで大惨事となる。
    ウッチャンは実は世界を救うヒーローで、事件や事故の原因となる「芽」を日夜摘んでいたのだ。
    しかし誰も彼がヒーローであることを、ましてや世界が彼の手で救われていることを知らない。

    バタフライ・エフェクトなどという言葉を知る由もなかった僕は、笑うと同時に大きな衝撃を受けた。

    日常の自分の些細な言動がどれほど世界に影響を及ぼしているのか。「世界」が大き過ぎるのなら、自身の人生とその周辺にどのような変化をもたらすのか。考えてみると、面白いと同時に恐ろしくもなる。

    嵯峨野リョウ。
    友人の弔いのために訪れた東尋坊で不意に平衡感覚を失う。
    ところが気がつくとそこは金沢の街。
    自分が「生まれなかった」世界で出会った「生まれてくるはずだった」姉。
    「間違い探し」の過程で遭遇する事件の予兆。

    パラレルワールドものでありながら浮ついた感じがない、現実と地続きの米澤穂信の筆致。
    そして伏線の張り方と不可解な状況の解きほぐし方は、まさにミステリのそれ。再読して唸る。

    読者自身をも東尋坊に投げ出すかのようなラストには驚いた。
    しかしラストを「絶望的」に解釈するブクログユーザーさんが多いのにはもっと驚いた。
    僕自身は「決別」と「最初の一歩を踏み出す勇気と希望」の物語だと読んだからだ。

    浦沢直樹の『MONSTER』や東野圭吾の『白夜行』のように、ラストの解釈によって余韻や物語の意味合いまで変わってくる。
    あのシーンは、嵯峨野リョウにとっての「分岐点」であり、読者にとっての試金石だと思う。
    当然そういうことも織り込み済みであり、僕らはまんまと作者米澤穂信の術中に嵌まっているのだろう。

  • 前半から辛い展開が続くので
    ダウナーな気分のまま読みすすめることになります。

    舞台である金沢の冬の天気のように
    いつでも雨が降りそうな、暗い空模様です。

    主人公は、岐路となるターニングポイントで
    常に最悪の選択肢を選んでしまい、
    両親の仲は修復不能なまでに冷え切り、
    兄は事故の後、意識不明の状態が続いた末に死に、
    初恋の女の子は事故で死んでしまう
    という状況におかれてしまうのですが、
    そこから正しい選択肢を選んだら
    どんな世界になっているかを突きつけられます。

    それはさながら、バッドエンドで終わったゲームの主人公が、
    自分は選択をことごとく誤っていたのであり
    本当は正しい選択肢を選べば
    ハッピーエンドが待っていたことを知ってしまうかのようです。

    知らなければどうしようもなかったことなんだと
    思い込むことが出来たのに、知ってしまったわけです。

    そんな主人公のつらさに共感すればするほど
    辛い話ですし、自分のことのように痛い。

    最後まで行って、ハッピーエンドで終わるのなら
    まだ救いがあるのですが、読んだ感じだとそうでもなく・・・。

    結局のところ、
    妬みの怪物たるグリーンアイド・モンスターになったノゾミが、
    生きている主人公の心に毒を吹き込み、死者の仲間にしようとして、
    主人公がボトルネックとなっている世界を見せつけ、絶望させようとする。
    最終的にそれは成功し、主人公が生を諦め、死ぬ決意をするが、
    生まれることのなかった水子霊である主人公の姉ツユが、
    ノゾミの望みはそうではない、過去は変えられなくても、
    未来は変えられると諭すが、悩む主人公に残酷なまでの現実が突きつけられ、
    主人公はノゾミとツユの仲間になる。

    という理解でいいんだろうか。

    もしそうだとしたら、悲しい話だなあ。。。

  • 亡くなった恋人を追悼するはずが、自身も同じ断崖から墜落……目が覚めると、そこは彼が『生まれなかった』金沢の町だった。
    パラレルワールドと言ったら聞こえは良いですが、その世界のなんと残酷なことか。

    亡くなった恋人は生存している、仮面夫婦のはずの両親は仲良し、食堂のお爺さんも一命を取り留めている。
    なぜ二つの世界での事実がこうも違うのか、リョウの世界では『生まれなかった』姉・サキと話して気づいたことはその分岐点でした。
    リョウとサキ、それぞれの選択と行動によって導かれたのが、その結果なのです。
    端的に言うとすれば、リョウは生まれない方が良かったということ。
    リョウが生まれない方が、みんなが幸せになれたということ。

    読了直後は「なんだこのネガティブ自己陶酔野郎は」とか思っていたのですが……、レビューを書こうと思い返しているうちに、なんとも苦々しい気持ちになりました。
    つまり、リョウの心情、これそのものが"若さ"なんですよね。
    漠然とした不安の中で、自分の存在意義を思い悩んでしまう、リョウのその胸中が手に取るように分かります。
    なぜなら、私もそうだったから。
    今になって思えば小っ恥ずかしく、「何をそんなくだらないことを」と一笑に付してしまえるのですが、多感なその頃には一大問題なんです。

    そして、その若さゆえの苦悩を、バッサリと切り捨てているのが本作。えぐいな~
    お前なんか生まれない方が良かったんだぞ、と。とんでもない鬼の所業です。
    どちらともとれるラストが秀逸。
    痛々しさ全盛期だった頃の私がこれを読んでたらどう思ったか、なんて感慨に耽ってしまいます。

    文章や構成には多少お粗末なところもありましたが、私には後からじわじわくる良作でした。
    この痛々しさ、思い当たるところがある人にはぜひ読んでもらいたいです。

  • 「インシテミル」の作者の本。パラレルワールドの話。まどろっこしい表現が多く、読み難い印象です。無駄に文章を引き伸ばしたような記載が目立ちます。

  • 辛すぎる物語だった。。。

    身近な人が不幸になる様を写真に撮るのが生き甲斐、
    というような悪意を目の当たりにしても。
    愛していたと思っていた相手に、
    自分のネガティブなオーラを照射し続けてしまっていたことに気づいても。
    「自分が生まれなかった世界」のほうが、家庭も恋人も、近所のお店までも
    すべて物事がいい方向に進んでいても。

    せっかくサキという、まっすぐでポジティブな姉を登場させたのだから、サキの存在のせいでかえって自分の存在を否定する、というところまで主人公リョウを追い込まないであげてほしかった。。。

    『儚い羊たちの祝宴』、そしてこの『ボトルネック』と、怖すぎたり辛すぎたりする作品から米澤穂信さんを読み始めてしまって泣きそうだけど、次は救いのありそうな作品を選んでトライしてみよう!

  • 嵯峨野リョウという主人公がいる世界と
    嵯峨野リョウの本来生まれていないはずの姉 サキがいる世界の 
    違いを 探しながら、リョウの考えや行動が
    どんな影響があるのかを 浮き彫りにする。
    いわゆる パラレルワールド である。

    リョウの両親の 二人が 他のニンゲンと浮気をしている
    ことに対して リョウとサキの対応で、
    両親のあり方が 大きく違っているということ。

    ノゾミと言う同級生のおかれていた状況に対して
    リョウとサキの対応で、
    ノゾミの性格の表し方が ちがっていること。

    ノゾミの父親は ヒューマニスト
    ノゾミの母親は モラリスト。
    ノゾミは ヒューマニストにもモラリストにもなりたくなかった。

    サキは 『じゃ。オプティミストになれば』という。
    リョウは 『なんでもなくなれば、いいんじゃないか』という。
    そのことで、ノゾミは、影響を受ける。

    自分の存在で おおきく影響を与え 世界が変化する
    という 編集方法は 巧みである。

    そして ノゾミが 死んでしまったもうひとつの要因が
    フミカという 人の不幸を 喜ぶと言う 悪意的な存在が
    影響をする。これは、また 違った人間関係をつくり出す。
    ねたみの怪物の存在。

    そして、自分の生きていることへの根拠。
    『死んじゃえ』という言葉の重み。

    まったく 違った世界があり、リョウは 
    自分の存在そのものを 問いかけることになる。
    合わせ鏡を 自分で見つめているような パラレルワールド。
    リョウは どう生きていったらいいのだろうか。
    一歩 足を踏み出す。

  • 理不尽に暴力的なものではなく、静かな救われなさがある。真綿で首を絞められるってこういうことなんだろうな…。
    悪意のない笑顔で存在を否定されるのが怖くておもしろかった。

  • 終始、陰々滅々とした雰囲気が漂う作品。
    タイトルであるボトルネックが何を示すかを理解した後の
    切なさときたらもう耐えられない。

    その後、主人公がどうするか気になります。

  • タイトルや装丁からSFミステリーだと思って読み始めたらとんでもないしっぺ返しを食らいました。

    複雑な家庭環境で育った少年の心のしこり・澱みといったものが痛々しくもストレートに描かれていて、彼の処世術(ある意味では心の防衛方法)や人間関係、“もし自分が生まれてこなかったら”という強い自己否定の過程とその結論がとても生々しい。

    よくよく考えさせられるテーマでした。物語の最後、少年が選んだ道とは…。
    暗くて救いのない話、などと一蹴されるには惜しすぎる一冊です。未読の方はぜひ!おすすめします。

  • 読み進めてくうちに、好きな映画である「バタフライ・エフェクト」を思い出しました。

    あるひとつの言葉が、あるいはあるひとつの行動が違うだけでずいぶんと未来は変わる。
    人は自分の認識とは無関係なところで、実はその時々で重要な岐路に立ち、その度に選択しているのだと気付かされました。

    パラレルワールドへのトリップ。そうまとめてしまえば簡単なのだけど、その発想がメインではなくて。あくまでメインは、自分が「いる世界」と「いない世界」の強制的な比較によって描かれる主人公のリアル感であって、その痛々しさであって。

    読後感が良いとは言えませんが、考えさせてくれる作品として僕は気に入りました。

  • 米澤穂信のブラックな長編青春ミステリ。

    東尋坊で恋人を弔いに来ていた高校生の嵯峨野リョウは、いつの間にか金沢の街に飛んでしまう。そして自宅に帰ると、生まれるはずのなかった姉が、自分の代わりのように生活していた。二人で会話をするうちに、こちらの世界での違いに気付いていく。

    どうも読んだ後に違和感があったのだけど、裏表紙の「青春ミステリの金字塔」という言葉を見て、それに気付いた。この作品は青春ミステリでありながら、学校生活が殆ど入っていない。<古典部>シリーズ、<小市民>シリーズ、「さよなら妖精」では、どれも学校を中心にして物語が描かれている。というか、それこそが青春ミステリに期待されているものの一つであり、また期待に応えるべきところであるように思う。

    しかし「ボトルネック」は非日常の世界が舞台になっており、主人公に学校生活は与えられていない。したがって学校生活は描かれようがない。むしろ家庭環境や街の様子を、第三者の視点から観察させている。特に家族との関わりをレンズにして青春を描いているのが本作品だろう。

    ただし、非日常の中であっても学校生活を描くことはいくらでもできる。だが今作は、あえてそれを避けるように書かれている。これはなぜだろうか。

    思えば米澤青春ミステリの舞台は、徐々に学校から離れてきていた。学校というのは子どもでいられるモラトリアムの象徴であり、その学校の外にある大人の世界へ羽ばたこうともがくことが、青春だと考えることができる。とすると、今作品で学校という舞台を描かなかったのには、学校という安心できる止まり木を取っ払うという意味があったのかもしれない。逃げ場を無くし、主人公が自ら過去と客観的に向きあうように仕向けるのである。

    このような設定における巧妙さも面白さの一つだが、学校生活を描かずに青春ミステリを作り上げてしまおうという作者の確固たる自信も見逃せない。きっとその自信を抱くに至ったものが、それまでの米澤青春ミステリの中にあるはずである。未だ全てを読破していないのだけれど、<古典部>シリーズから全て読み返してみようかという気分にさせられてしまった。

    この作品以降に発表された米澤青春ミステリは、「リカーシブル」くらいだろうか。未読だけれど、きっと新しい青春ミステリを描いてくれているに違いない。

  • いい本だなぁと思いました。自分の世界は世界から見たらこうだった、ていうのが少しずつ視界が開けていくことでわかってきて、読んでる人は自分のこととして捉えるシーンがいくつもあるんじゃないかなと。毎日は通過点じゃなく分岐点だっていうことを改めて思い出させてくれる、いい作品でした。

  • 最終章までの290ページが長い冒頭の様に思える程、ラスト7ページに凝縮された物語だった。綺麗にまとめず、絶妙な部分を曖昧にして終わる結末は、まるで筆者から「想像して!」と言われている様だった。

    この想像をするのがとても楽しい。ここに書くと恐ろしく長くなってしまうので書かないが、本書には考える材料が随所に散りばめられている。そのヒント達は一つの答えに誘導することがなく、読者の想像力をひたすらに膨らませてくれるのだから面白い。

    読み手によってバッドエンドにもなるし、ハッピーエンドにもなりえる。
    ちなみに私はまだ楽しく悩んでいます。

  • 【内容】
     亡くなった恋人を追悼するため東尋坊を訪れていたぼくは、何かに誘われるように断崖から墜落した…はずだった。ところが気がつくと見慣れた金沢の街にいる。不可解な思いで自宅へ戻ったぼくを迎えたのは、見知らぬ「姉」。もしやここでは、ぼくは「生まれなかった」人間なのか。世界のすべてと折り合えず、自分に対して臆病。そんな「若さ」の影を描き切る、青春ミステリの金字塔。(「BOOK」データベースより)

    【感想】
     自分が生まれなかった世界。さらにそこは、自分がいない方がうまくいく世界。そんな世界に迷い込み、自分の存在意義について葛藤する主人公。それは、残酷なことのように感じる。

     でも僕は想う。僕が生きるから「世界」があるわけで、僕のいない世界など、想像できない。自分の存在意義など確認するまでもなく、この世界のいちピースである。

     1人称で描かれた世界観は、何だか哲学的。表現も好きな感じで、ぐいぐい読めた。結末どうなるものかと感じた。

     僕たちは、遠かれ近かれ、僕たちは世界に影響を与えている。それがプラスのことも、マイナスのこともある。でも、そんなささいなことで、悩み立ち止っている場合ではない。

     自分が生まれ生きるこの世界を、愛していくしかない。信じていくしかない。 そんな風なことを考えさせられた一冊。

  • 必ずしもハッピーエンドとは限らないのが人生であり、パラレルワールドものだが現実的な小説。
    どんよりとした北陸の情景が浮かぶ。
    東尋坊から突如別世界へ飛ぶ主人公。
    本来は居ないはずの姉がいる世界では自分の住む世界ではうまくいかなかった物事がうまく進んでいる。
    これでもかこれでもかと自分の存在価値を否定されていき、世界のボトルネックが自分だと気付かされた時に現実に戻る主人公。
    母からのメールを見て主人公はどんな行動をとるのか?

  • なんて残酷な物語なんだろう。
    認めたくないもの、正視したくないものを、容赦なく突きつけてくる・・・そんな物語だった。
    そのときは気づかずとも、人は否応なく岐路に立たされるときがある。
    対応次第でまったく違う結果が待ち受けていたとしたら、それはとても怖ろしいことだ。
    サキがいて、リョウのいない世界。
    想像力をフル稼働させたサキによって両親の危機は去り、とりあえず一般的な家庭の形をいまも整えていた。
    あまりにも違いすぎる世界に、リョウは戸惑いながらも徐々に抵抗を感じなくなっていく。
    サキの事故がもたらしたもの。
    ノゾミが遭うはずだった事故の真相。
    そして、あれほどまでに恋しく思えたノゾミへの思いが足元から崩れたとき、リョウの中で何かが決定的に崩れていく。
    もしかしたら崩れるほどの何かなんて最初からなかったのかもしれない。
    すべてを他人事のように感じ、受け入れているようにみえたリョウ。
    その存在そのものが、こんなにも心もとないものだったなんて。
    気づいてしまったら、平気でなんかいられない。いられるはずがない。
    着地点は示されない。
    どう感じ、どう受けとるか。
    すべては読者に任されている。
    痛みと怖さと切なさと・・・救いの扉さえ見えない結末が、とにかく辛かった。

  • 評判いいみたいだけど全く面白くなかった。
    せっかくのパラレル設定も、人物の会話や仕草の違和感や
    ダサさが気になって話が入ってこない。

    設定自体は良いのになぜそっちを活かさないのか意味不明。
    あと途中の駅で出会う子供も意味不明。
    ハッピーでもバッドでもいいからしっかり完結してほしい。
    もやっと感半端ない。

  • 主人公、暗いな。

    家庭環境最悪だから、こうなっちゃうのもわかるけど。

    自分が生まれなかったかもしれない世界か。
    うちの次女も、私が二人目を流産した後に生まれた子なので、こういう世界があるとしたら主人公と同じ立場になりうるなあ。

    自分がいない世界の方がうまく回ってたとしたら、それはキツい。

  • 読み終わった後気分が悪くなるくらいのバッドエンド。
    でもたまにはこういう話も読んでみたくなる。

  • ラスト一行を読んだとき、作者はこの一行を書くために物語を積み上げてきたのかなーと思った。

    私の勘だけど、ボトルネックは排除されたんだと思う。

    さらさら~と読み進めたけど、読み終えると意外に考えさせられ、印象に残る物語だった。

  • 米澤穂信の青春ミステリの中でも、ほろ苦いでは済まされない、かなり容赦の無い作品と感じた。
    容赦のないというよりは、身もふたもない、といった方が近いかも。
    かなり人を選びそうだし、解釈も分かれそうだなと感じた。

  • この小説は「幸せバロメーター」。
    読んでつまらない人は多分今人生楽しいだろうし、何かしら思うところがあるなら多かれ少なかれ内心不安なことがあるんだと思う。

  • 自分の努力は報われず、壊れて行く環境。
    一方で、自分がいない世界では自分が手にしたい、したかった未来がある。
    思春期特有の達観しているような感じ、無気力感は秀逸でした。
    最後、彼がどういう選択をしたのかやはり気になります。
    どうしようものない無力感に消えたくなったままだったのか。
    それとも、誰でもない彼が本音をこぼしたことで、これからは彼として生きていくようになったのか。
    再読した時、印象が変わるお話のような気がしています。

  • 伏線がいたるところにあり、計算されて書かれているなと思いました。
    後味の悪い話でした…

  • もし、自分が生まれる事無く、違う人が自分の立ち位置で生きている世界があるとしたら?そんな世界に迷い込んでしまったとしたら?その世界の人々が自分の世界よりも幸せだったとしたら?
    物語は終始暗い雰囲気で進み読み進めるにつれて主人公と共に心が重くなって行く。もし、ここにいるのが私ではなかったら?そんなことを考えさせられる、想像力が生まれる話。

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亡くなった恋人を追悼するため東尋坊を訪れていたぼくは、何かに誘われるように断崖から墜落した…はずだった。ところが気がつくと見慣れた金沢の街にいる。不可解な思いで自宅へ戻ったぼくを迎えたのは、見知らぬ「姉」。もしやここでは、ぼくは「生まれなかった」人間なのか。世界のすべてと折り合えず、自分に対して臆病。そんな「若さ」の影を描き切る、青春ミステリの金字塔。

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