リカーシブル (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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感想 : 180
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  • Amazon.co.jp ・本 (522ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101287836

感想・レビュー・書評

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  • あり得ないようでありそうな話。
    大人たちの悪意がなかなか重い。
    主人公たちを守ってくれるものは何もないのか、と考えるとやるせない。
    主人公は中1にしては頭が良すぎ。最後の10ページで一気に伏線を回収するのはとても気持ちが良かった。

    街ぐるみで再現するなら元の家に住ませればいいのに…。

  • こんな中1いないだろ、というのと、伝統の中の役割を穏やかに受容しすぎだろ、というのはあるものの、やはりどんどん伏線が回収される様を口を開けて感心するのみ。

  • 一気読みできるという書店ポップに触発されたが、
    全然楽しめなかった。ハルカの想像が長すぎる。
    テンポが私には合わなかった。もっと深掘りできる話しであろうに。もったいない。その一言に尽きる。

  • 強い人は弱いからこそ強くなるんだろうなと思った。弟と大きなものの中で生き抜くであろう彼女たちの様になりたいんだけど、、難しいだろうな。てことはぬくぬく生かされてきたんだろうな。強くなりたい

  • どこかで読んだような・・

  • なんて救いのない。。。
    ストーリー自体はおもしろく、ラストのネタバラシも驚きありで、好きなタイプの小説ながら、もやもやとしたものが心に残る。主人公の強さがかえって悲しい。

  • 米澤穂信の代表作といえば高校の古典部部員たちを主人公にした学園ミステリー、「古典部」シリーズ。TVアニメ化もされている人気シリーズではありますが、私は同著者ならばシリーズものではない作品のほうが好きです。本作はそんな独立した作品で500頁超のボリューム。そのわりにこぢんまりとしていますが、読み応えはあり。

    主人公は女子中学生のハルカ。大好きだった父親は、会社の金を横領して蒸発。残されたのはハルカと、父親の再婚相手、つまりハルカの継母と連れ子のサトル。継母にはハルカを育てる義務などないはずなのに、美しく、ムカつくほど優しい。だからといって継母に反抗したところでハルカには他に行くあてなどない。ならばできるだけお互いのストレスを減らすよう、継母の言うことは必ず聞くと決めている。父親が戻る気配はなく、継母はつてを頼りに昔暮らしていた町へ。勤めに出ざるをえない継母は、サトルの面倒をハルカにまかせる。内気で臆病だけど生意気なサトルのことがハルカは大嫌い。だけどサトルはハルカにまとわりついてくる。「サトルのバカ」「なんだよ馬鹿ハルカ」と言い合いながら過ごす毎日。

    中学の入学式のタイミングで引っ越してきたハルカは、よそ者だとばれることもなかろうと安心していたが、同級生のリンカから言い当てられる。けれど悪気はないようで、以後なにかとリンカが気遣ってくれる。ところが、ハルカのまわりで奇妙なことが起こり始め、しかもサトルがそれらのことを予言したり、過去にこの町で起きたことを知っていたり。そんな折り、古くから町に伝わる「タマナヒメ」伝説を社会科教師から教えられる。タマナヒメとは予知能力を持ち、住民を救うために自分を犠牲にする娘。娘が死ねば、また次の娘が現れてタマナヒメを引き継いできたらしい。もしも男のタマナヒメが存在し得るならば、サトルがそうではないのかとハルカは考えるのだが……。

    一見平和な町が実は閉鎖的で恐ろしい。住民同士の結束力の高い町。彼らが守ろうとしているものは何なのか。非科学的だと思われる出来事が非科学的なオチで終わることはなく、きちんとミステリーらしい解決が待っています。文中に登場する伝承民話も面白い。

    大嫌いな弟だけど、ほかに味方がいなんだから。私が守る。そんなハルカとサトルの姿に泣いてしまいました。私は大好きです。

  • このミス2014年版7位。このミス常連の米澤さんのやつ。全編ミステリアスな雰囲気に包まれて、不思議な違和感満載で進んで行く。てっきりそっち系のトリックかと思いきやそうでもなかった。お話はきっちり作られてるしストレスなく読める。

  • あぁ、そういうオチかぁという感じだった。オチが予想できたわけでもないけども、読後感は米澤穂信作品の多くに共通するモノかも知れないという気はする。程度はかなりマイルドだけども。

  • 読み終わって最初に感じた違和感は、この主人公が12歳の少女だという点だ。
    はたしてこんな論理的に、冷静に、物事を捉えられるものだろうか。
    辛い経験がハルカを大人にしたのだとしても、12歳という設定は無理があるような気がした。

    そこを除けば米澤さんらしい描写もあって面白かった。
    とくにハルカの母親の描写がいい。
    ぐにゃりと世界が歪んでいるような母親の優しさがやけに不気味で嘘っぽくて、人間らしい感情の揺らぎがまったく感じられない。
    すべての謎を解く鍵はこの母親の存在にあるのでは?と思わせる展開もいい。

    ハルカの級友・リンカの怪しさは母親の胡散臭さとはまた違うものだった。
    親しい友人のふりをして彼女にいったい何の得があるというのか?
    物語の中盤、彼女が言い放った「好奇心は猫をも殺す」という言葉。
    物語の中でリンカの果たす役割は何なのか?
    それを考えながら読み続けることになった。

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著者プロフィール

1978年岐阜県生まれ。2001年『氷菓』で「角川学園小説大賞ヤングミステリー&ホラー部門奨励賞」(ヤングミステリー&ホラー部門)を受賞し、デビュー。11年『折れた竜骨』で「日本推理作家協会賞」(長編及び連作短編集部門)、14年『満願』で「山本周五郎賞」を受賞。21年『黒牢城』で「山田風太郎賞」、22年に「直木賞」を受賞する。23年『可燃物』で、「ミステリが読みたい!」「週刊文春ミステリーベスト10」「このミステリーがすごい!」でそれぞれ国内部門1位を獲得し、ミステリーランキング三冠を達成する。

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