三たびの海峡 (新潮文庫)

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著者 : 帚木蓬生
  • 新潮社 (1995年7月28日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (465ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101288048

三たびの海峡 (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 九州北部の炭鉱地帯。大陸に近いこの地の歴史がわかる本。これを読んで、この地方のこと、人間の扱われ方について、ますます知りたくなった。

  • 圧倒されました。想像だにしなかった世界を垣間見た気がしました。

  • 良い本を読んだ。久しぶりに電車の中で熱中の余り、降り損ねかけた。
    帚木さんのミステリーっぽくない本を探していて見つけたのがこの本。あらすじを見て、テーマが戦時中の朝鮮人強制労働という政治・民族的なものなのでちょっと悩んだが、帚木さんなら冷静に扱うだろうと考え購入した。
    前半は戦時下を中心に現代をフラッシュバックで扱いながら進行する。あまりに屈辱的な日本の朝鮮統治、その中で強制労働に徴集される17歳の主人公。連れて来られた日本の炭鉱での過酷な労働。そして搾取・拷問・・・。帚木さんの端正な文章で綴られるその悲惨さは、扇情的でないために却って胸に響いてくる。
    一方で日本人炭鉱労働者が差し出す強制労働者への小さな救い。炭鉱を脱走後、逃げる主人公を救う同胞の友情。そして知り合った日本人女性との深い愛。これらが悲惨さの中に適度に入り混じる事により、この物語は救済されている。そして、その為に”決して繰り返してはならない歴史”を素直に認識し、受け止める事が出来るのだと思う。
    唯一の不満は最終章の手記。過去の清算ではなく、未来に向けた希望という方向で物語を閉じる方法もあったように思うのだが。
    いずれにせよ素晴らしい作品だと思います。
    〔5/26追記〕試験が終わったばかりで退屈そうな娘に「読んでみたら」とこの本を渡した。すでに夕方だったが、一晩で読み終え、翌朝「面白かった」と言っていた。私が気になったエンディングも彼女には良かったみたいです。

  • 韓国語で母親のことを「オモニ」と呼ぶのは
    なんとなく知ってた。
    でも他は知らないしメジャーじゃないような…

    けど普通に最初から、
    母だけでなく父、おば?おばあちゃん?
    の韓国語での呼び名が出てくるし解説や訳もなし。
    他にも韓国という国をよ~く知ってないと
    理解が深められない部分も結構あった気がして、
    違和感を拭い去れないまま読み進めた。

    大変な時代だった、それは理解したけど
    それに焦点を当てるならもうちょっと余計なところ削って、
    事実だけを感情的にならずに描ききる。
    または小説として描くのならもっと冷静に客観的に。

    と、どちらかがいいような気がしたけど、
    偉そうにすみません。
    知らなかったことを知ることができた一冊でした!

  • 日本の暗い歴史を考えさせられる作品。自分の故郷近くが舞台ということもあり身近に感じられる部分もあった。中盤までは過去と現在が入れ替わりが多いので、やや読み辛かったが終盤の展開は一気に読まされ、作者の力を感じた。

  • 朝鮮人の目からみた大戦中の強制労働を軸に、二十数年前に書かれた小説。

    当時の雰囲気を反映してか、戦時中の日本国家による行為に対する目は厳しい。

    昨今のかの国での言説についての理解が進む状況において、本書に書かれたような半世紀前の残虐行為に対する怨恨に対する復讐や、強制労働にも一定の重きを置いた記念館の設立がどれほどの説得力を持つのだろうか。

  • 「一度目」は戦時下の強制連行だった。朝鮮から九州の炭鉱に送られた私は、口では言えぬ暴力と辱めを受け続けた。「二度目」は愛する日本女性との祖国への旅。地獄を後にした二人はささやかな幸福を噛みしめたのだが…。戦後半世紀を経た今、私は「三度目の海峡」を越えねばならなかった。“海峡”を渡り、強く成長する男の姿と、日韓史の深部を誠実に重ねて描く山本賞作家の本格長編。吉川英治文学新人賞受賞作品。

  • 2000.01.01

  • 20代前半の頃に読み「よい本だ、また読もう」と思い十数年。本棚の整理がてら再読。
    内容を殆ど覚えておらず、こんな内容だったかと驚きながら、少しずつ思い出していった。

    二次大戦中、日本の炭坑に無理矢理つれてこられ、労働を強いられた韓国人の主人公。時代は現代になり終戦後韓国に戻り経営者として成功した主人公が、三度海峡を渡り日本に来る、過去と現在を織り交ぜて話は進む。

    戦争、終戦、六・二五動乱、済州島四・三事件など時代に翻弄される主人公を思うと大変な時代であったと思う。 未来に事実を残そうという意志はもっともだと思うが、成功してもなお、強烈な過去の怨みが消えない事の恐ろしさ、残念さを思う。

  • P460

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