三たびの海峡 (新潮文庫)

  • 474人登録
  • 3.93評価
    • (61)
    • (74)
    • (64)
    • (4)
    • (1)
  • 60レビュー
著者 : 帚木蓬生
  • 新潮社 (1995年7月28日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (465ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101288048

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
東野 圭吾
宮部 みゆき
有効な右矢印 無効な右矢印

三たびの海峡 (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

  • 九州北部の炭鉱地帯。大陸に近いこの地の歴史がわかる本。これを読んで、この地方のこと、人間の扱われ方について、ますます知りたくなった。

  • 韓国語で母親のことを「オモニ」と呼ぶのは
    なんとなく知ってた。
    でも他は知らないしメジャーじゃないような…

    けど普通に最初から、
    母だけでなく父、おば?おばあちゃん?
    の韓国語での呼び名が出てくるし解説や訳もなし。
    他にも韓国という国をよ~く知ってないと
    理解が深められない部分も結構あった気がして、
    違和感を拭い去れないまま読み進めた。

    大変な時代だった、それは理解したけど
    それに焦点を当てるならもうちょっと余計なところ削って、
    事実だけを感情的にならずに描ききる。
    または小説として描くのならもっと冷静に客観的に。

    と、どちらかがいいような気がしたけど、
    偉そうにすみません。
    知らなかったことを知ることができた一冊でした!

  • 日本の暗い歴史を考えさせられる作品。自分の故郷近くが舞台ということもあり身近に感じられる部分もあった。中盤までは過去と現在が入れ替わりが多いので、やや読み辛かったが終盤の展開は一気に読まされ、作者の力を感じた。

  • 朝鮮人の目からみた大戦中の強制労働を軸に、二十数年前に書かれた小説。

    当時の雰囲気を反映してか、戦時中の日本国家による行為に対する目は厳しい。

    昨今のかの国での言説についての理解が進む状況において、本書に書かれたような半世紀前の残虐行為に対する怨恨に対する復讐や、強制労働にも一定の重きを置いた記念館の設立がどれほどの説得力を持つのだろうか。

  • 「一度目」は戦時下の強制連行だった。朝鮮から九州の炭鉱に送られた私は、口では言えぬ暴力と辱めを受け続けた。「二度目」は愛する日本女性との祖国への旅。地獄を後にした二人はささやかな幸福を噛みしめたのだが…。戦後半世紀を経た今、私は「三度目の海峡」を越えねばならなかった。“海峡”を渡り、強く成長する男の姿と、日韓史の深部を誠実に重ねて描く山本賞作家の本格長編。吉川英治文学新人賞受賞作品。

  • 20代前半の頃に読み「よい本だ、また読もう」と思い十数年。本棚の整理がてら再読。
    内容を殆ど覚えておらず、こんな内容だったかと驚きながら、少しずつ思い出していった。

    二次大戦中、日本の炭坑に無理矢理つれてこられ、労働を強いられた韓国人の主人公。時代は現代になり終戦後韓国に戻り経営者として成功した主人公が、三度海峡を渡り日本に来る、過去と現在を織り交ぜて話は進む。

    戦争、終戦、六・二五動乱、済州島四・三事件など時代に翻弄される主人公を思うと大変な時代であったと思う。 未来に事実を残そうという意志はもっともだと思うが、成功してもなお、強烈な過去の怨みが消えない事の恐ろしさ、残念さを思う。

  • 読了。日本人によって描かれた朝鮮半島側から見た反日小説。重すぎる。。。
    炭鉱の街に住むということは、こういう事なのだ。星5つの引き込まれ感。

  • 帚木さん、「全部同じような話でどれがどれかわからなくなってくる」なんて言ってごめんなさい。
    全然違うお話も書かれるんですね。
    しかし、重い。重すぎる。
    そして、これが史実に近いかと思うと・・・。

    日本に強制的に連れてこられ、強制労働を強いられた朝鮮の人々のお話。
    人間でいることが嫌になる。
    強制労働を強いる日本人のひどさ。
    その手先となり、同胞を苦しめまくる人々のひどさ。
    こういう時、一番残虐なことができるのは実は、敵より味方なのかもしれない。
    鞭打たれる仲間たちと同等になるのであれば、忌み嫌っていたはずの日本人の手先となっても、鞭打つ立場でありたいと思うその気持ちを責めることはできないけれど。

    戦後70周年の夏に読むにはふさわしいかも。

  •  戦争が犯した罪の一つ。強者が弱者を対等な人として、認めてこなかった事。
     帚木氏は戦争の罪を書きとどめてきている作家の一人だと思う。
     この作品の凄さは、人さらいの様に連れて来られ、強制労働を強いられた韓国人を軸となっていること。あまり知ることのない、韓国人の習慣などを描き、民族の違いを浮き出さしている。でも本来だったら、もっと朝鮮民族の”恨”の感情が強いのではないのだろうか。
     日本に残した子、そして孫までもが日本と韓国の橋となろうとしている展開。現実より、さらに一般に受け入れ易い様に、すこし柔らかいニュアンスにしているところ、そのもどかしさが、作品そのものを弱めてしまったのでは・・・

  • 歴史について改めて考えさせられた。

    著者はもしかして在日韓国人であったり、
    韓国に縁のある人なのかな、と読みながら何度も思ったくらい。

    最後ちょっとはしょって読んでしまったけれど、
    読んでみて良かった、勉強になった本です。

    20080223

  • やはり小説を書くようなインテリにとっては、日本における朝鮮、ドイツにおけるナチス、米国におけるベトナム、なんだなぁ、と思ったり。そしていじめた子がいじめられた子に謝る事ができても、友達になるのは難しいよなぁ、と思ったり。しかし炭鉱の労働環境問題というのは、日本からなくなっても、今も同じような状況が途上国では行われている、というのが、なんとも。

  • 太平洋戦争末期の朝鮮半島から一人の若者が強制的に徴用されて筑豊炭田へと送り込まれる。劣悪な環境と苛酷な労働、容赦ない拷問によって仲間たちが次々と死んでいく中、彼は必死の思いで脱走し、同胞のもとで帰国のチャンスをうかがっていたが、日本人女性と愛し合うようになってしまう・・。


    前半は戦時中にいかに朝鮮人徴用者が牛馬のごとくひどい扱いを受けたかということが描写されていきます。
    まさに人を人とも思わない扱い。朝鮮人というだけで人間であることを否定されているかのようです。
    そしてそれは民族間の差別意識のみに起因することではないのです。
    主人公の、朝鮮人労働者をもっとも痛めつけたのは、日本人よりむしろ日本人の手先となっていた同胞の朝鮮人たちだった、という言葉にこそ、人間の恐ろしさがあるような気がします。


    こういった非人道的なことはいろんなところで起こってきたことであり、今も地球のどこかでは同じようなことが起こっているんですよね・・。忘れてはいけないと思います。


    小説としては、、うーんちょっと物足りない気がしました。
    途中までは良いのですが、妻子との別れがあまりにもあっさりとしすぎている気がしますし、敵役の日本人との対決もできすぎな感じがします。そして結末もそれでいいのか?と思っちゃいました。
    難しい主題なのは分かりますが、、最後が駆け足でまとめられた感があるのは残念でした。

  • もう虐待といったレベルじゃありません
    太平洋戦争時、朝鮮から連れてこられた人々が炭鉱でまるで虫けらのように扱われどんどん人が死んでいくんですよ
    あまりのむごさになかなかページを進めることができませんでした

    炭鉱から逃げ出した後、なんとも切ないラブストーリの展開に…
    ここからはラストまで一気だったですね

    久々に読みごたえある本格派小説に出会えました
    朝鮮人の強制労働を知るいいきっかけになる本だと思います

  • エンディングがどうなんだろう?
    折角積み上げてきたものが全て台無しになってしまう位の設定選択、惜しいなぁ。でもこの本は一読に値すると思う。
    日本人の歴史に対する対峙の態度はどう贔屓目に見ても浅薄と言わざるを得ないと感じるが、こういった書物等から目を開いていくしかないでしょう。
    自戒の念も込めてそう思いますな。

  • 3海峡って三往復かとおもったら1.5往復かよ!
    損した!一往復千円として二万円かえせよ!
    名前読めんがなと読んだらおもそろかったです

  • 第二次大戦中に朝鮮から日本へ強制連行された一人の男の人生を描く作品。
    戦時中の日本が何をしてきたのか、私は恥ずかしいけれど何となくしか知らない。
    そんな人が日本でも、きっと沢山いると思う。
    戦争を、朝鮮の人々の立場から捕らえた作品を読んだのは初めてだったので勉強になったし、日本と朝鮮に限らず、人が人を支配しようとすることの醜さを改めて強く感じた。

    ただこの主人公の最後の行為(実際に行われたかは不明だが)の描写が、
    引き込まれて読んできた最後に、少し唐突に感じるような、違和感を覚えた。

  • 重厚な作品というのでしょう。
    戦時下、朝鮮から九州の炭鉱に連れて来られ、そこでの地獄の日々。 
    フィクションかどうかわからない所もあるが、私達が忘れてはいけない事なのだと思う。

  • 三たびの海峡は、韓国と日本の間を3往復と思っていたのですが、冷静に考えると、海峡を3度渡ることなので、その半分でした。
    日本と韓国との歴史的問題にふれた書物は数多くありますが、本書は読むべき本だと思います。おすすめです。

  • 92年にこれ書いてたって言うのはすごいことだと思う。
    でも、最後が残念すぎるーーーー!!!

  • 構成とテンポが非常によく、物語の長さを感じさせないのはさすが。テーマの重さや感情表現の巧みさもあって、読み応えが非常にあった。戦時中の日本を普段あまり考えない角度から描いているので、読まないよりも読んだほうが良い本だと思う。

  • 戦時九州の炭鉱で働かされた朝鮮人男性、河時根の過去と現在。
    残虐非道な炭鉱での仕打ちが読んでて辛いが、読んで知ろうとするのは意義あることと思う。個人的には前半より中盤の千鶴との出会いと別れに強く感じ入った。
    朝鮮文化の差し込みは不自然な印象も少々感じた。しかしいきいきした食べ物の描写にたまらず、読後キムチを漬けた私でした…。

全60件中 1 - 25件を表示

三たびの海峡 (新潮文庫)を本棚に「いま読んでる」で登録しているひと

三たびの海峡 (新潮文庫)を本棚に「読み終わった」で登録しているひと

三たびの海峡 (新潮文庫)を本棚に「積読」で登録しているひと

三たびの海峡 (新潮文庫)のハードカバー

三たびの海峡 (新潮文庫)のKindle版

ツイートする