- Amazon.co.jp ・本 (623ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101288116
感想・レビュー・書評
-
凄い小説。読みごたえがあった。
詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
憲兵視点での読み物は個人的には初めてなのでとても新鮮。戦争にはこういう側面もあるのかと。下巻に向けて逃亡も本格化しそうできたいたかまる。
-
逃亡モノ小説の最上級クラス
-
1945年8月15日、日本敗戦。国内外の日本人全ての運命が大きく変わろうとしていた―。香港で諜報活動に従事していた憲兵隊の守田軍曹は、戦後次第に反日感情を増す香港に身の危険を感じ、離隊を決意する。本名も身分も隠し、憲兵狩りに怯えつつ、命からがらの帰国。しかし彼を待っていたのは「戦犯」の烙印だった…。「国家と個人」を問う日本人必読の2000枚。柴田錬三郎賞受賞。
-
第二次世界大戦中、香港で憲兵をしていた主人公「守田征二」。上巻では戦犯になることを恐れ、身分を偽って収容所に入り、帰国のチャンスを窺う様子が描かれる。
ときおり挟まれる戦時中のエピソード。憲兵という仕事柄、自分もスパイを使うし、敵もスパイを使う。正々堂々というと皮肉な響きにはなるが、敵も味方もそういうものだと思って行動する。スパイを捕まえれば拷問によって吐かせようとするし、逆にスパイがばれた側は、ときには死も厭わない。戦争のダークサイドというか、普通には表に出ない部分であるが、裏を返せば、すべてが明らかにされれば、戦犯となってしまう。
戦争という場では当然だったことが、戦争が終わった瞬間に犯罪とされてしまう、BC級戦犯の理不尽さがここにある。
そういった様々な不安定さをはらみながら下巻に続いていく。 -
帚木作品の中で一番おすすめ。
-
2011.4.14(木)。
1997年 第10回柴田錬三郎賞 -
下巻も含めた感想を。
日本が中国占領時に犯した残虐な行為の数々,敗戦直後の日本人に対する中国人の態度,アメリカが日本に犯した大きな罪。
全てがノンフィクションのようにリアルでした。
スパイを処刑することが死刑に当たるのに,原爆を落としたアメリカは無罪?
勝てば正義?
征二の家族への想い。家族の征二への想い。戦友同士の友情。
涙が出そうになりました。 -
長編なのに、引き込まれて一気に読んでしまった。読者をぐいぐい引っ張り込んでいく筆力はさすが!
-
戦争が終わって、元憲兵の物語。感動はラストに