国銅〈上〉 (新潮文庫)

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著者 : 帚木蓬生
  • 新潮社 (2006年2月28日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (432ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101288161

国銅〈上〉 (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 私は先に「水神」の方を読んでしまったが、この「国銅」があって「水神」がある、そんなことが自ずと頓悟された。

    非常によくできた二昔前ぐらいの連続テレビドラマを観ているかのようだ。
    主人公の国人が絵に描いたような善人の模範で、周りの人々や環境にも異様なほど恵まれる、などといったフィクションならではの好都合も随所に見られるが、本作全体を貫き通す真っ直ぐな流れは揺らぐことなく、読者の真情に迫る。
    物語の中には、謎もどんでん返しもトリックも出てはこないが、“生きる”とはどういうことなのか、そんな命題に真っ向から取り組み、そのプロセスを経て得られた著者なりの答えが示されている。

    「水神」同様、作中に出てくるなんでもない食べ物の数々や、また医師ならではの見地から描かれた疾病の表現などが印象に残る。
    大仏建立の具体的な方法についても、ここまでよく調べられたものだと感服する。
    奈良登りの掘り口や釜屋、吹屋もそうだが、登場人物たちが働いている現場の暑さ寒さまで伝わってくるような臨場感だ。

  • いろんな人が絶賛されていたので、図書館から借りて読んだのですが、私にとっては絶賛とまでは行きませんでした。
    普通悪役になる人足の頭たちも皆いい人ばかりで、精神的な辛さを感じさせないのです。労働の過酷さは書き込まれているのですが、いわゆる虐待だとか強制労働といった雰囲気が無いのです。もちろん、15人で国を出たのに、帰国できたのは1人だけという悲惨さはあるのですが、そこは軽く流されている感じです。
    "三たびの海峡"と比較してそこの辛さが少ない分、帚木さんのヒューマニスティックな良さが出切ってないように思えました。
    むしろ、歴史小説としての面白さのほうを強く感じさせられました。奈良時代の銅の製法、大仏製造の技術、民間の食事。これまで奈良時代の庶民生活を描いた本は読んだことが無いので、そのあたりに新鮮さを感じました。
    ところで、この作品についての、児玉清さんと帚木さんの対談を見つけました。なかなか面白いので、一読してみてください。
    Http://www.shinchosha.co.jp/shinkan/nami/shoseki/331411-7.html

  • 感想は下巻に

  • 久々にヒット!
    地味な主人公だけど、奈良時代の話が克明に描かれていてその時代が目に浮かんでくるようだ。
    箒木篷生って知らなかったけど、他の本も是非読んでみたい。

  • 全然知識のない時代の話なので面白い。

  • 国人が都で大仏を作って
    薬草が重宝がられて
    詩を学んで…
    と充実していた部分が面白かった。

    長門に戻ったら会いたかった人達がなくなっていて
    ちっともハッピーエンドではなかったのが辛い

  • (上下巻通じての感想です)
    奈良の大仏を作る物語ですが、時の権力者や僧侶の側からではなく、作業に直接携わる人足の側から書いています。大仏の材料となる銅鉱石の掘り出しから始まって、精錬し、地方から都へ舟で運び、大仏の製造鋳込みを行います。その作業過程の描写や働く人足たちの気持ちの記述は素晴らしかったです。
    ただ、ちょっと残念だったのは主人公があまりにも体力的、知的、人物的に優れていたことでした。もっと庶民の姿で書いてあれば良かったのにと思いました。

  • 奈良の大仏を製作する為の、人足(力仕事をする作業員)の物語。
    時代も環境、身分、境遇は違えども、現代の自分達と変わらぬ「人の感情」がそこにはある。いや、むしろ常に生死を意識しながら、己の体を目一杯に使う毎日だからこそ現代以上の強い「感情」がある。

  • 美しい景色と銅山での課役。そして奈良の大仏建立への挑戦。一人の人足の目線で語られる一大スペクタル歴史小説。天平の時代の彩る情景を思い浮かべる事が出来る美しい表現力。神の領域か。後半は味わって読もう♪

  • 長門国 (山口県) 銅山で使役する国人17歳 

    歯を食いしばり一日を過ごす。星を数える間もなく眠りにつく。都に献上する銅をつくるため、若き国人は懸命に働いた。優しき相棒、黒虫。情熱的な僧、景信。忘れられぬ出会いがあった。そしてあの日、青年は奈良へ旅立った。大仏の造営の命を受けて。生きて帰れるかは神仏のみが知る。そんな時代だ。天平の世に生きる男と女を、作家・帚木蓬生が熱き想いで刻みつけた、大河ロマン (アマゾンブックデーターベースより)

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国銅〈上〉 (新潮文庫)の作品紹介

歯を食いしばり一日を過ごす。星を数える間もなく眠りにつく。都に献上する銅をつくるため、若き国人は懸命に働いた。優しき相棒、黒虫。情熱的な僧、景信。忘れられぬ出会いがあった。そしてあの日、青年は奈良へ旅立った。大仏の造営の命を受けて。生きて帰れるかは神仏のみが知る。そんな時代だ。天平の世に生きる男と女を、作家・帚木蓬生が熱き想いで刻みつけた、大河ロマン。

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