平凡パンチの三島由紀夫 (新潮文庫 し 67-1)

著者 :
  • 新潮社
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感想 : 17
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  • Amazon.co.jp ・本 (342ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101288819

作品紹介・あらすじ

1968年、超人気週刊誌の編集者として、ぼくは、スーパースター三島由紀夫と出会った。番記者で唯一剣道の弟子となり、共にハンバーグを食べ、編集部で音楽を聴き、結婚式でスピーチをもらう-割腹自決までの三年間、新宿騒乱に同行し、「楯の会」の秘事を間近で見つめるなど濃密な関係を築いた著者が、文豪の知られざる素顔に迫った。従来の三島像を覆す、傑作ノンフィクション。

感想・レビュー・書評

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  • 数多くの伝説を残した三島だけに、ただの交友録が売られている現在、しっかり三島を論評しようという明確な意思がうかがえる良本。
    私はこんなに仲がよかった、という回顧録に陥っていない。

    三島の映画や絵画に向かう「(視覚的)映像的性質」が……、という観点はおもしろい。
    深くうがっていると思う。
    そして三島は「ポップアート」を目指していたのではないか……、という観点。
    こちらも牽強付会な感は否めないが、なるほどと思わせるところ、多々あり。

    惜しいところは、筆の運び・論の進め方が(意図的であるにせよ)ばらばらで、取り留めのないこと。
    年度順にしたり小テーマを設けるなりありそうなものを。

    ともあれ三島のポップセンスに着目した作家論として、後々まで残る本。

  • p.2009/10/26

  • ふむ

  •  COMIC アレ!という雑誌で漫画デビューしかけたことがある。当時お世話になった編集長のお名前を図書館で目にして、もぎ取るように借りた。以前から敬愛していたお方だが、その教養・読書量・分析力に、尊敬の念を新たにした。
     あの三島から剣道を習い、道場の風呂で背中を流したというのだから、ファンとしては羨望でクラクラしてしまう。
     政治とアングラその他モロモロ渾然一体となった60年代末の熱気は、小学生の自分にも伝わっていた。本書はサブカル水滸伝の趣がある。

  • (しばらくレビューを書くのをさぼっていたので、ここから何冊かは順不同)

    台風のときに、電車の中での暇つぶしのために駅の売店で買った本。意外に楽しめた。三島由紀夫という人は、同時代に生きた人々にとっては強烈な刺激を与える人物だったんだろうなぁ・・・!

  • 文学

  • 平凡パンチから見た、ポップスター三島の姿。楽しそうな三島がここには居る。石原新太郎の書いた、三島由紀夫の残日録と併せて読むことをお勧めします。

  • 週刊誌編集者の立場から三島がどう映っていたが、文士や憂国の士の側面からではない、ポップスターとしての三島の姿が鮮やかに描かれている。最後の方はベルグソンやらユングやらがめちゃくちゃだが、それこそが三島だったのだ、とは言える。

  • 2011/12/30購入
    2012/3/13読了

  • タイトルに対して私が抱いてた期待と後半部分がまったくかみ合わず。
    最後は意見を押し付けられるみたいで読むのしんどかった。。

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著者プロフィール

編集者・作家。一九四二年福島県生まれ。早稲田大学第二商学部卒業後、「婦人生活」編集者に。その後、平凡出版(現マガジンハウス)で「平凡パンチ」「アンアン」の編集に携わり、講談社開発室、「日刊ゲンダイ」創刊編集長を経て、以後、「ポパイ」チーフディレクター、「オリーブ」創刊編集長、「週刊平凡」編集長、「Hanako」「Comic アレ!」「LIKE A POOL」「リラックス」の創刊編集長を歴任。関わった雑誌は十一誌に及ぶ。
著書に『VR的完全版 平凡パンチの三島由紀夫』『POPEYE物語』『オーラな人々』『銀座Hanako物語』『フクシマの王子さま』『希林のコトダマ 樹木希林のコトバと心をみがいた98冊の保存本』、荒井良二との共作絵本に『ウリンボー』がある。

「2023年 『49冊のアンアン』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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