平凡パンチの三島由紀夫 (新潮文庫 し 67-1)

著者 :
  • 新潮社
3.43
  • (4)
  • (6)
  • (10)
  • (2)
  • (1)
本棚登録 : 95
感想 : 17
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (342ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101288819

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 数多くの伝説を残した三島だけに、ただの交友録が売られている現在、しっかり三島を論評しようという明確な意思がうかがえる良本。
    私はこんなに仲がよかった、という回顧録に陥っていない。

    三島の映画や絵画に向かう「(視覚的)映像的性質」が……、という観点はおもしろい。
    深くうがっていると思う。
    そして三島は「ポップアート」を目指していたのではないか……、という観点。
    こちらも牽強付会な感は否めないが、なるほどと思わせるところ、多々あり。

    惜しいところは、筆の運び・論の進め方が(意図的であるにせよ)ばらばらで、取り留めのないこと。
    年度順にしたり小テーマを設けるなりありそうなものを。

    ともあれ三島のポップセンスに着目した作家論として、後々まで残る本。

  • (しばらくレビューを書くのをさぼっていたので、ここから何冊かは順不同)

    台風のときに、電車の中での暇つぶしのために駅の売店で買った本。意外に楽しめた。三島由紀夫という人は、同時代に生きた人々にとっては強烈な刺激を与える人物だったんだろうなぁ・・・!

  • 平凡パンチの編集者であった作者から見た三島由紀夫の姿も面白かったけど、学生運動に揺れ、新しい文化と古い文化がごちゃまぜになっていた当時の様子が特に面白かったです。ビートルズが来日し、街中で学生と警察が押し合いへし合いし、雑誌が面白おかしく記事を書きたてる、そんな時代の浮かれた熱っぽい雰囲気が感じられました。

    しかし、作者の視点の先には常に三島の死があり、そこに近づきも離れもしないので、読み勧めるにつれ多少じりじりとする感じがあったのですが、作者あとがき、そして解説をよんで、すっかり腑に落ちました。この本自体がしっかりとした回想録でありつつ、現在進行形のお話なんだなと感じました。

  • 平凡パンチの記者として、三島由紀夫に関わった椎根和氏の書いたノンフィクション。三島由紀夫の、側面が面白い。

著者プロフィール

編集者・作家。一九四二年福島県生まれ。早稲田大学第二商学部卒業後、「婦人生活」編集者に。その後、平凡出版(現マガジンハウス)で「平凡パンチ」「アンアン」の編集に携わり、講談社開発室、「日刊ゲンダイ」創刊編集長を経て、以後、「ポパイ」チーフディレクター、「オリーブ」創刊編集長、「週刊平凡」編集長、「Hanako」「Comic アレ!」「LIKE A POOL」「リラックス」の創刊編集長を歴任。関わった雑誌は十一誌に及ぶ。
著書に『VR的完全版 平凡パンチの三島由紀夫』『POPEYE物語』『オーラな人々』『銀座Hanako物語』『フクシマの王子さま』『希林のコトダマ 樹木希林のコトバと心をみがいた98冊の保存本』、荒井良二との共作絵本に『ウリンボー』がある。

「2023年 『49冊のアンアン』 で使われていた紹介文から引用しています。」

椎根和の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×