- Amazon.co.jp ・本 (342ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101288819
感想・レビュー・書評
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数多くの伝説を残した三島だけに、ただの交友録が売られている現在、しっかり三島を論評しようという明確な意思がうかがえる良本。
私はこんなに仲がよかった、という回顧録に陥っていない。
三島の映画や絵画に向かう「(視覚的)映像的性質」が……、という観点はおもしろい。
深くうがっていると思う。
そして三島は「ポップアート」を目指していたのではないか……、という観点。
こちらも牽強付会な感は否めないが、なるほどと思わせるところ、多々あり。
惜しいところは、筆の運び・論の進め方が(意図的であるにせよ)ばらばらで、取り留めのないこと。
年度順にしたり小テーマを設けるなりありそうなものを。
ともあれ三島のポップセンスに着目した作家論として、後々まで残る本。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
(しばらくレビューを書くのをさぼっていたので、ここから何冊かは順不同)
台風のときに、電車の中での暇つぶしのために駅の売店で買った本。意外に楽しめた。三島由紀夫という人は、同時代に生きた人々にとっては強烈な刺激を与える人物だったんだろうなぁ・・・! -
平凡パンチの編集者であった作者から見た三島由紀夫の姿も面白かったけど、学生運動に揺れ、新しい文化と古い文化がごちゃまぜになっていた当時の様子が特に面白かったです。ビートルズが来日し、街中で学生と警察が押し合いへし合いし、雑誌が面白おかしく記事を書きたてる、そんな時代の浮かれた熱っぽい雰囲気が感じられました。
しかし、作者の視点の先には常に三島の死があり、そこに近づきも離れもしないので、読み勧めるにつれ多少じりじりとする感じがあったのですが、作者あとがき、そして解説をよんで、すっかり腑に落ちました。この本自体がしっかりとした回想録でありつつ、現在進行形のお話なんだなと感じました。 -
平凡パンチの記者として、三島由紀夫に関わった椎根和氏の書いたノンフィクション。三島由紀夫の、側面が面白い。