日本近代文学の名作 (新潮文庫)

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著者 : 吉本隆明
  • 新潮社 (2008年6月30日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (213ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101289236

日本近代文学の名作 (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

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  • タイトルどおり「こころ」「高瀬舟」など近代の代表作を紹介する本。1作ごとの内容はサラッとしているので、読みやすい。
    恥ずかしながら「雪国」「細雪」「暗夜行路」など未読なので、これを機会に幾つかの本は近いうちに読もうと思う。

    芥川龍之介を大川筋の悪ガキの出自と知識人としてのあり方の乖離と捉えている処が面白い。隆明氏自身が下町出身だからよく分かるとある。大川端の作家の系譜なんてことが頭に浮かんだ。例えば、半藤一利「隅田川の向こう側」小林信彦「日本橋バビロン」。もう下町は消滅したけれどね。

    岡本かの子を天才と高く評価している処。日本語起源論に関する折口信夫、柳田国男への興味。そして、勿論、中原中也、萩原朔太郎の詩人への評論。興味深い内容だった。

    二葉亭四迷は読まなければ。いや、本当に。

  • 学生の頃、人並みに吉本隆明を幾つか読んでみましたが、さつぱり分かりませんで、これはわたくしの理解力が足りないせいだらうと消沈してをりました。
    その後社会人になつて読み返す機会がありましたが、その時は「ああこりや、悪文だな」と考へるやうになつたのです。ファンの方には申し訳ございませんがね。
    さういへば西原理恵子さんの漫画で、よしもとばななさんに「お父さんの本はいつごろから読めたか(理解できるやうになつたか、の意)」と問ふたところ、「今でも読めません(理解できません)」と応へたのがありました。

    ところが本書『日本近代文学の名作』は、さういふ書物とは成立事情が違ひます。即ち、吉本氏が口頭で語る内容を、毎日新聞社学芸部の大井浩一、重里徹也両氏がまとめたものであります。語り言葉なので、まことに解りやすい。
    何でも吉本氏本人の視力が俄かに衰へ、原稿用紙の升目を埋める自信が無かつたとか。それはそれで寂しい話ですな。

    近代文学といふことで、二葉亭四迷から太宰治まで、明治~昭和戦前の作家を24名取り上げてゐます。作家及びその作品の選抜については、毎日の二名によるものださうですが、吉本氏の「わがまま」により、一名だけ外したとか。一体誰なのか、気になります。

    従つて江戸川乱歩のやうに、「どういう作家なのか、大まともに論じられるほど読んでいない」と告白する箇所もあります。
    一方、岡本かの子については、「漱石、鷗外といった男性作家と肩を並べられるほどのものを書いている」と高評価であります。思はず書棚の「岡本かの子集」を取り出したことであるなあ。
    また、鷗外の成功の要因として、あくまでも医学者としての本分を忘れず、文学者としては素人の立場を守つた事であらうなどと指摘します。
    さらに、芥川龍之介「玄鶴山房」を激賞するかと思へば、ラストで社会主義者の名前がとつてつけたやうに出てくるのを「つまらない」「軽薄なことだ」と断ずる。自由自在であります。

    本書は決して「名作案内」ではなく、ある程度名作を読み込んだ人が唸る種類の一冊と申せませう。同時に、構成担当の御両名の力量にも賛辞を贈りたい。
    わたくしとしては、「西脇順三郎」を加へていただきたかつた喃。

    http://genjigawa.blog.fc2.com/blog-entry-713.html

  • 読んだことのない作品が多い。
    今年中には読みたい。

  • 中原中也
    東京で年上の恋人の長谷川泰子と同棲、東大出の小林秀雄や大岡昇平と交流する。故郷に帰って書いた詩の中で年増女の低い声がするとは小林の元に去った泰子を懐かしむ心情をあらわしたものかなと思えます。

  • 135

  • 09158

  • さすが思想界の超人の作品だ。
    鴎外:特に医学、理工系の世界では文学をやっているというと、遊んでいるように周囲から言われてしまう。
    強いことが日本の橋の特色でも日本の文化の特色でもない、弱いことが一番重要だというのが日本の美の本当の特色である。
    二葉亭四迷はロシア文学の専門家で、英文学の夏目、ドイツ文学の鴎外に匹敵する大知識人だと言える。

  • 評価3.0
    近代の大作家の作品を吉本の目を通して語りだす。

  • 名前は聞いたことがあるけど作品を読んだことがない作者のことが書いてあり、今後の選択の参考になった。
    とりあえずまだ一度も読んだことが無い志賀直哉を読んでみよう。

  • 知ったかぶるために、とりあえずエッセンスだけでも。

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日本近代文学の名作 (新潮文庫)の作品紹介

漱石は『こころ』のなかに江戸と西欧、二つに分裂した倫理観の危機を刻み、川端は『雪国』で、混じり合う男女の性を「浸透力」と捉えた-。明治から昭和までの代表的文学者24人の作品から、「名作」に値する特異な要件を抽出し、近代精神が孕む諸問題を解き明かした傑作論考。独自の着眼と作品への懐深い洞察で、文学の本質を鮮やかに射抜く、吉本文学論の精髄である。

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