遮光 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
3.58
  • (147)
  • (297)
  • (291)
  • (71)
  • (19)
本棚登録 : 3351
感想 : 308
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (155ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101289533

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 狂気の愛。主人公は狂っているが、常人では理解できない何かがあるのだろう。気持ち悪い作品だが薄い本だし、引き込まれてあっという間に読んでしまった。
    やはり、なんとなく大江健三郎さんの世界観に似せようとしている感覚があると思った。

    • ロカさん
      マサさん、おはようございます。
      中村さんは大江さんの大ファンですから、似た感じの作品が多いですよね。

      『教団X』なども読みながら、影響が大...
      マサさん、おはようございます。
      中村さんは大江さんの大ファンですから、似た感じの作品が多いですよね。

      『教団X』なども読みながら、影響が大きいなぁと思ってました。
      もちろん、中村さんの作品はそれだけはないから良いのですが。
      2024/02/14
    • マサさん
      ロカさん、おはようございます。
      コメントありがとうございます。
      そうですね、中村さんの作品は大江さんに影響受けてらっしゃいますね。好きな作家...
      ロカさん、おはようございます。
      コメントありがとうございます。
      そうですね、中村さんの作品は大江さんに影響受けてらっしゃいますね。好きな作家さんです。
      『教団X』や他の中村さんの作品もだいたい買ってしまい持っているのですが、まだ読めてなく積読がたまっています(笑)
      2024/02/14
  • 彼の作品に共通して出てくる水。そして
    虫 水は流れる先がないデッドエンドに溜まり濁り腐った水。そして、その汚水より自然発生的に生まれてくる虫。
    そんなイメージの薄暗く鬱屈とした世界に生きる希死念慮の強そうな破滅型な優男。
    漫画家古谷実の描くヒミズの主役住田を
    思い出した。ダークネスであるが、何故か惹かれてしまう。


  • 暗い…ちっと難しい恋愛小説。男の心理としては理解できる。ただこの主人公は幼稚で大人として成り立ってなく彼女を喪失して、認められなく絶望感が満ちてしまった…本当に愛していかわからないが死という己がどうしようもできない事にあらいで行く様は痛い…なかなか考えさせられる本でした。

  • 彼女の交通事故死を受け入れられず、周囲には今も生きていると、
    幸福であることを語っていた。その彼の手元には、黒いビニールに
    包まれた、謎の瓶があった・・・。

    人の内に秘めた顔が表に出てしまう、それがどういうきっかけになるか、
    過去の出来事をきっかけに、「虚言癖」がある彼にとってみれば、
    自分を不幸のどん底に叩き落さないための行動だったのでは?
    、と推測することもできる。
    彼女の死を目の前にして、彼は何をして、その後の行動や物語の最後に
    至るまでをどう読み、感じ取るか、
    それは自分としてはとても難儀し、奇怪に感じた。

    想像力が豊かな人、こう言う内容が苦手な人は、
    心して読むべきでしょう。

  • 恋人の死を隠すための狂言癖は自分を守るために、子供心についた事から始まり、嘘に嘘を重ねる彼の行動に心臓が鼓動を立てる。最後は受け入れ難いが、陰鬱なものは誰もが持っているし、隠し通したい気持ちも分からないでもない。

  • 2024年初めての小説

    『何もかも憂鬱な夜に』を読んで以来、中村文則の小説を読んだ。

    恋人の美紀が死んだことを隠して、周囲には留学に行っていると嘘をつきつづける主人公の話。

    美紀の小指をこっそり盗んでホルマリン漬けの瓶を持ち歩くとゆう狂気的な話。

    ただのヤバいヤツなんだけど、中村文則の表現力でなぜかそれが崇高なものみたいに感じるのもまた狂気的。


  • ずっと暗がりの中で泥水に足を浸しているような不快感だし、全然気持ち理解できないし、人にもオススメできるものでもない。
    でもそれだけ彼女に対して愛があったんだろうなというのは感じる。

  • 億劫だったことが過ぎ去った。
    浮かれた気分から通常へとバランスを整えたくて、手に取った。
    崩壊と悲しみが今のわたしにちょうどよかった。

  • 中村文則の小説にまたハマっていて最近読んでるけど、遮光は読んでいてものすごくジョジョの第4部の吉良吉影を思い出した。著者はジョジョ大好きなのではないだろうか。主人公が死んだ彼女の指を大事にしているのは気持ち悪いけど、無機質な感じは共感が持てた。中村文則の本はどれを読んでもどこか陰鬱な空気が漂っているけれども、ある意味すごく人間的でやはり好きだなと再認識した。また違う本も読んでみようかと思うが、なぜか中村文則の本て読んだ数か月後に内容が全然思い出せないことが多い。おもしろいと感じているのに。

  • 2018.3月

    心地よい話ではない
    具体的に想像してしまう
    でも最後まで気になって読んじゃう話

著者プロフィール

一九七七年愛知県生まれ。福島大学卒。二〇〇二年『銃』で新潮新人賞を受賞しデビュー。〇四年『遮光』で野間文芸新人賞、〇五年『土の中の子供』で芥川賞、一〇年『掏ス摸リ』で大江健三郎賞受賞など。作品は各国で翻訳され、一四年に米文学賞デイビッド・グディス賞を受賞。他の著書に『去年の冬、きみと別れ』『教団X』などがある。

「2022年 『逃亡者』 で使われていた紹介文から引用しています。」

中村文則の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×