一月物語 (新潮文庫)

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著者 : 平野啓一郎
  • 新潮社 (2002年8月発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (181ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101290324

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一月物語 (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

  • 高野山十津川旅行シリーズ。読まなかった。読みたい。

  • 明治三十年の日本。十津川へ旅をした青年が、妖かしに惑わされるように迷い混む幻想的な時間のお話。古風な言葉や表現を駆使した文体は相変らずで、でも今回は舞台が日本ということもあり、かなりそれがハマる感じで、単純にあーやっぱこのひと上手いなあと感心。

    たとえば泉鏡花の『高野聖』なんかを思わせる、隠れ里じみた山奥に棲む美女の妖怪(ここでは西洋でいうところのいわゆるバジリスクですけども)とそれに恋してしまう青年の悲恋というシチュエイションだけでなく、幾重にも交錯した時間軸…夢と現実の区別がつかなくなってゆく青年の、そのどの時点で見ている夢なのか、というのがどんどんわからなくなってゆく多重のパラドックスのようなものに、かなり惑わされます。

    ラストは、青年の存在そのものが女性のほうの幻想だったのはないかという、さらなる入れ子構造的夢オチのニュアンスもあり(解釈によってどうとでも受け取れるでしょうけども)不思議な読後感が残ってとても面白かったです。

  • 読み始めてすぐに、この話は知っている、鏡花だろうか。と思っていたら、かなり昔に既読。単行本を買った覚えが無いので、文芸誌で読んだのだろうか…。多分当時、頭のいい人だなーくらいで忘れてしまったようです。「晦渋な漢字にルビつき、その上に表現が擬古典的」で取っ付きにくいように感じたけれど、読み始めれば馴染みのある世界観のせいか、スラスラと楽しめました。クライマックスの女を掻き口説く言葉はちと、情熱が過ぎて、照れ臭い。渡辺保氏の能になぞらえた解説がいい。

  • まさに現代の神話、と呼ぶに等しい作品。ゆっくりゆっくり読み進め、後半からクライマックスにかけてはまるで、舞台を観ているような美しさと熱情に満ちる。なんとも言えない読後感がいつまでも余韻として残る。

  • 選び抜かれた言葉、表現そのものの美しさ、表現されるものの美しさ、正体不明の妖しい女への烈しい憧憬という主題。どれをとっても最高。美に耽りたい人におすすめ。

  • 解説がとてもわかりやすい。
    『平野啓一郎「一月物語」は現代の神話である。』

    高子は人間と、何か得体の知れない恐ろしい力、つまり自然の究極のようなもの、とのあいのこで、「自然の最も深遠な美」に恋い焦がれる真拆と惹かれあうのは、運命であるというか、それこそ自然の求める終着だったのだろう。
    真拆は山を登り、高子は死ぬ。ふたりが行き着くのは、水音というかたちで何度か示唆されたような、澄みきった異世界だろうか。

    「日蝕」のぎらぎらした世界と対比して、一月物語は暗闇の物語であるので、闇の描写が印象的。時間の止まったように静寂な庭の草花や、"緋色の二点" の印象が読後もくっきりと脳裏に映し出される。

    漢字の密度の高いレビューは、明らかに平野啓一郎小説の副作用……

  • つまらなかった。
    耽美的で作者の個性に走りすぎ。

  • 雨月物語を思わせる題名と内容。

    古文体と旧漢字を多用しながら、美麗な文章で綴られているが、面白くなかった。

    現代人が、古文を駆使して幽玄な文学を産み出しました!と主張しているような作品だと思った。
    文章に素直さがないように感じられたので、伝わってこなかった。

  • 平野はすごい!
    日本人として読んどけ。

  •  情熱的かつプラトニックな愛(しかしそれは自分の命を賭すことでしか成就しえない愛)の物語が、擬古典的な文体で描かれている。主な舞台は明治期の奈良県十津川村の山寺であり、ここで奇妙な出来事が起こる。
     擬古典的な文体が、作品の神秘性を増幅させる役割を果たしている。また、漢字の微妙な使い分けが、細やかな表現の一助となっている。擬古典的ではあるけれども、それほど難解な内容ではないので、文章表現や用いられている漢字から、頭の中にイメージを描きつつ読んでいくとおもしろい。

  • 山奥に時間の流れが異なる異世界があって、普通の人はそこへ入れないようになっているけど、主人公は導かれそこに入ってしまう。
    手塚治虫の火の鳥にも似たような設定の話があったような気がする。物語は全然違うけど。

  • もっと読みにくいかと思ってたが、そうでもない。
    まだ途中だけど、先が楽しみ~。

  • ストーリー的なものではなく「言葉による表現」を味わうことが読書の目的になってきたと思う。

  • 古典風の表現のなかに閉じ込められている、日本人の長らく沈殿し、蓄積している遺伝子にも訴えかける様な、美しい、郷愁の表現。短く区切るその言葉の紡ぎが、いとも簡単に美しい心情描写や風景描写を想起させる。古来の語り部よろしくその任を引き継いだ文章は、短歌や俳句の表現さながら紡ぐ文章いと美し、といった面持ち。その淡麗な美しさから是非音声にその艶を乗せて再読したいものである。もっとも自分の音声がその重厚な艶を、空気に震えに乗せて再現できるかは甚だ訝しげではありますが。端正な文章はその仔細さ、儚げさ、朧な事象を、まるで豆腐の膜で、静かに、しかし、その膜の優しと繊細さとで掬い取ったかのような正確さ。この文章と向かい合う時には一抹の気持ちの断続的な高揚を共にせざるをえないと思う。その心音の強弱と、神妙な心持ちはさながらなにかの儀式に望む心境のように清潔で......(途中)。”

  • なんとなく、もうちょっとすごくてとっつきにくい作家なのかと思っていた。

  • 平野さんが敢えて擬古文に挑んだ作品。
    何故にわざわざ・・・と思わないでもなかったけれど、
    古典的風合いと蝶に誘われ迷い込む夢幻のような世界との調和が
    どことなく「高野聖」を彷彿させとても美しかった。
    蝶やら蜻蛉やら簡単に羽がもげそうな昆虫は苦手だったけど
    平野さんの美しい描写に克服できそうな予感・・・。

  • 久しぶりに陶酔感を味わった。
    読みづらそうな文章なのに、全然読みづらくなく、すいすいと読めた。

  • 不思議と美しい、少しだけ哀しいお話でした。
    熊野を舞台にした幻想小説です。

  • 2009/9/17(〜p181終)

    平野啓一郎氏の作品。

    最初、図書館へ行き「決壊」を借りようとしたら利用可なのに本がなかったため、その代わりに読もうと思って手に取った1冊であります。(帰り際に本棚見たら「決壊」が戻ってきていたので上巻も借りました(*´∇`*))

    最初、開いて2行ほど読んだところで、1度閉じました
    理由は

    「筆記が古典的過ぎる・・・・・・」という点でした。
    文体が現代的ではなく、古典的であったため、読めない字もたくさんあり、振り仮名があっても「こんな読み方するんですか!?」と驚くような表記ばかりだったので、読むのやめようと思ったのですが、逃げたくなかったので読んでみました。

    何頁か読みすすめたところで私は情熱に包まれました。
    なんとすごい本だろうと!
    こんなに引き込まれ、先へ先へと読まないと気がすまない気持ちにさせてくれた本は久々でした。
    とにかく早く読みたくて、1日本に釘付けになりました。


    すごく面白い本でした!!!!

    これは出来たら文庫本を買おうと思った。
    もう2度くらい読みたい!

  • 夢と現が入り乱れる中。愛こそが人間の支え。

    「真拆は、死を逃れることを微塵も願ってはいない。却って、死を熾烈に望んでいる。女を手に入れ、その後に更に生が続くことは、真拆の最も虞れる所である。女と死とは、その刹那、両つながらに得られねばならぬのである。」

  • [初版第1刷]平成14年9月1日発行

  • まぁたまには純文学というものを。

    詞のひとつひとつが静謐であり神秘的。
    かつ象徴的な存在がそれを引き立てる。夕影鳥、胡蝶…


    うーん、でも僕みたいな若者には、こう美しいものを書くとこの世の中な…なんて考えてしまう。
    時代は求めているのかもしれないけど、人は求めるのだろうか。


    そしてなによりも。漢字や表現が古典的すぎて読むのに疲れる…
    何度辞書を開いたか…とにかく、ルビが生命線w

    語彙の勉強をしたい人にはどうぞ。日常生活ではまず使わない語彙だけどw

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